教育ニュース2022.8.1 「通級指導」を受ける生徒が過去最多
勉強や習い事、健康など、お子さんに関わる日々のニュースを知りたいけれど、「ゆっくりニュースをチェックしている暇なんてない…」という保護者のみなさんも多いはず。
このコーナーでは、そんな忙しいみなさんのために、最新の教育ニュースをたった3分でわかるように紹介していきます。
「通級指導」を受ける生徒が過去最多更新。高校では教員不足も
誰が | 文部科学省が | |
何をどうした | 「通級による指導の実施状況調査」の結果を公表 | |
わかったこと | 通級による指導を受ける児童生徒の数が過去最多だったことなどがわかった |
文部科学省が、特別支援教育の推進に取り組む「通級による指導実施状況調査」(2020年度)の結果を7月11日に公表しました。
そもそも通級による指導とは、発達障害などのある小学校、中学校、高校に通う子どもが、大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部その子の障害の特性に合った個別の指導を受ける制度のこと。
調査結果によると、通級による指導を受ける児童生徒の数は、小中高合わせて16万4693人。前年度に比べ約3万人増加し、過去最多となりました。
内訳としては、言語障害が4万3632人と最も多く、次いで注意欠陥多動性障害(ADHD)が3万3825人、自閉症が3万2346人、学習障害(LD)が3万612人、情緒障害が2万1833人、難聴が1956人、弱視が237人、肢体不自由が160人、病弱・身体虚弱が92人です。
小学校、中学校での制度化から25年遅れて2018年度から制度化された高校では、通級による指導が必要と判断した生徒数2396人のうち、通級による指導を行わなかった生徒数が1100人と約半数にのぼりました。
通級による指導を行わなかった理由としては、「本人や保護者が希望しなかった」が449人(40.8%)、「加配(教師や職員を基準に加えて配置すること)がつかず、巡回通級・他校通級の調整も出来なかったため」が 181人(16.5%)であることがわかりました。
通級指導はどのように行われている?
- 通級指導の対象は、言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害(LD)、注意欠陥多動障害(ADHD)、肢体不自由などがある児童生徒。
- 通級指導は、子どもの自立を目指し、障害による困難を改善・克服するため、一人ひとりの状況に応じた指導が行われる。
- 通級指導には、在籍する学校の通級指導教室で行う「自校通級」、自校に通級指導教室がなく他の学校に通う「他校通級」、通級指導の担当教員が、該当児童生徒のいる学校に赴く「巡回指導」の3つの形態がある。
執筆:古川晶子(ディライトフル)