【学年別】小学生にオススメの本6選! 本好きの子どもを育てるコツとは?
皆さんのお子さんは本を読みますか?「自分も、読書よりゲームの方が好きだったからなぁ」なんて子ども時代を思い返す保護者の方もいらっしゃるでしょうか。
確かに今は、本以外のコンテンツにも優れた作品はたくさんありますよね。ただ、小学生になると、朝読書の時間があったり、毎日の宿題にも「読書」が出たりして、本が苦手な子の保護者は頭を悩ませるところ。
そこで今回は1~6年の学年別に、小学生におすすめの本をご紹介。さらに上手な本の選び方や、本好きな子にするための3つのコツもお伝えしますので、ぜひお子さんと一緒に本を選ぶ際の参考にしてください。
小学生は「どんな本と出会うか」が重要!
小学生になると、否応なしに本と関わる機会がグッと増えます。夏休みの読書感想文、ホームルーム前の朝読書の時間、図書の授業、毎日の宿題など…。このタイミングを活用し、読書の習慣を身に付けるためにも、「どんな本と出会うか」の本選びはとっても大切。
大人の価値観で「読ませたい本」を押し付けるのはNGですが、本を選ぶところから苦手な子もいますよね。では、どんなポイントに注意して本選びを手伝ってあげれば良いのでしょうか。
小学生の本を選ぶ際のポイント
本の選び方のポイントは、低学年と高学年では少し違ってきます。それぞれ見てみましょう。
小学校低学年(1年生~3年生)
低学年の読書で最も大切なのは、「読書が楽しいと思えること」に尽きます! 読書を楽しいと認識してもらうことが重要な段階なので、「うちの子は妖怪大事典ばかり読んでいて…」などの心配も、今は端に置いておきましょう。
大人としてはついつい「教養になる名作やためになる本を読んでほしい」と欲張ってしまいますが、何よりも本人が「読書って面白い!」と思えることが大切です。
興味のあるジャンルが特にないお子さんの場合、数ページで1つのお話が完結しているようなアンソロジーや、なぞなぞの本などの、読みやすいものから始めてみましょう。
小学校高学年(4年生~6年生)
高学年になると、国語の授業などでも10ページ以上に及ぶ長い文章や、読解力が必要な説明文に取り組むようになります。文字を読むということに関しては、十分な素地が整った段階と言えるでしょう。
読める本の幅がグッと広がるので、「世界を広げてくれるノンフィクション」や「ワクワク、ドキドキさせてくれる冒険譚」、「友達関係などの悩みに寄り添ってくれる物語」など、その時々の子どもの興味・関心に合わせて選べるといいですね。
本が好きな子の中には大人顔負けの長編やジュニア新書などを読み始める子もいますが、そうしたお子さんと比べてアレコレ言ってしまうのはNG。本人の興味とペースを大切に、本の世界を広げられるようにサポートしましょう。
【学年別】小学生にオススメの本6選
では、上記の特徴を踏まえた上で、1年生から6年生までの学年別にオススメの本を紹介します。
1年生『なぞなぞのすきな女の子』
パパ・ママの手に余るほど、なぞなぞが大好きなお子さんはいませんか? この絵本はそんな女の子が主人公。森で腹ぺこオオカミに食べられちゃいそうなときだって、すかさずなぞなぞを繰り出して、オオカミを悩ませます。
答えに悩むオオカミと少女のやり取りがユーモラスで、かわいい挿絵にもほのぼのする、1973年発行のロングセラー絵本童話。読み聞かせにもぴったりです。
2年生『10分で読める伝記 2年生』
累計520万部突破・「よみとく10分」シリーズの増補改訂版。エジソン、キュリー夫人、ベートーベンといったおなじみの偉人から、安藤百福、手塚治虫といった最近の人物まで、2年生で触れておきたい12人の伝記が収録されています。
10分で読める文章量なので、朝読書や音読の練習にもぴったり。コラムの「偉人タイプしんだん」では、いくつかの質問に答えることで「ひらめきで世界を変えるタイプ」「自分を信じてがんばるタイプ」など、自分に近い偉人のタイプが分かるので、親近感をもって読み進めることができますよ。
3年生『きかいのしくみ図鑑』
「トイレの水はどうして流れるの?」「自動販売機の中はどうなっているの?」など、ふだん見たり触ったりしている道具や機械のしくみを、イラストを使って分かりやすく教えてくれる図鑑です。しかけイラストをめくることで、その断面図や構造のイラストが出てくるので、楽しみながら自然に理系脳を育むことができます。
「いろいろな動きの組み合わせで、目的の働きを実現する」というプログラミング的思考を学ぶのにもピッタリ。低学年から高学年まで長く楽しめる一冊です。
4年生『三国志』
「10歳までに読みたい世界名作」シリーズの第30弾! 50点以上ものカラーイラストと、短い章立ての工夫、そしてキャラクター同士の相関関係が分かる「物語ナビ」付きで、教養として読んでおきたい世界名作をグッと身近に感じることができます。
「今から約1800年前、みだれた世の中を正そうと、劉備・関羽・張飛の3人の英ゆうが立ちあがった…!」3人が出会う「桃園のちかい」から、軍師・孔明が活躍する「赤壁のたたかい」までのエピソードを、子どもでも理解できるダイジェスト版として構成。「三顧の礼」や「水魚の交わり」の故事成語など三国志にまつわる豆知識も紹介されています。
5年生『この世界からサイがいなくなってしまう』
「第8回子どものための感動ノンフィクション大賞」最優秀賞受賞。NHK・初代ヨハネスブルク支局長としてアフリカ30か国以上を取材してきた著者による、迫真のノンフィクション。絵本や動物園でおなじみのサイを通じて、アフリカ、そして世界の抱える問題について考えさせてくれます。
国立公園をヘリコプターでパトロールするレンジャー隊や、母サイを殺された子どもサイを保護する「サイの孤児院」、iPS細胞などの科学技術による「復活プロジェクト」など、密猟で激減するサイを救おうとする様々な人々に取材。
密猟問題の背景にある貧困や男女格差などについても触れており、SDGsについて考えるきっかけとしても最適です。
6年生『5分後に意外な結末 ①赤い悪夢』
5分程度で読めて、最後に「あっ」と驚くどんでん返しがある…そんなショートショートを30本収録したアンソロジー。1話完結なので、どの巻の、どのお話からでも読むことができます。シリーズ累計100万部突破。
―5歳の息子が、ある晩突然「パパの時給はいくら?」と聞いてきた。大方、友達同士でそんな話になったのだろう。しかも最近は、近所の人にお駄賃をもらって歩いたり、妻からお金を借りたりしているという…。一体どういうつもりだと男は息子を叱ったけれど、最後に泣いていたのは男の方で…?(「父の時給」より)―
SF、ホラー、笑える話、泣ける話と、バリエーション豊富に収録されています。
賢さにつながる! 読書をするメリット
本を選ぶときのポイントが分かったところで、改めて読書をすることのメリットを考えてみましょう。
まず思い付くのが国語力の向上です。特に低学年のうちは、読書によってひらがな・カタカナ・漢字にたくさん慣れ親しむことで、今後の学習の土台となる基礎的な国語力を育むことができます。読めば読むだけ語彙も増えるので、高学年も同様です。文章を読み取る力は今や、国語だけでなく、算数や理科、社会などのあらゆる教科でますます重要視されてきています。
また、読書は想像力を鍛えるのに最も適した教材です。映像コンテンツと違って文字情報が主体になるため、例えば「丘の上にある赤い屋根の小さな家に、三つ編みを揺らしながら少女が駆けて行った」という一文を読むだけでも、私たちは想像力を駆使して情景を思い浮かべなければいけません。
想像力は、他人の気持ちを思い遣るために必要不可欠な力。さらに、読書は脳の様々な部位を活性化するという研究結果も出ており、これによってコミュニケーション能力などの非認知能力も向上すると言われています。
本好きの子どもを育てる3つのコツ
これだけメリットの多い「読書」。では、子どもが本好きになるために、周りの大人はどんなサポートをしてあげれば良いのでしょうか。
読書しやすい環境を作る
読書を習慣にするためには、朝ごはんの時間や宿題の時間のように、「読書の時間」を毎日のスケジュールに組み込むことが大切です。「朝ごはん前に食卓で10分読もう」「寝る前にベッドに座って15分読もう」など、読書の時間を毎日のスケジュールに組み込みましょう。
そのとき、大人も一緒に「読書の時間」を楽しめるとベスト。料理の本でもライトノベルでも何でも良いので、保護者自身が読書を楽しんでいる姿を見せると説得力は抜群です。
子どもの興味や好みを優先する
子どもの読書に関して最もNGなのは「そんなくだらない本ばかり読んで」と本人が選んだ本を否定すること。先述したとおり、本人が興味の沸くものなら、なぞなぞの本でも戦隊モノの図鑑でも、何度も繰り返し同じ本を読むのでもOK! まずは「読書って楽しい!」という感覚が芽生えることが重要です。
子どもが夢中になっている一冊から始めて、次はそのシリーズの別の巻、その次は同じジャンルの別の本…など徐々に読書体験を広げる手助けをしてあげましょう。例えば、虫の図鑑が好きなお子さんなら、ファーブルの伝記や、虫にまつわるジュニア・ノンフィクションなど、「虫」を軸にして本を探してみましょう。
感想は求めない
本を読んだ感想を正確に言葉におこすのは、大人でも相当難しく感じるもの。一冊読み終えた後は、いろいろな感情や思いが頭の中をグルグル巡っているはずなのに、言葉にした途端に陳腐な一言になってしまって「こんなのじゃないのに…」となった経験、誰もがあるのではないでしょうか。
子どもが本を読んでいると、つい「面白かった?」「どんなところが?」と聞きたくなってしまいますが、もしかしてその行為は、子どもを読書から遠ざけているかもしれません…。読書は基本的に、自分一人でその作品との対話を楽しむ行為です。国語の設問のような野暮な問いかけはせず、黙々と本の世界に浸る姿を見守りましょう。
年齢・興味に合わせた本を選ぶなら「学研出版サイト」
読書を好きになってもらうには、年齢や興味など、お子さんの現状に合った本を上手に選べるかがキーポイントになります。
「学研出版サイト」では、「虫」などのキーワードで検索して、さらに年齢別に絞り込みをかけられるので、お子さんの年齢・興味に合った本が見つけやすくなっています。良書がたくさん揃っていますので、ぜひ一度、覗いてみてくださいね。
まとめ
一日十分程度の読書でも、毎日の習慣として続けることができれば、それはとても大きな財産になるでしょう。知識や教養としてはもちろん、読書体験で得た感動や想像力は、人生を豊かなものにしてくれるはずです。今回ご紹介したポイントを参考に、お子さんが夢中になれる一冊が見つかりますように!