進路の幅が広がっている! だからこそ早くから「親が」やっておくべき高校入試のポイント
「東大式!伸びる子どもに育てる小中学生の勉強術」第22回。
毎日の勉強計画指導まで行う学習塾STRUX・SUNゼミで塾長を務めている橋本拓磨です。
2021年3月末に出版した拙著「10歳からの東大式勉強術」(学研プラス)の内容をふまえ、小学生・中学生のお子様をもつ保護者の方へのアドバイスをお届けしています。
学区廃止、入試多様化など、選択肢が広がる高校入試
今回は少し入試に話を寄せていきます。高校入試は地域ごとに特色も方式も異なるため、ほとんどの方が「地元にある塾にとりあえず通わせておけばいいかな」と考えていらっしゃいます。もちろん、その地域に根ざした塾であれば、その地域の入試制度・入試対策のポイントなどを踏まえている事が多いため、十分に合格に向けた対策ができる可能性があります。
とはいえ、塾に行かせずに高校入試の対策を進めたい…というご家庭もあるのではないでしょうか。もちろん、基本をしっかり身につけて対策をしていけば、塾無しでの高校受験合格も十分可能です。ただ、その際に「高校入試の制度」の理解がハードルになることがあります。
実際、保護者の方が高校入試を経験された当時より、明らかにどの都道府県でも高校入試での選択肢が増えています。ほとんどの都道府県では学区制が廃止されるか緩和されており、「同じ学区の高校」でなくても通えるという選択肢が出来ています。市街地から離れた町に住んでいるけど、県内中央の公立進学校に通わせる、という選択肢も出てくるわけです。
推薦入試なども多様化しており、受験できるチャンスも増えています。これに加え私立高校の数や既存の高校のコースも増えているところがあり、進路の選択肢が増えているという状況です。こうなると、どの入試方式で、どの高校に行くのが一番いいのか悩んでしまいます。選択肢が多いことはよいことで、お子様と相談してどういう進路に進むのか、大学進学まで見据えて選ぶとしたら、など考えてあげるのがいいでしょう。
高校入試の制度は早めに情報収集を
そして、これだけ選択肢が多様化していると、その高校に合格するために必要な勉強や入試制度をきちんと調べるのも一苦労です。そもそもそうした選択肢があることを知らないまま、学校の先生に言われるがまま高校を選んでしまう可能性もあります。中学校の先生はどうしても「進路を確定させてあげないといけない」という立場上、難しい志望校を提案しづらいので、ご家庭できちんと調べておかないと「大学入試で有利になる進学校に頑張れば行けたのに」ということにもなってしまいます。
選択肢が増えているからこそ、高校入試の制度や進学できる高校の情報は早めに仕入れ始めるようにしましょう。高校の情報そのものは中学校の先生に聞くのもよいでしょうし、インターネット・学校案内等で片っ端から探してあげてもよいです。早めの情報収集を進めておくことで、どの科目をどのくらい勉強しなければいけないのか、内申点がどのくらい重要なのか、何校併願することができるのかなどがわかってきますし、それによって今から塾に通う必要があるのか、独学でも対応できるのかなどが見えてきます。
調べるべきはこのような情報。どれもインターネットで検索したり、直接学校の先生や塾の先生に相談したりすることで手に入れられます。
・その都道府県の入試制度
・公立高校の内申点と試験の得点比率
・推薦入試の有無
・入試日
・前期試験・後期試験や追加募集について
・私立高校の選択肢と偏差値
・学区制があるかどうか、ない場合も人数制限などがないか
・男女で定員が分かれているかどうか
・都道府県の高校入試の難易度と志望校の合格点
受験は情報戦です。なるべく早くから情報を仕入れていれば、その分早くから対策することが可能ですが、とはいえ年々高校入試の制度は変わっていますから、事あるごとにこまめに調べておきたいですね。
前回第21回はこちら。
Information
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学研プラス刊
監修者:橋本拓磨(はしもと・たくま)
小中高生向け個別指導塾SUNゼミ・大学受験学習塾STRUX塾長。 計画を立て、志望校から逆算して勉強を進めることで東京大学文科1類に現役合格。 地域の差なく全国から正しい勉強法を知ってほしい、そして受験を通して自分に自信を持ってもらいたいという思いから、オンライン塾や勉強法サイト「ストマガ」を立ち上げ、計画の立て方や勉強法を伝えている。