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知って安心! 子どもと自転車:第3回【安全走行のための装備・服装】

知って安心!  子どもと自転車:第3回【安全走行のための装備・服装】

春から夏は、アクティブになるシーズン。自転車で出かける機会も増えるのではないでしょうか? 【知って安心! 子どもと自転車】第3回は、この時期や雨天時に自転車に乗る際、気をつけておきたい服装や装備についてご紹介します。

サンダルは自転車には不向き

夏の履物

もうすぐ夏本番。この時期、自転車に乗る際に気をつけたいのが、子どもの履きものです。自転車ジャーナリストの遠藤まさ子先生に、注意点を伺いました。

「夏になると、かかとのベルトがないサンダルや、ビーチサンダルを履くお子さんが多いのですが、自転車に乗るときには向きません。柔らかすぎるソールだと踏み込む力が伝わりにくいだけでなく、踏み込んだときに足がペダルから滑り落ちたり、脱げたりするものが少なくありません。脱げたサンダルがタイヤに挟まったり、足がスポークに巻き込まれたりすれば、事故や大けがにもつながってしまいます。自転車に乗るときには、どの季節でもスニーカーを履かせると安心でしょう。」(遠藤先生)

雨の日に自転車に乗るなら

折り畳み傘

雨の日は路面が濡れているためブレーキが利きにくく、スリップもしやすいものです。事故には至らなくても、雨の日の自転車の運転で、ひやっとした経験をおもちの方も多いのではないでしょうか?

「雨の日にはさまざまな危険が潜んでいますので、できれば自転車には乗らないほうがいいでしょう。それでも、どうしても乗らなければならないという場合は、安全面を考慮して自転車用の雨具をそろえておきましょう。
雨が顔に降りかかって視界が悪くなると危険なので、ベストな雨具は自転車用のレインコートです。フードの前半分が透明になっていたり、硬いつばがついていたりと、自転車用に工夫がされています。運転もしやすく、セパレートタイプなら足も濡れにくいです。」(同)

自転車の傘差し運転は、多くの都道府県では禁止されている(道路交通法地方細則)ので厳禁です。ただ、自転車を降りたあとで歩くときのために傘を持ち運びたいこともありますね。

「長傘をハンドルにかけて自転車を運転すると、先がタイヤに挟まる危険性があり、命に関わる事故につながります。そのくらいのことでと思われるかもしれませんが、実際に死亡事故も起きています。自転車で傘を持ち運ぶときは、長傘ではなく折りたたみ傘にして、カバンや前かごに収納するようにしましょう。」(同)

タオルやストールは危険!

夏になると、プールやスイミング教室に自転車で行くお子さんも増えますね。プール後に自転車に乗るときにも注意点があります。

「プール帰りに、頭にタオルを巻いて自転車に乗っているお子さんを見かけます。特に小学生くらいの子どもに多く見られますね。ところが、万一タオルが外れてタイヤに挟まってしまった場合、長傘と同様、大けがをする危険性があります。保護者の方も、ストールなどの巻物は、乗っている間に緩んでタイヤに巻き込まれるおそれがあるので、しっかり結わえておくか、乗るときは外すようにしましょう。」

ヘルメットの装着を嫌がったら

自転車と小学生

小学校高学年にもなると、自転車に乗ることに慣れ、ヘルメットを拒否する子どもも出てきます。そんなときは、どのようにヘルメットの必要性を伝えていけばいいのでしょうか。

「子どもがヘルメットを最初に嫌がるのは、子乗せ自転車に初めて乗るころです。ただ、ヘルメットに慣れさせてそのハードルを乗り越えてしまえば、嫌がる子はあまりいなくなる印象です。その次に嫌がるのは、小学校高学年ごろでしょう。自意識が芽生え『カッコ悪い!』などと言ってヘルメットを拒否する時期です。

そういう気持ちからヘルメットを嫌がるお子さんには、『ヘルメットをかぶっていないと、事故にあったときに死んでしまうよ』とはっきりと言っていいと思います。ヘルメットの無装着で死亡率が高まるのは事実ですし、現実にあった自転車事故の例など、事実を交えて伝えてみてください。小学校低学年以降であれば、ヘルメットの重要性を理解できる年齢だと思います。」(同)

執筆/田中絢子

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遠藤まさ子 (えんどうまさこ)

監修者:遠藤まさ子 (えんどうまさこ)

自転車の安全利用促進委員会メンバー、自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い、各誌に寄稿している。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアでコメンテーターとして登場する機会も多い。

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