ゲーム依存に注意! 予防のための4つのポイント
ゲームが大好き!という小学生は多いですよね。悪天候などで外に出かけらない日には、室内で落ち着いて遊んでくれるツールとして、ゲームがあると親としても助かる場面があります。ただ、「1日中ゲームばかりしている」「ゲームができないと機嫌が悪くなる」など、限度を超えた遊び方や、態度の変化を感じたら要注意です。ゲームへの依存度が増した状態が続くと、病気と診断される可能性があります。今回は、ゲーム依存についてお伝えします。
病気として認定されるようになった「ゲーム障害」
近年では、ゲームに夢中になりすぎて、依存症になってしまうケースがあります。2019年には世界保健機関(WHO)が 「ゲーム障害」を病気として国際疫病分類に加えました(※1,P2)。これは、窃盗やギャンブル依存と同じ分類の精神疾患になります。日本でも現在国をあげて、ゲーム依存についての対策が進められています。
ゲーム依存になると、ゲームのやりすぎでさまざまな問題が出ているにもかかわらず、ゲームをやりたい衝動が抑えられなくなります。こうしたゲーム依存の特徴・結果から生じる問題には、以下のものがあげられます(※1,P3)。
ゲーム依存の特徴
- ゲームのコントロールができない
- 他の生活上の関心事や日常の活動よりゲームを選ぶほどゲームを優先する
- 問題が起きているがゲームを続ける。またはより多くゲームをする
ゲーム依存の結果として起こる問題
- 体力低下、運動不足、骨密度低下などの身体的問題
- 睡眠障害、ひきこもり、意欲低下などの精神的問題
- 遅刻、欠席、成績低下などの学業上の問題
- 浪費や借金などの経済的問題
- 家庭内の暴言・暴力などの家族問題
「ゲーム依存」の対策は、保護者のはたらきかけから
ゲームをやりすぎずに適度に遊ぶというのは、子どもにとっては難しいことでしょう。どうしてものめり込んでしまい、日常生活でのゲームの優先度があがってしまいがちです。そのため、まずは保護者からはたらきかけて、ゲームの利用方法や時間を管理することが重要になります。次の4つのポイントを参考に、ご家庭にあった対策をしてみましょう。
1.子どもと一緒にルールを決める
まずは、子どもと意見を出し合いながら、お互いが納得できるゲームのルールを決めるようにしましょう。保護者が管理するといって、一方的にルールを決めてしまうと、かえって運用がうまくいかない場合があります。話し合いの上、子ども自身が決めたルールとなれば、守ろうという意識も高まり、うまく管理できる可能性も高くなります。
2.ルールを守れているか随時チェックする
Plan・Do・Seeでいうところの、Seeの部分はとても大切です。ルールとして定めた内容(Plan)の通りに、一旦運用してみて(Do)、きちんとルールを守れているか保護者がチェック(See)するようにします。ルールが守れず、声をかけてもゲームを続行したり、無視したりするようであれば、どうしてルールを守れないのか確認しつつ、ルールの内容を再考してみてもよいでしょう。また、子どもには「このルールは、あなたの健康をまもるために決めている」といったルールの目的や、「守れなかったら一定期間ゲームをさせない」など、ルールを守れなかった場合の責任について話すことも大切です。
3.ルールには柔軟性をもたせる
たとえば、ゲームの時間を1日30分までと決めたとしても、きっかり30分でゲームを終了するのは難しいときがあります。「今、いいところなのに……」「この1戦だけ戦いたい」などと、子どもが少しの延長を求めたときは、翌日のゲーム時間からマイナスして調整するなど、ルールに柔軟性をもたせるとよいでしょう。子どもにとっても、気持ちよくゲームを切り上げることができるため、ルールの運用継続につながります。
4.「ゲーム障害」という病気の存在を理解させる
ゲームに依存しすぎて日常生活がうまく送れなくなってしまう「ゲーム障害」という病気があることを、子どもに伝えてみるのもよいでしょう。子ども自身がふとした時に「ゲームばかりしていると病気になってしまうかも。それは嫌だな」と思えることは、大変よいゲーム依存の予防になります。ただ、子どもは意外と「病気」に敏感です。伝えるときは、不安をあおるような言い方はしないようにしましょう。
いかがでしたか?
ゲームは依存してしまうと怖い面がありますが、楽しめる範囲での使用では、良い面もたくさんあります。子どもと保護者の双方が納得のいくルールを決めて、ゲームと楽しく付き合っていけるといいですね!
参考