マナビスタ閉鎖のご案内好奇心を持つ子どもに育てる家庭環境
「東大式！伸びる子どもに育てる小中学生の勉強術」第11回。
毎日の勉強計画指導まで行う学習塾STRUX・SUNゼミで塾長を務めている橋本拓磨です。
2021年3月末に出版した拙著「10歳からの東大式勉強術」（学研プラス）の内容をふまえ、小学生のお子様をもつ保護者の方へのアドバイスをお届けしています。
好奇心を持っていろいろなことに興味を持てる子どもは強い
よく「いろいろなことに好奇心を持つ」ことは「良いこと」として言われていますが、それはなぜなのでしょうか？
それはいろいろな理由から言われていますが、ひとつは「いろいろなことに好奇心を持つことで、何かを究める・深める経験ができる」ということがあります。自分が好きなもの、興味を持ったものであれば、「なぜこうなるんだろう？」「どういう種類が他にあるんだろう？」といったふうに、どんどん関連することを調べたり、「この場面はどうすればうまくいくんだろう？」といったことを考えたりする力がつきます。なによりそうした癖がつくことで、勉強などにも応用できるのです。
親ができる！ 好奇心を伸ばす「家庭環境」の整え方
ただ、こうした「好奇心」は、放っておけば芽生えてくるものではありません。好奇心をはぐくむ家庭環境作りが肝心です。
家庭でできる「興味のきっかけ」をつくる環境
・いろいろな図鑑を揃える
・学年に合わせた物語の本を置いておく
・新しいことを発見するたびに親子で話をする
・子どもの質問に常に答えて「質問しやすい」環境にする
さまざまな方向から家庭環境を整えることができますが、一番は「気になったことをすぐに調べられる」という状態にしておくこと。家に図鑑や地図が置いてあったり、親がいつでも質問に一緒に調べながら答えられる環境になっていたりするだけでも、子どもは何か新しいことに出会ったときに「調べてみよう」と思えるものです。
おすすめは「図鑑を置いておく」ことと、「親が子どもに話しかけていく」こと!
図鑑は写真やイラストが豊富ですから、調べたときに印象に残りやすいです。街中で見かけた鳥を「同じ模様の鳥はどれだろう？」と鳥の図鑑で調べてみたり、夏のセミの鳴き声で種類を推測してみたりするのもいいですね。何も分厚い図鑑ばかりである必要はなく、いろいろな写真が載っている薄めの冊子でも大丈夫。いつでも手を伸ばせるところにあるということがポイントです。
こうした図鑑も置いているだけではなかなか手に取ることがないので、親が一緒に調べていくのがいいでしょう。何か子どもが見つけたら
「一緒に図鑑で調べてみようよ」
「どういう名前なんだろうね？」
と調べるきっかけを作ってあげるだけで、子どももそうした行動をとりやすくなります。
こうした「気になったことをすぐに調べる」だけでなく、「読書を通じて視野を広げる」というのも大事なことです。海外文学を読めば日本と違う文化や生活が垣間見えますし、日本の物語でも登場人物の整理など、考えることはたくさん。様々な本に触れることで視野が広がっていきます。東大生へのアンケートでは実に6割が「週1回以上は本を読んでいた」と答えていました。
読書こそ、家庭環境のアシストがないとなかなか習慣にしづらいので、一緒に書店に行って子どもにあった本を買ってあげたり、図書館に一緒に行っていろいろな本を見てみたりするといいですね。あまり子どもが読書に興味を持たないときは、親も読書をしている姿を見せるのがいいかもしれません。私も父親が寝る前にいつも文庫本を読んでいたので、面白いのかな？とたまに借りて読んでいた記憶があります。
また、いつでも手の届くところに子どものレベルに合わせた軽い物語本を置いておくのもいいですね。「小学◯年生の〜」というような、学年を指定した短編集がおすすめです。初めから難しい本、真面目な内容の本に取り組む必要はありません。かんたんなもの、楽しそうなものからで大丈夫なので、まずは「時間があるときに手に取ってみる」というきっかけを作ってあげたいですね。
Information
「10歳からの東大式勉強術」
好評発売中！
定価1,430円
学研プラス刊
監修者：橋本拓磨（はしもと・たくま）
小中高生向け個別指導塾SUNゼミ・大学受験学習塾STRUX塾長。 計画を立て、志望校から逆算して勉強を進めることで東京大学文科1類に現役合格。 地域の差なく全国から正しい勉強法を知ってほしい、そして受験を通して自分に自信を持ってもらいたいという思いから、オンライン塾や勉強法サイト「ストマガ」を立ち上げ、計画の立て方や勉強法を伝えている。