どうやって子どもをほめればいいの?~具体的なほめ方5選!~後編
あかはなそえじ先生の院内学級の教師として学んだこと「第47回」
院内学級の教師として、赤鼻のピエロとしてかかわるなかで、笑顔を取り戻し、治療に向かう意欲を高めていく子どもたち。その経験をもとに、子どもとの接し方や保護者・家族とのかかわり方、院内学級の必要性、教育の重要性などについて語ってくれます。
~ほめるのって、難しいから~
前回の続きです(前回記事はこちら)。子どもたちのことを「そんなことは当たり前」と思ってしまったら、「ほめ言葉」は出てきません。では、いつ、どのように「ほめ言葉」を発したらいいのでしょう。
- 何をほめるのか(what)
- いつ、ほめるのか(when)
- どうやってほめるのか(how)
- だれがほめるのか(who)
- なんのためにほめるのか(why)
これらの4W1Hを、ほめられる立場である子どもたちの視点から考えてみると、どうなるのでしょうか。
「何をほめるのか」
その子は何をほめられたいのだろう。
→「がんばっていること」「がまんをしていること」「うまくいったこと」「失敗しても努力をしたこと」「結果だけでなく過程があったこと」「良さ」「自分らしさ」
ほめられたくないことを言われても子どもたちにはびびきません。「ほめるってことは、まだ何かをやらせたいわけ?」──こんな子やクラス、学校、家庭は、ちょっと心配です。
「いつ、ほめるのか」
いつ、ほめられたらうれしいのだろう。
→「授業中」「朝の会や帰りの会」「休み時間」「みんながいるとき」「二人きりのとき」「すかさずほめられたい」「あとからほめられたい 」
タイミングをとるのは難しいですが、それだけに効果は倍増します。「今さら」という「いつ」もありますし、「ここで、あのことをほめてくれるんだ」という「いつ」も子どもよっては大切なタイミングとなります。
「どうやってほめるのか」
どうやって、ほめられたいだろう。
→「言葉で」「ひょうしょうされるように」「みんながいる前で」「おおげさに」「こっそりと」「頭をなでられながら」「かたにふれて」「ウインクやハンドサインで」「すれ違いざまに」
「みんなの前でほめられるのは、ちょっといや」という子もいます。「先生だけ知っていてくれたら、それで満足」という子もいました。言葉でなくても、アイコンタクトなどノンバーバルで伝えてもらったほうがうれしいときもあるそうです。
「だれがほめるのか」
だれからほめられたら、やったーと思うんだろう。
→「担任の先生から」「友だちから」「親や保護者やきょうだいから」「他の教科の先生から」「学校の職員さんから」「おじいさんから」「おばあさんから」「地域の人たちから」
「あの先生がほめていたぞ」と、間接的なほうがうれしいこともありますよね。家の人や地域の人からほめられるのもうれしいと感じてくれます。
「なんのためにほめるのか」
これは難しいですね。「ほめることで自尊心をのばしたい」「この子の良さをもっとのばしたい」と思ってほめても、ほめたことで子どもをコントロールしようとしていないか。自分の手の中に子どもをいさせようとしていないか。などと考えてしまいがちです。
これからもみなさんといっしょに「ほめる」ということを考えていきたいです。教室や職員室、家庭に「ほめ言葉」があふれると、ステキだなあと思います。
前回記事
第46回はこちら。
Information
「あかはなそえじ先生のひとりじゃないよ」
四六判・全248ページ
1400円+税
学研教育みらい刊