【小学生の読書感想文】 構成の順序をマスターしよう! 学年別のコツも紹介
読書感想文は、とにかく準備が大切です。
文章全体の流れが決まっていない状態で書き始めては、せっかくの作文も何を伝えたいのかわからなくなってしまいます。でも、書き方のコツを知り、それにあてはめることができれば、だれでも読み手に伝わる文章が書けるのです。
今回は、小学校低学年から高学年まで使える作文テクニックをテンプレートでご紹介しますね。
読書感想文は構成の順序を知ると書きやすい!
読書感想文は本を読み、さらに作文をしなければなりません。時間がかかる宿題ですから、なかなか手をつけられなかたり、取り組んでいて億劫になったりすることがありますよね。
でも苦手な原因・コツさえつかめば、よい文章がスラスラ書けてしまいます。
難しいと感じるのは書き方がわからないから
読書感想文を苦手とするお子さんの多くは、書き方や文章のまとめかたに不安を感じています。たとえば、「本の内容をどう伝えるのか」「本のどこに焦点を当てるのか」などがわからないと、何を書けばよいかわからなくなり、手が止まってしまうのです。
また、限られた字数の中で感想をまとめることも難しいですよね。書き終えて読み返すと、何が言いたいのかわからない文章になってしまうなんてこともよくあります。
構成の順序を知り下準備をすればスラスラ書ける
いきなり原稿用紙に文章を書きはじめてはいませんか? 実はこれ、読書感想文を難しいと感じる人に共通する特長なのです。
読書感想文は書く前の準備が大切。まずは「構成」を考えることから始めましょう。
構成とは、文章の流れのことです。全体の流れがつかめると、おのずと書く内容や字数が決まっていきます。すると、言いたいことがまとまった文章がかんたんに書けますよ。
読書感想文が書きやすいテーマの本を選ぶのも大切
本には、読書感想文が「書きやすいもの」と「書きにくいもの」があります。
たとえば、空想の世界を描いたファンタジーは、感想が書きにくいです。楽しく読めてよいですが、内容が複雑なことが多く、ストーリーの説明や感想を述べる場合には向いていないのです。
読書感想文には、お子さんが登場人物に共感できる作品・身近なテーマやおもしろい内容を扱った作品がオススメです。歴史的人物の人生を描いた「伝記」や、お子さんと同じ習いごとをテーマにしたものを選ぶとよいかもしれませんね。
読書感想文の順序は4つの構成から考えよう
ではさっそく、構成について考えていきましょう。読書感想文は、基本的に次の4つのまとまりに分けて書いていきます。
- はじめに・きっかけ
- あらすじ
- 感想・考えたこと
- まとめ
このパートでは、それぞれの段落に書いてもらいたい内容をご紹介していきます。
第一段落「はじめに・きっかけ」
書き出しに悩まれる方も多いのではないでしょうか。でも、難しく考えなくてだいじょうぶ。
まずは、読書をはじめたきっかけや、その本を選んだ理由についてかんたんに紹介してみてください。つぎの4つのポイントを参考にすると、読者に興味をもってもらえるかもしれませんね。
- 本のタイトルと作者
- 読書のきっかけ
- その本に対する最初の印象
- どんなことを期待してその本を読んだのか
第二段落「あらすじ」
第二段落では、本の内容を短くまとめ、読者に伝えましょう。では、具体的に何を書けばよいのでしょうか。あらすじは5W1Hにそって書くとかんたんです。
5W1Hとは?
- Who:だれが
- When:いつ
- Where:どこで
- What:なにを
- Why:なぜ
- How:どうした
では、「桃太郎」のあらすじを実際に書いていきましょう。
昔(When)桃から生まれた少年(Who)が宝物をとりかえすために(Why)仲間とともに鬼ヶ島(Where)へむかい、鬼をたおして(What)平和をとりもどす(How)お話です。
必ず書きたいのは、「だれが(Who)どうした(How)」の部分。
ほかの4つ(When/Where/What/Why)は、字数や本の内容によっては書いてもかかなくてもOKです。あらすじをくわしく説明したいときは、お好みで付け足してくださいね。
第三段落「感想・考えたこと」
ここでは、本を読んで思ったことを自由に書いていきます。みなさんそれぞれの個性が出る段落ですから、このパートが充実していると、学校での評価も高くなるかもしれませんね。
学校やおうちでの具体的なエピソードをまぜて書けると、さらに説得力が上がります。
こんなポイントをふまえて書いてみてはいかがでしょうか。
- 登場人物・物語の出来事にどんな感情を抱いたか
- 本のテーマに対するみなさんの考え
- 登場人物がどのように成長していったか
- 登場人物の行動を自分と重ねて考えてみる
第四段落「まとめ」
最後の段落は、みなさんの感想や考えを読者に印象づける部分です。ですから、読者の心に残る言葉や考えが書けるといいですよね。
そのためには、以下の3つを参考に考えると、よい締めくくりになるかもしれません。
- 本のオススメ度・どんな人に読んでほしいか
- 自分の成長や学び
- 本を読む前と読んだ後の印象のちがい
【学年別】読書感想文の書き方のコツを押さえよう
構成の順序が理解できたら、つぎはみなさんの読書感想文にあてはめて考えていきましょう。 すぐに原稿用紙に書くのではなく、まずはメモにみなさんの構成を書き出すことが成功のカギ。そして、それをもとに下書きをし、やっと本番です。
アイデアや文章の流れを整理することで、本番で間違いを直す回数を減らすことができますよ。
小学校低学年【800文字程度】
原稿用紙2枚の分量を、低学年のお子さん一人で書くのはハードルが高いかもしれませんね。
そんなときには、読書そのものが楽しい体験になるよう、保護者のみなさんがサポートしてあげるとよいでしょう。
「主人公の気持ちを考えてみて。あなたならどうすると思う?」「どのキャラクターが好き? どうして好きかな?」など、質問を投げかけてみてください。お子さんの感情や考えを引き出し、それに共感してあげることが大切です。
小学校中学年【1200文字程度】
低学年よりも文字数が増える中学年。平均で原稿用紙3枚分書かなければなりません。すると、文章がしだいに単調になってしまうことがあります。
特に気をつけたいのが同じフレーズや文章表現が連続しまうこと。たとえば、こんな文章はどうでしょうか。
友だちとハグをする姿に感動しました。物語の中で、主人公が親友と再会する場面があって、友情の大切さを学びました。この本は感動的で、何度も読み返したいと思いました。
一見よさそうな文章ですよね。しかし、文末がすべて「~ました」となっており、読み手には単調に聞こえてしまいます。そんなときは、次のように直してみましょう。
感動したのは、友たちとハグをする場面です。主人公が親友と再会する場面から、友情の大切さを学びました。とても感動的だったので、何度も読み返したいです。
このように、主語や文の最後を少し変えるだけで全体がスッキリした印象になります。
小学校高学年【1200文字程度】
高学年になると、選ぶ本に少し厚みが出てきますよね。すると、読み終わったころには、感想がパッと思い浮かばないことがあります。
オススメは、読みながら目印を残すこと。気になった場面やセリフは付せんをつけるか、メモを取っておくと、あとで便利です。メモには、以下のことを書き留めておくとよいかもしれません。
- ページ・行数
- 気になった部分・場面・セリフ
- なぜ気になるのか? どう感じたか?
読書感想文の下書き段階でチェックしたいポイント
「下書きが完成したから、いざ本番!」と考えるかもしれませんね。でも、その下書きは完ぺきでしょうか?
本番でのミスをなるべく減らし、きれいな原稿用紙で提出するためにも、下書きができた段階で一度チェックをはさみましょう。確認してほしいポイントは、次の3つです。
- 構成の確認
- 段落ごとの文字数やバランス
- 漢字やことばの表現は正しいか
① 構成の確認
はじめに・きっかけ/あらすじ/感想・考えたこと/まとめ の4段落に分けられていますか? また、全体のつながりや流れも確認してみましょう。書いたものを音読してみると、間違いに気づきやすいです。
② 段落ごとの文字数やバランス
4段落のうち、もっともくわしく書いてほしいのが、第三段落の「感想・考えたこと」です。
みなさんの考えを示すパートですので、読書感想文のメインと言えるでしょう。ほかの段落の文字数が多すぎると、全体のバランスが悪くなってしまいます。第一段落・第二段落は、かんたんに・短くまとめるようにしましょう。
③ 漢字やことばの表現は正しいか
なかなか自分自身で気づくことは、難しいかもしれませんね。親御さんやお友だちに一度チェックをしてもらうとよいでしょう。また、不安であれば国語辞典を使って、調べてみるのもオススメですよ。
読書感想文や作文をサポートする教材を活用しよう
読書感想文はもちろん作文は、夏休みの宿題や授業でも書く機会が多いですよね。
その目的は、自分の考えや感情を整理し、表現することにあります。学習はもちろん、お子さんの豊かなこころを育むためにも大切です。どんどんステップアップするためにも、教材を有効活用しましょう!
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まとめ
いかがでしたか。今回は、読書感想文の構成について解説してきました。
読書感想文だけでなく、作文などで「書き方がわからない」「何を書けばいいの?」と困ったときは、まず文章全体の流れを決めることを意識してみてくださいね。
どんなことでも、本番をむかえる前には下準備が大切です。事前に「どんなことを書きたいのか」「どこでなにを述べるか」などを決めておくことで、スムーズに文章が書けますよ。ぜひお試しくださいね。