<講師が教えるキッズマナー>子ども同士がケンカした時の対応は?親のかかわり方について
小学校に入学すると、子どもだけで放課後に遊ぶ機会が増えてきます。そこで知っておきたいのが、子ども同士がケンカした時の親のかかわり方。親として口を出すべきか、黙って見守るべきか悩みますよね。今回は、キッズマナーインストラクターの大塚けいこ先生に「子ども同士がケンカした時の親のかかわり方」について教えてもらいました。
まずはわが子に話を聞いてみよう
大塚先生によると、子ども同士がケンカをした時、まず親が行うべきことは「子どもの話を聞く」こと。その際3つのポイントを押さえてほしいそうです。
1.子どもの主張をじっくりと聞く
まずは子どもに、ケンカの経緯や原因をじっくり聞きます。時には、記憶がうやむやなところや、つじつまの合わないところも出てくるかもしれません。トラブルを抱えている時の子どもは、「自分の気持ちをわかってほしい!」という思いを強く抱えているもの。どうか子どもの話を途中で遮ったり、否定したりしないように気をつけて聞くようにしてください。
子どもがひと通り話すことで落ち着きを取り戻すと、相手の非だけでなく、自分が悪かった点についても話してくれることがあります。
2.子どもの言い分には冷静な判断を
子ども同士のケンカが起きた時は、偏った見方をしないことが大切です。わが子の主張がすべて正しいとは限りません。子どもがしたことは、なるべく客観的な視点で判断していくようにしましょう。子どもの話が二転三転するようであれば、時系列で起こった事柄を紙に書いて整理して示しながら、聞き取るとよいでしょう。
3.どうすればのかをいっしょに話し合う
子どもから話を聞き、ケンカの内容が整理できたところで、「どうすればよかったのか」をいっしょに話し合ってみます。例えば、仲間外れにされて悔しくて相手を叩いてしまったケースであれば、手を出す以外の解決方法や、叩かれた相手がどう感じたかを考えてみるとよいでしょう。解決方法をいっしょに話し合う中で、自分の気持ちを整理するだけでなく、相手の身になって、相手の気持ちを考えさせることがポイントです。
親がすべきことは「仲直りのサポート役」
ケンカの経緯や原因、自分と相手の気持ちなどが整理できたところで、これからどうしたいかをいっしょに考えていきます。「仲直りしたい」「またいっしょに遊びたい」と子どもから言ってくるかもしれません。子どもにそういう気持ちが出てきたら、仲直りする方法をいっしょに考えてほしいと思います。「学校であやまる」「手紙を書いて渡す」「電話をかける」など、ケースに応じていろいろな方法があるので、お子さんがいちばん伝えやすい方法を選択させてください。
心配のあまり、親が主導で子どものケンカの仲裁に入るのは、子どもの成長の妨げにもなるのでおすすめできません。子どもたちがケンカを通じてよい友達付き合いが学べるように、一歩引くことを心がけながら上手にサポートしましょう。
子どもだけで解決ができない場合はどうすればよい?
「子ども同士のケンカがこじれてしまった」「相手に物損やケガを負わせてしまった」など、子どもだけでは解決できないような場合もあります。親同士で解決しようとしても、感情的になり良い方向にいかないこともあり得ます。このようにこじれそうになった場合は、学校の担任の先生に入ってもらい、改めて双方の話を聞いてもらう方がよいでしょう。
いかがでしたか?
子ども同士のケンカでは、まずは「わが子の話を冷静に聞くこと」「親が先回りして解決しようとせず、子ども自身が解決できるようにサポートすること」が大切とのこと。
また、大塚先生いわく、日ごろから親同士でコミュニケーションを取ることも大切だそうです。“お互い様”の心をもちながら、大らかな視点で子どもたちの日々を見守っていきたいものですね。