【めざせ☆ピカピカ1年生】夏休みに早寝早起き習慣を改めて身につけよう
小学生になって初めての夏休み。1学期の間、なかなか早寝早起きができなかったお子さんは、夏休みを機に改めて早寝早起きの習慣づけを心がけてみては? どのように生活を整えていけばよいのか、現役小学校教諭の舟山由美子先生にうかがいます。
早寝早起きの習慣は、先を見通す力や自制心を養う
小学校入学後は、それまでよりも早い時間に家を出るようになった子どももいるでしょう。夜更かし癖があり、なかなか朝起きられないという子もいるかもしれません。夏休みをよい機会として、正しい生活習慣を身につけさせたいですね。
「早寝早起きは、健康面・生活面において、基本中の基本です。これはあくまで個人的な印象ですが、睡眠時間が十分とれていて、朝ご飯もしっかり食べている子どもは、授業でも集中力があり、授業態度も積極的、忘れ物も少ないように思います」(舟山先生)
早寝早起きは、生活習慣を整えるだけでなく、成長していくうえで身につけておくべき大切な力を養うことになりますね。例えば午後9時に眠るためには、午後8時を過ぎたらお風呂に入り、8時半には歯を磨いて…というように、先の時間を読む力も身につきます。
ゲームでもっと遊びたいと思ったとしても、時間が来たらやめて、寝る準備をしなくてはなりません。これを毎日繰り返すことで、子どもは時間を読むことや、我慢することを覚えていくのだそうです。
「このような時間や約束事を守るための自制心は、大人になっても必要なもの。子どものころにしっかり身につけておきたいですね」(同)
早寝をするためには、昼間たっぷり遊ぶことが必要
睡眠をたっぷりとると、子どもの成長や健康に大切な役割を果たす成長ホルモンがよく分泌されます。
また、太陽の光を浴びて体を動かし、朝ご飯をしっかり食べることで、「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。これは、食欲や呼吸、睡眠に関係する神経と、不安や緊張などといった情動や衝動を支配する神経を、コントロールする役割を担う物質です。このセロトニンが昼にたくさん作られるほど、睡眠をうながすホルモンもたっぷり合成されるのだそうです。
「夜、ぐっすり眠るには、早く寝るだけでなく、昼にたっぷり遊んで、ほどよく疲れることも大切です」(同)
最近では、ゲームやスマホが、早寝早起きの習慣が乱れる原因になっているようです。文部科学省の調査では、「スマホや携帯で遊ぶ時間が長い子ほど就寝時間が遅い」「寝る直前までテレビ、ゲーム、スマホなどに接触する機会が多い子ほど、朝、ふとんから出るのがつらいと感じている割合が高い」といった結果が出ているそうです。
「心当たりがある場合は、子どもの遊び方から見直してみることが必要かもしれません」(同)
睡眠の大切さを、子どもに説明して
夜、寝る時間になってもだらだらと起きている子に対しては、「早く寝なさい!」と叱るばかりはなく、睡眠の大切さを教えてほしいと舟山先生は言います。
「叱るだけだと子どもも萎縮してしまいます。1年生でも、きちんと順序立てて説明すれば理解できます」(同)
また、お父さんやお母さんが起きていると、なかなか眠りたがらないという子もいます。
「そういう場合は、『大人と子どもは違うのよ』と、毅然とした態度で諭しても構わないと思います」(同)
ときには、科学的な根拠や「お母さんはこう思うよ」というような、理詰めで言い聞かせることも必要なこと。そのかわり、子どもが自分で起きられたときは「自分で早く起きられてえらいね」とほめてあげるとよいそうです。
2学期からの学校生活を元気に送るためにも、夏休みだからといって生活習慣を乱してしまうことなく、夏休みこそ早寝早起きを徹底したいですね。
(取材・執筆:坂本洋子)
※こちらの記事は学研「ママノート」に掲載された記事を再編集したものです。