小3でローマ字をマスターする! 覚え方と自主学習のコツを解説
ローマ字の学習は小学3年生から始まります。この時期は学習内容が広く深くなる時期とも重なり、授業内だけでローマ字を子どもたち全員がしっかり覚えるのはむずかしいのが現状です。
この記事では、ローマ字の覚え方、自主学習ノートやドリルを活用した習得方法について解説します。
「ローマ字は日本語教育」ってどういうこと?
ローマ字は英語学習の第一歩、ではありません。3年生は外国語活動の授業もありますが、その授業内でローマ字を学習することはありません。ローマ字は国語の授業で習います。英語の導入のためにローマ字を勉強するのではなく、日本語の深い理解のためにローマ字を習得するという取り組みです。
英語教育とは異なることを理解しよう!
文部科学省の学習指導要領では、以前は4年生で教えていたローマ字を3年生で指導するようになった経緯を見ることができます。
そちらによると、
「日常の中でローマ字表記の案内板やパンフレットを見たり、コンピュータを使う機会が増えたりするなど、ローマ字は児童の生活に身近なものになってきています。また、小学校3年生から、総合的な学習の時間においてコンピュータを用いた調べる学習などを行うなど、キーボードを用いる機会が増えます。
これらのことから、これまでは第4学年であったものを、今回の改訂では、第3学年の事項とし、ローマ字を使った読み書きをより早い段階において指導するようにしたのです。
しっかりと、「ローマ字表記の日本語」を理解するために、ローマ字を学習することが目的であると述べていることがわかります。
ローマ字は英語学習のためではないけれど、ヘボン式には特に英語の読みと似た部分があることは事実です。ローマ字が読み書きできることで、英語の勉強が少し楽になるメリットがあります。
パソコン授業には必須のローマ字タイピング
ローマ字教育はパソコンも一般に普及していなかった昭和22年ごろから学校教育に取り入れられてきました。
現代の子どもたちはパソコンを授業で使うため、ローマ字入力でタイピングできることが必須事項になっているといわれています。ローマ字の学習は、先ほどの日常にあふれるローマ字表記を理解する目的に加え、タイピングのためにも必要ということです。
文部科学省発行の指導要領には、
「第3学年におけるローマ字の指導にあたっては(中略)コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得し、児童が情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう」
という一文があり、子どものローマ字習得をうながしています。
子どものスムーズなパソコン学習のためにも、キーボードの配列を覚える前に、まずはローマ字をしっかり頭に入れておかなければいけないことがわかりますね。
ローマ字を理解して覚えるステップ
日本にはさまざまな外国語表記があふれ、駅や標識などでローマ字表記を目にする機会がたくさんあります。毎日どこかでアルファベットにふれている子どもたちですが、初めて本格的な学習をスタートする3年生ごろでは「勉強感」を出さずに楽しく覚えることがポイントです。
ステップ1:まずはアルファベットから
アルファベットを覚えなければ先に進めません。音を知らなければ読めず、読めなければ書くこともできません。アルファベットの形と音を記憶することから始め、毎日少しずつ覚えていきましょう。また、ローマ字には大文字と小文字があり、形がほとんど同じだったり、まったく違ったりするので注意が必要です。
- アルファベットの順番を覚える(歌がベスト!)
- アルファベット表を目につきやすいリビングやお風呂の壁に貼る
- アルファベット表を自分でつくってみる
- 自作のアルファベットカードをつくり、順番通りに並べてみる
- 実際に書いて覚える
ステップ2:ローマ字表記のルールを知る
ローマ字には独特のルールと覚え方があります。
たとえば以下のような、
- 母音(ぼいん)がある
- のばす音を表す記号がある
- つまる音は子音を重ねる(NIPPONなど)
などです。まずは母音の「A、I、U、E、O」から始め、ひらがなの五十音順にそって覚えます。教える保護者の方も忘れている部分があれば、しっかり確認してから教えましょう。
ステップ3:訓令式(くんれいしき)とヘボン式がある
中学年の間は訓令式を習い、5年生以降はヘボン式を学ぶというのが通常です。訓令式は日本語を話す日本人にとって理解しやすい形式で、ヘボン式は日本を訪れる外国人に読みやすい形式が取られています。そのため、街にあふれるローマ字はヘボン式であると覚えておくとよいでしょう。
一例として以下のような記述ルールがありますが、タイピングのときはどちらでも入力可能です。
ステップ4:アポストロフィーをつけるローマ字表記
訓令式とヘボン式では異なる表記があるため、切りかえのときに迷いが生じやすいでしょう。はねる音「ん」を表すときも同様に、両者の表し方が違ってきます。
【訓令式】
・「ん」は「n」と表す
・母音字(aiueo)または y が あるとき はアポストロフィーを付け「n’」と表す
「n」の例:kirin、meron など
母音字がある場合:ren’ai、hon’yaku など
【ヘボン式】
・「ん」は「n」と表す(訓令式と同じ)
・b、m、pの前が子音字の場合「m」に変換する
例:sampo(散歩)、kamban(看板) など
少しややこしいですが、ここまで理解できれば一通りの表記ルールを把握したことになります。あとはどんどん書いて覚えるだけです!
ステップ5:自分や家族、お友だちの名前をローマ字で書いてみる
まずは自分や家族の名前を書くことから始めましょう。友だちの名前や教科名、自分が暮らす町の名前などもオススメです。人名は最初の文字を大文字にして書くことをくせづけておくと英語学習に移行した際にスムーズにいきます。
身近な単語や言葉をたくさん書いて、ローマ字に慣れることが大切です。拗音(ようおん)である「きゃ」「ぴょ」など、単語に使われにくい文字も、例をあげながら積極的に書いてみましょう。
ステップ6:身の回りのものをローマ字で読んでみよう
ある程度読めるようになったら、外出先でさまざまなローマ字を読ませてみましょう。駅名、看板などいつも通る道にもローマ字がつづられていることに気づき、自分で読めるようになったことにお子さんは感動を覚えるはずです。
最初は間違っても読めなくてもよいので、どんどん挑戦してみてください。日常生活でローマ字の能力を鍛(きた)えることができます。
自主学習ノートをつくってローマ字をマスターする!
ローマ字を覚えるには、とにかくたくさん書くことが習得への近道です。自主学習ノートを工夫して飽きのこない勉強方法を見つけましょう。保護者の方やローマ字をしっかり理解しているきょうだいが確認しておくことも大切です。繰り返し学習でローマ字を定着させましょう。
自分で五十音表を書いてみる
教科書やローマ字ポスターを見ながらでもよいので、自習ノートに五十音ローマ字表を書いてみましょう。まず第一歩として自作のローマ字表を自主学習として取り組みます。
次の学習からは自作の表を使ってローマ字のつづりにチャレンジすることも可能です。つくった表は、間違いがないか保護者の方が確認しましょう。
さまざまな単語にチャレンジ!
自分や家族の名前のほか、単語や文章をローマ字で書くことに挑戦します。
- 自分や家族の名前、好きな言葉やあいさつを書く
- あ行や、か行などまとまりで言葉集めをして書いてみる
- 教科書の詩や物語の一説をローマ字で書き写してみる
さまざまな言葉や文章を書いていると、自然とローマ字を覚えることができます。自主学習ノートに自由に書いてみましょう。
苦手なローマ字は何度も書こう
子どもが苦手とするローマ字、たとえば「きゃ、きゅ、きょ」などの拗音や、「じゃ、じゅ、じょ」などの濁音(だくおん)は何度も書いてみます。同じ言葉ばかりでは飽きてしまうので、さまざまな単語や文章でチャレンジしましょう。自主学習の終わりに、感想をローマ字で書かせてみるのも習得を早めるひとつの方法です。
学習成果は必ずその日のうちに家族がチェックしましょう
ローマ字は自分で間違いに気づきにくいものです。子どもが間違えたまま記憶してしまうと、訂正するのに時間がかかってしまいます。ローマ字学習を終えたら保護者の方や兄、姉に手伝ってもらい、できるだけこまめに宿題や自主学習ノートを確認するとよいでしょう。間違いがあればすぐに訂正をさせて、がんばったことをほめてあげます。
ローマ字学習の強い味方! 学研のドリル&知育玩具6選
学研のローマ字学習用ドリルは、高い評価を得ています。子どもが楽しみながら学習でき、一人でも進められるていねいな紙面とかゆいところに手が届く工夫が散りばめられたドリルです。
自主学習ノートだけでなくもっとローマ字を勉強したい! 苦手な部分をつぶしたい!とお考えの親子におすすめのドリルを紹介します。
ローマ字・アルファベットのドリルは鉄板!
ローマ字やアルファベットの習得は反復が大切です。毎日取り組めるドリルがあれば、確実に習得に進めるでしょう。
『毎日のドリル 小学3年 言葉のきまり』(編:学研プラス)
学研の『毎日のドリルシリーズ』は、どんな子どもにも受け入れやすいバランスのよいドリルです。このドリルならはスモールステップでコツコツと続けられ、一日一枚の分量がちょうどよく、無理なくやり抜くことができます。
迷路やクロスワードなどのお楽しみページも充実、アプリを連動させるとキャラクター育成ゲームなどもできるので、モチベーションアップにつながります。
『ドラゴンドリル アルファベットとローマ字のまき』(編:学研プラス)
ドラゴンが出てくるドリルが登場! かっこよさを追求したドリルというコンセプトで、男の子を中心に子どもたちに大人気のシリーズです。毎日一枚ずつドリルを終えたらごほうびシールを貼り、ドラゴンの絵を完成させることができます。子どもはドラゴンを早く完成させたくていつの間にか学習に夢中になってるはずです。
アルファベットもローマ字も1文字ずつていねいな学習ができます。全ページフルカラー&ドラゴンで視覚的にも楽しい、ローマ字入門のハードルを下げてくれるドリルです。
『メゾピアノドリルコレクション 小学英語アルファベットとローマ字』(編:学研プラス)
女の子に人気のファッションブランド、メゾピアノとコラボしたローマ字ドリルです。女の子に人気のかわいいイラストも満載で楽しくローマ字を学べます。英単語も掲載されているのがうれしいポイントです。ふろくとしてクリアファイルがついています。
遊びながら学べる知育玩具やグッズもあり
「学研のあそびながらよくわかる えいごタブレット」(学研ステイフル)
アルファベットと簡単な英単語が覚えられるタブレットです。目で文字を見て、耳で発音を聞けるので就学前から小学生まで使えます。ローマ字学習としては、アルファベットを学ぶのに利用でき、また英語学習の導入としてもぴったりです。英会話のあいさつ、英語の歌も収録されています。
「ディズニーティンカーキッズ なぞっておぼえる アルファベットポスター」(学研)
大きくアルファベットの文字が印刷され視覚的に覚えやすいポスターです。ラメ加工されている文字を指でなぞって書く練習もできます。
ディズニーキャラクターの名前とアルファベットを関連づけているので、キャラクターものが好きなお子さんは楽しんで学ぶことができるでしょう。
オンライン教材「ニューコース学習システム」を活用しよう
学研には家庭学習を支援する無料のオンラインサービス「ニューコース学習システム」があります。小学1年生から中学3年生までの基本的な学習を、学年を飛び越えて予習・復習することができます。
アニメーションを使ったわかりやすい解説とカードに加え、オンラインドリルも充実しているので家庭学習にぴったりです。ローマ字を学習し英語を学び始める際に最適なネイティブの音声、会話表現などを幅広く学べます。子どもがおもしろい!と感じたらどんどん次の学年に進んで学習することも可能です。
まとめ
小学校3年生から学び始めるローマ字は、英語学習ではなく国語教育の一環です。ローマ字表記を覚えることで、日本語の理解が深まります。自主学習ノートを使って勉強するときは、訓令式とヘボン式の違いや間違いやすい文字に注意して学習を進めていきましょう。
学び始めの第一歩は個性的な楽しいドリルや知育玩具、そしてオンライン学習を活用して、少しずつ覚えるのがオススメです。単調になりがちな自主学習では学研のローマ字習得を楽しくサポートするドリルをぜひ活用しましょう。子どもが喜ぶ仕かけがあるドリルがそろっています。