都道府県は自主学習で確実に覚えよう! 楽しく学ぶのが定着の近道
小学校4年生からは、社会の授業で都道府県の名前や位置、特長などを学びます。それにともない、子どもが都道府県をテーマに自主学習をする機会も増えるでしょう。
学習するときは好奇心を刺激し楽しく学ぶと記憶が定着しやすくなります。地図に都道府県名や県庁所在地を書きこむスタンダードな学習もよいですが、少し掘り下げて日本のことを詳しく調べてみませんか。この記事では、自主学習の内容を工夫して効率よく都道府県を覚えるコツや、便利な学習サービスについて解説します。
※目次※
- 都道府県の自主学習はステップをふんで効率よく進めよう
- 都道府県を覚える! 自主学習のノートづくり
- 都道府県を学習するのに最適なドリルやアイテム
- まとめ
都道府県の自主学習はステップをふんで効率よく進めよう
都道府県を覚えるときに、ただ暗記するだけではもったいないかもしれません。気候や地形をあわせて知ることで、社会分野だけでなく漢字や理科的な分野も複合(ふくごう)的に学習できます。毎日少しずつ自主学習に取り入れて、学びを深めていきましょう。
1.地方区分から始めよう
まずは日本を8つに分けた地方区分にしたがって覚えましょう。都道府県の区分けのみの真っ白な地図、いわゆる「白地図」を用意したら、北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、四国地方、中国地方、九州地方を地図上に線を引いたり色分けをしたりと、自分なりにわかりやすく区分します。
また「東京と大阪の大都市圏による2区分は東日本と西日本」、「気象で分けた北日本・東日本・西日本の3区分」など、ざっくりとした区分けがあることも覚えておくとよいでしょう。数ある都道府県を少しずつ学べるため、自主学習の取りかかりには最適です。
2.都道府県と県庁所在地は漢字も一緒に覚えよう
地方ごとに都道府県名を覚えていきましょう。まずは自分の住んでいる都道府県から始めて、その周辺も順に覚えていくと頭に入りやすくなります。
そのとき、漢字も一緒に覚えるのがオススメです。都道府県に使われている漢字はすべて4年生までに習います。低学年などで漢字が難しい場合はひらがなでもよいですが、社会分野と国語分野を同時に学べて一石二鳥の気持ちでがんばりましょう!
3.気候を知ろう
子どもたちはなんとなく「北海道は寒い」「沖縄は暑い」といった知識をもっていることがありますが、気候の特長を地図と合わせてしっかり定着させましょう。地方区分を覚えていればスムーズです。
たとえば、「日本の四季は季節風に大きな影響を受けるため地方によって気候はさまざまであり、大きな特長として太平洋側は夏に雨が多く日本海側は冬に降水量が多い」などと掘り下げて学習します。
4.平野(へいや)や山脈、川、海流を知ろう
住んでいる地域に特長的な地形があれば積極的に調べてみます。それから日本の代表的な山脈や河川(かせん)、海流の名称と場所を覚えていきましょう。
日本では南側から流れる日本海流と対馬(つしま)海流、そして北からの千島(ちしま)海流とリマン海流が干渉しあって気候をつくる一因となっています。また、日本海側が豪雪地帯になるのは高い山脈が連(つら)なるためです。同じ日本でも、海流や地形によって気候が異なることがわかります。
5.特産物を覚えよう
気候や地形を知ると、その地方の特産物への理解が深まります。たとえば、
- ミカンは温暖で降水量が多すぎない地域がよい=愛媛県や和歌山県といった地域が適している
- サクランボは寒冷地でよく育つ=東北地方が適している
こういった風土の特長を生かした特産品が数多くあります。その土地ならではの特産品について、気候や土地柄を含め段階をふんで学習すると覚えやすいでしょう。
都道府県を覚える! 自主学習のノートづくり
覚えるコツとステップがわかったら、自主学習ノートにどんどん書いていきます。単純に調べたことをノートに書くのもよいですが、飽きさせないためには子どもが楽しく自主学習に取り組める工夫も必要です。少しの遊び要素を取り入れて、ノートづくりが楽しくなるとよいですね。
クイズ形式で楽しく
子どもはクイズやなぞなぞが大好きです。都道府県クイズをつくるには内容を理解しなければいけません。あれこれと試行錯誤してクイズをつくりながら都道府県について覚えます。親子でクイズを出し合ったりしてもよいでしょう。
以下のようなクイズでは答えが複数あったり、人によって出てくる回答が違ったりするため、より楽しめるかもしれません。
- 「山」の漢字が使われている都道府県はいくつ?
- 人の身体にかんする漢字が使われている都道府県は?
- 海に接していない都道府県は?
- ほかの都道府県と接している数が一番多い都道府県は?
特産品や代表的な山など3つのヒントを出して答える「スリーヒントクイズ」も人気があります。つくった問題を自主学習ノートに書いて発表する子どもも多く、クイズは自主学習の中でも楽しくできて学習効果のある形式のひとつです。
答え
- 6つ(山形県、山梨県、富山県、和歌山県、岡山県、山口県)
- 岩手県、山口県
- 8つ(群馬県、栃木県、埼玉県、長野県、山梨県、岐阜県、滋賀県、奈良県)
- 長野県(群馬県、埼玉県、新潟県、富山県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県の8県と接しています)
ランキングをつくってみよう
都道府県の調べ学習としてランキングをつくるのもよいでしょう。子どもの興味のある分野からテーマをピックアップし、それについて調べます。結果をランキング形式でノートに記すと記憶が定着しやすく、勉強感も薄くできるところがメリットです。
面積の広い都道府県、他県と接する数が多い都道府県、人口の多い少ない、島の数が多い、などさまざまなランキングが考えられます。保護者の方も広い視野で子どもにヒントを出してあげながら、いろいろとつくってみましょう。
行ったことがある・行ってみたい都道府県を調べる
実際に訪れた経験がある、または訪ねてみたい都道府県について調べる学習もオススメです。家族で旅行をした、以前住んでいた、親せきのだれかが暮らしているなど身近なことは、興味をもちやすく記憶に残りやすい傾向があります。
これから遊びに行く予定のある地域や、行ってみたい観光地、将来住んでみたい街など詳しく知らない都道府県について調べるのもよいでしょう。気候や環境などから「そこではどんな暮らしができると思う?」「地域ならでは何が食べられるのかな?」といった具合に、学習に取り組んでみてください。
地図にイラストを添えて自分だけのノートに
お絵かきが好きなお子さんにオススメの学習法がこちらです。着色やイラストを描くのに熱が入ってしまうかもしれませんが、最初は子どものやり方を見守りつつ内容の充実を目指して進めてみましょう。
- 白地図を自分で書く
- 海流や川、山脈などを書きこむ
- その土地の特産品や世界遺産などのイラストを添える
子どもの感性でほかにもいろいろなアイデアが出てくるかもしれません。イラストをふんだんに使ったりカラフルにしたりと、自分だけの都道府県学習ノートをつくってみてください!
都道府県を学習するのに最適なドリルやアイテム
教科書や学校からもらってきた資料だけでも自主学習はできますが、さらにふみ込んで学びたくなったら、市販のドリルや知育教材を取り入れるのもオススメです。子どもが興味を引く工夫がされた教材は、使えば使うほど学習の定着に加えて、関連する分野への視野が広がります。
【全学年にオススメ】
New日本列島ジグソー
幼児期から小学生まで長く使える都道府県のジグソーパズルです。各ピースの表面には県名と県庁所在地を示す印を、裏面には県庁所在地名を記載しています。ピースをパネルから外すと鉄道路線図が現れるこだわりも。
日本列島の周りには特産品や世界遺産などを親しみやすいイラストで紹介し、楽しんで覚えられる工夫がされています。小さいときからパズルとして取り組んだり、親子でクイズを出し合ったりするのもよいですね。
【全学年にオススメ】
都道府県かるた
かるた遊びは低学年から楽しめ、どこへでも持っていけるコンパクトな点が魅力です。取り札の裏面には文化遺産や川、山脈など豊富な情報が記載されているので、高学年の学習にもぴったり。うれしい日本地図と白地図ポスターつきです。
読み札の内容を耳で聞いて、取り札を目で覚えられるため、聴覚と視覚の相互作用でより記憶が定着しやすくなるでしょう。
【低学年】都道府県を知ろう
都道府県にまつわる短いお話を読み、問題に答えるスタイルのドリルです。読書をしながら都道府県に詳しくなれて、さらに読解力もきたえられます。イラストを多用し1年生でも取り組めるようルビが振ってあるのがうれしいポイントです。自分の好きなページから始めましょう。
都道府県の図や写真を使って紹介し、キーワードを埋めるタイプのドリルです。すべての都道府県ページに地図が描かれており、自分で色を塗る課題があります。都道府県に特に興味がある子どもや中学受験を視野に入れている低学年の親子に人気のある一冊です。
【中学年】漢字もしっかり覚えよう
47都道府県の知識をもとに、謎を解いて事件解決に導くというコンセプトのドリルです。世界遺産や特産品、都道府県の特長などの知識が頭に入るだけでなく、論理的に思考する力も身につきます。読書好き、謎解きが好きな子どもにオススメです。
すべてのページにフルカラー写真を使い都道府県に関するクイズを掲載しているハンディブックです。たとえば、「日本で一番面積の広い都道府県は?」「じゃがいもの生産量が日本一なのは?」など覚えておきたい重要なポイントをクイズで幅広く学べます。
覚えたことや関心をもった点などを、自主学習ノートに自分なりにまとめてみるのもよいでしょう。
【高学年】関連する事柄を理解しよう
小学生のうちに覚えておきたい都道府県の基礎知識をコンパクトにまとめたドリル。1回5分程度で完了するので毎日の朝学や、中学生になる前の復習として取り組むのにもオススメです。都道府県にとどまらず世界の国々にもふれています。
社会科分野を網羅(もうら)した決定版の参考書です。都道府県とその関連事項について詳細な情報が得られます。わからないことを自分で調べる習慣がつくのもメリット。低学年でも豊富な写真や絵を楽しめるため、自宅に1冊置いておきたい参考書です。
まとめ
小学4年生で本格的に始まる都道府県の学習。幼いうちから遊びの中に取り入れて都道府県の事柄にふれていると、いざ始まったときに単元の理解が早くなります。
自主学習では地理的な場所だけでなく、特産品や世界遺産、他国とのかかわりについても深く学べるとよいですね。市販のドリルや知育教材を使ったり、便利な学習サービスを利用したりして効率よく学習を進めましょう。