【地球の歩き方×KIDS JOURNEY】第3回 旅のグルメ・アメリカ大陸編
これからグローバルに活躍(かつやく)する子どもたちに向けて、ユニークでお役立ちな情報を、楽しくわかりやすくお伝えする【地球の歩き方×KIDS JOURNEY】。
みなさんは各国の定番グルメや一風変わったお祭り、有名な世界遺産などを見たことがありますか? 世界には私たちが想像もできないような、ワクワクしたり、ビックリしたりする文化やものがあふれています。
ぜひ、親子でいっしょに海外にふれて、世界へのとびらを広げるきっかけにしてみてください。
【どうして?】北と南で全くちがうアメリカ大陸の食文化
そもそもアメリカ大陸の歴史はどのように始まったのでしょう? 今から約530年前、日本では室町幕府が全盛期だったころ、コロンブスという男がスペインから出港し❝偶然❞発見したのがアメリカ大陸です。
その後、現在アメリカ合衆国やカナダがあるアメリカ大陸の北エリアには、イギリスやフランスの人々が移住して多種多様な民族をようする国家を作り上げました。メキシコやブラジルがある中央・南エリアにはスペインなどのヨーロッパ諸国が入り、統治を始めました。
アメリカ大陸の南北で文化や言語がちがうのは、それぞれ異なる国づくりの流れがあるからです。食文化においてもさまざまな歴史の背景が映し出されており、皆さんにたっぷりとその魅力をお伝えしていきます。それではさっそくいってみましょう!
【家庭の味】ソウルフードとは? アメリカ
はじめに紹介するのは、だれもが知るビッグな国、アメリカです。19世紀には産業革命によって大きく変化した人々の生活に合わせ、今ではおなじみの「外食」や「ファストフード」など、新たな食事の考え方や様式が生まれました。このイノベーション精神こそがアメリカの食文化の特長であり、現在も世界をリードし続けています。
皆さんは、口にするだけで、どこかなつかしさや安らぎ感をじる、思い出のグルメや家庭の味がありますか? いわゆる「ソウルフード」というもので、日本人にとってはおみそ汁やおにぎりなどでしょうか。
アメリカ人にとってのソウルフードのひとつは、「キャセロール」という料理で、ジャガイモや肉、チーズをいっしょに容器で焼く料理です。決して主役にはなれませんが、何かと食卓に登場し、今も世代を超えて愛されている料理、ぜひ食べてアメリカの歴史を感じたいですね。
古き良きアメリカの風景としてハリスバーグを紹介します。ハリスバーグはアメリカ東部のペンシルバニア州にあり、50ある州の中でも最も古い歴史をもつ町です。
植民地支配、南北戦争などアメリカの歴史の重要な場面において、常にキーとなる役割を担ってきたこの地には、歴史に関するスポットが数多くあります。ぜひ由緒正しい景色を楽しんでくださいね。
【辛いものが苦手】スペインとアフリカがミックス キューバ
続いては、カリブ海の島国のなかでも最大の面積を誇る国、キューバの食文化をご紹介します。中央アメリカに位置するこの国の食文化は、主にスペインとアフリカの文化によって形成されています。
2015年のアメリカとの国交回復によって、近年では外国人観光客が急増しました。現地レストランでもおいしいキューバ料理を楽しむことができるそうです。
食文化はスペインのほかにも中国人料理の影響を受けていますが、意外にも辛い味付けの料理はめったに食べることができません。それはキューバ人が、隣接するメキシコなどの大陸から来るトウガラシを受け入れられなかったからだそうです。
まさに辛い物が苦手な人たちにとっては楽園のような国ということですね。キューバの名物料理といえば、国内でとれた新鮮な淡水魚を使用した「ティラピア・アサーダ」や、カリブ海産のロブスターやイセエビを焼いた「ランゴスタ」など、どれもとってもおいしそうです!
キューバのちょっぴり意外なグルメ事情いかがでしたか? 「カリブ海の真珠」ともいわれるこの島にはとても自然風景を見ることができ、街ではキューバジャズと呼ばれる楽しい音楽を奏でる陽気な人々と出会うことができます。日本と同じ島国であっても、全く異なる景色を楽しんでいってくださいね。
【美食の国】高山病を楽にしてくれるお茶とは? ペルー
アメリカ大陸編最後にやってきたのは、南米大陸中部にある標高差の大きい国、ペルーです。じつは、「美食の国」として知られ、欧米諸国で人気のペルー料理が、近年日本でも知られてきています。代表的な料理は魚介のマリネ「セビチェ」、他にも中国の調味料を使った肉野菜炒めの「ロモ・サルタード」も絶品です。
ペルーの首都リマの標高は0mから1,550mまでとかなりの差があります。標高の高い場所では、頭が痛くなったり、体がだるくなる高山病などのリスクは避けられません。
そこで、よく飲まれているのはコカの葉を用いたコカ茶です。現地では、ティーバッグやなんとキャンディとしてもよく売られているそうです。
ペルーのコカ茶はぜひ現地で飲んでみたいですよね。そしてペルーといえば、やっぱり世界遺産のマチュピチュを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
写真でしか見たことがないという人も、ストリートビューを使って標高2,400ⅿにある古代空中都市をいっしょに探検してみましょう!
まとめ
【地球の歩き方×KIDS JOURNEY】第3回 旅のグルメ・アメリカ大陸編はいかがでしたでしょうか。歴史を知ることで、その土地の食文化をもっと深く理解することができます。ふだん口にする、日本の食にも歴史がきっとあるはずです。気になった方は「おみそ」や「お寿司」などの歴史を調べてみてくださいね!
次回の舞台はアフリカ大陸です。エジプトの宮廷料理やケニアの民族料理など、どれも必見必食です! それでは次回もお楽しみに。
※「地球の歩き方 KIDS JOURNEY(キッズジャーニー)」は、「地球の歩き方 旅の図鑑シリーズ」の内容を一部抜粋し、子どもたちに世界のユニークな知識や雑学を分かりやすく伝えるマナビスタオリジナル連載記事です。
※「地球の歩き方 旅の図鑑シリーズ」とは、知っておきたい世界の常識から、つい誰かに話したくなる各国の雑学まで、長年世界中を取材してきた「地球の歩き方」ならではの知識と情報が満載の読み物シリーズ。好評につき、続々新刊登場予定!
※写真:©iStock
Information
出典
『地球の歩き方 世界のグルメ図鑑
116の国と地域の名物料理を食の雑学とともに解説
本場の味を日本で体験できるレストランガイド付き!』
「地球の歩き方」編集室(編)
定価:1,760円 (税込)