<講師が教えるキッズマナー>新1年生の給食が心配! 心構えと家庭でできること
子どもの大好きな学校給食。しかしながら、入学したてのお子さんの中には、食が細かったり、好き嫌いが多かったりする子も少なくありません。親としては、我が子が学校の給食をきちんと食べられているか、心配になるものです。今回は給食について、心構えや家庭でできることをお伝えします。
「全部食べる」より「楽しくおいしく食べる」
最近の学校給食は、栄養のバランスはもとより、子どもの嗜好が考えられたメニューになっています。そのため、「全く食べられない」ということはあまりないので、心配しすぎないようにしましょう。また、最初は量が多くて全部食べられなかったお子さんも、体の成長とともに徐々に量にも慣れていくようです。
先生方も、特に低学年の給食では全部食べ切ることよりも、「まずは楽しくおいしく食べること」の指導に重きを置いている印象を受けます。お子さんが嫌いな食材が出ても、周りの友達が食べている様子を見ているうちに、食べられるようになったというケースも、よくあるようです。家庭でも例えば「今日の給食では何がおいしかった?」と、さりげなく話題にしつつ、気長に見守ると良いでしょう。
もし先生から完食するように指導をされて、お子さんがショックを受けているといった場合は、一度学校と相談してみましょう。
給食に関わる人たちについて考える
小学1年生では、給食の配膳・下膳の仕方や食べ方、給食の調理員さんの毎日の工夫と苦労、衛生安全への気遣いなど、給食についての様々な説明があります。
家庭でも、給食は多くの人が関わって提供されていることを伝えたいものです。例えば、給食の牛乳、野菜や米の生産地はどこか、それらはどのように運ばれてくるかなどについて、親子で話してみてはいかがでしょうか。「食べ物やその食材には、すべて作り手がいること」「それを運ぶ人がいること」を知ることで、お子さんの心にも自然と感謝の気持ちが芽生えてくることでしょう。
子どもに合った箸を使って、練習する
文部科学省の調査によると、日本の公立小中学校の約99%が給食で箸を使用しているそうです(※)。箸の使い方に不安がある場合は、今からでも遅くはありませんので、自宅で練習しましょう。
まずは、お子さんの手のサイズに合う箸を用意することが大切です。小学校入学前後だと17cm~18cmくらいのもの、高学年になると20cm前後を目安に、大人の箸よりも少し小さめのものを選びます。箸には、先で食べ物をうまくつまめるよう、木製のものや先端に滑り止め処理のされた箸もあります。お子さんに合った使いやすいものを選ぶようにしましょう。
箸がうまく使えるようになると、スムーズに食事ができて給食の時間も楽しく過ごせます。
家庭で配膳・下膳のお手伝いをする
給食の配膳や下膳で、はじめてお盆を持つというお子さんも少なくありません。日頃から食事のお皿を運んだり、おはしを並べたりするお手伝いをしているお子さんは、学校の給食当番もスムーズにできます。ご家庭でもできることから、お子さんにお手伝いをさせてみてはいかがでしょうか。
≪年長から小学校低学年でもできる安全なお手伝いの例≫
- 箸置きや箸をセットする
- お皿を並べる
- ごはんを茶碗によそう
- 食後にお皿を片づける
【参考】
・「学校給食における食堂・食器具使用状況調査(平成18年5月1日現在)統計表一覧 3.食器具使用状況」文部科学省