定期テストと高校入試の切っても切れない関係……定期テストの見直しで成績向上を
「東大式!伸びる子どもに育てる小中学生の勉強術」第22回。
毎日の勉強計画指導まで行う学習塾STRUX・SUNゼミで塾長を務めている橋本拓磨です。
2021年3月末に出版した拙著「10歳からの東大式勉強術」(学研プラス)の内容をふまえ、小学生・中学生のお子様をもつ保護者の方へのアドバイスをお届けしています。
内申のためだけじゃない、中学の定期テストの重要性
今回は、中学校の定期テストと入試とのかかわりについてお伝えしていきます。皆さんご存知の通り、公立高校の入試においては内申点が非常に重要で、都道府県によって入試の何割かを内申点が占めるということがほとんどです。そのため、公立入試に合格するためには、中学の定期テストでも点数を取って、内申点を確保しておく必要があります。
ただ、定期テストはこの「内申点を確保しておく」以外にも重要な目的があります。それが「教科書レベルの基礎ができているかを正確に把握する」こと。中学校の定期テストはもちろんテスト勉強にしっかりと取り組んでおかないと高得点が狙えないレベルになっていることが多いのですが、そうは言っても出題される内容はすべて教科書レベルのもの。上位の公立高校や私立高校受験を狙う上では、定期テストレベルはどんなに悪くても平均点以上、できれば毎回80点以上を安定して取れるくらいにしておきたいところです。逆に、この定期テストであまり点数が取れていない場合は、点を落としている範囲や分野が抜け落ちている可能性があるので、その範囲をきちんと確認した上で復習しておくことが、高校受験につながる勉強のポイントになります。
行きたい高校から定期テストの目標点を決めよう
基礎の定着度を確認する上でも重要な定期テスト。有効活用するためには「何点くらい取るべきなのか?」という目標を決めておくことが効果的です。目安として、最上位の公立高校や上位私立高校を狙う場合はもちろん9割から満点近くを目指していくことになります。さきほども触れたとおり、定期テストの問題は基本的なものも多く、学習した内容をしっかりと復習して、かつ受験に向けた勉強にも取り組めている人、または普段の学校の勉強の中で発展的な思考も鍛えることができている人であれば、どんなに悪くても8割を超えることができます。各都道府県の最上位(偏差値70以上)に合格したい場合は、この点数を目標に勉強していきましょう。
そこまで上位とは言わずとも、偏差値60台の高校を目標にする場合でも、定期テストで80点は目標にしておきたいところです。同様に志望校が偏差値50より上であれば、中学の定期テストでも平均点以上を目標にしていくことになります。
定期テストの見直しとテスト勉強の取り組み方
この目標点に到達するため、そしてもし到達できなかったときも入試に生かしていくためには、テスト前の勉強のやり方と、間違えた問題の復習のやり方が非常に重要になります。
テスト勉強については、必ず「計画を立てて」取り組みましょう。細かく「何を何時間」というところまでは立てづらいと思いますから、ざっくりで大丈夫です。
「英語・数学など時間がかかるものは2〜3週間前から取り組む」
「理科・社会は直前にかけて時間を増やす」
「翌日の科目の勉強を入れる」
の3点に気をつけて、「この日はどの科目とどの科目の勉強」ということを決めておくようにします。このとき、新しいワークや参考書を買うのではなく、学校で配布されている問題集・ワークを何周も解いて覚えていくようにしてください。これを丁寧に行い、間違ったところをすべて見直して「テストで同じ問題がでたらすべて解ける」と自信をもてる状態にしておくだけで得点が大きく変わってきます。
また、テストが返却されたら必ず復習も行いましょう。学校によってはその場で復習の時間が取られることもあるでしょう。このときに、間違えた問題を必ず「すべて」確認してください。漢字や計算のミスの場合は、前回のコラムで紹介したようなやり方で復習しますし、単語をど忘れしていた、という場合も同様に何度も解き直しておくことがおすすめです。まったく解き方がわからなかった問題は、似たような問題がワークなどで出題されていなかったか確認し、解き直しまで行うのがおすすめです。 どうぞ頑張って取り組んでみてくださいね。
前回第21回はこちら。
「『ひとつひとつわかりやすく』中学5科目が学べる!」学研の授業動画はこちら。
Information
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学研プラス刊
監修者:橋本拓磨(はしもと・たくま)
小中高生向け個別指導塾SUNゼミ・大学受験学習塾STRUX塾長。 計画を立て、志望校から逆算して勉強を進めることで東京大学文科1類に現役合格。 地域の差なく全国から正しい勉強法を知ってほしい、そして受験を通して自分に自信を持ってもらいたいという思いから、オンライン塾や勉強法サイト「ストマガ」を立ち上げ、計画の立て方や勉強法を伝えている。