Now Loading...

コラム・マンガ

子どものがん教育・4

子どものがん教育・4

あかはなそえじ先生の院内学級の教師として学んだこと「第72回」

院内学級の教師として、赤鼻のピエロとしてかかわるなかで、笑顔を取り戻し、治療に向かう意欲を高めていく子どもたち。その経験をもとに、子どもとの接し方や保護者・家族とのかかわり方、院内学級の必要性、教育の重要性などについて語ってくれます。 

小児がんのスペシャリストたち

全4回でお伝えしてきた「子どものがん教育」は今回が最後です。

小児がんのメディカルの中心となる病院は全国に15か所あり、対応しています。

  • 北海道 北海道大学病院
  • 宮城県 東北大学病院
  • 埼玉県 埼玉県立小児医療センター
  • 東京都 国立成育医療研究センター
  • 東京都 東京都立小児総合医療センター
  • 神奈川県 神奈川県立こども医療センター
  • 静岡県 静岡県立こども病院
  • 愛知県 名古屋大学医学部附属病院
  • 三重県 三重大学医学部附属病院
  • 京都府 京都大学医学部附属病院
  • 京都府 京都府立医科大学病院
  • 大阪府 大阪府立総合医療センター
  • 兵庫県 兵庫県立こども病院
  • 広島県 広島大学病院
  • 福岡県 九州大学病院

また、2014年に小児がんのバックサポートをすすめていく病院を「小児がん中央機関」として2か所が指定されました。

  • 国立成育医療研究センター(東京都)
  • 国立がん研究センター(東京都)

センターでは、相談やサポートの向上にかんする体制整備、情報提供、診断サポート(分子診断、放射線診断、病理診断など)、小児がんの登録体制の整備、人材育成などに取り組んでいます。

「命を大切にする」

私が担任を務める院内学級がある昭和大学病院では、中心となる大きな病院や専門病院のように、小児がんの患者さんとの出会いはそう多くはありません。ですが、それでも小児がんの子どもたちとの出会いはあります。

技術の進歩によって病気が治ることが増えました。しかしそれでも、下のデータが示すようにがんは若い年代の大きな死因としてまだまだとても心配な病気です。

【がんが死因の1位である年代】

  • 5さい~14さい

【がんが死因の3位である年代】

  • 15さい~24さい

とくに、いっしょに病気を治していた友だちが重い状態になってしまった経験をすることもあります。子どもたちにとって、その本当にこわい思いは、消えないきおくとして、頭や心の中、からだにしっかり刻まれてしまいます。

そんな子どもたちが学校や家にもどってきます。命のことを、その年なりにしっかりと見つめる経験をした子どもたち。もしかすると、私のような教師より、保護者の方々より、命についてもっと深く考えた子どもたちが目の前にいることだってあるかもしれません。そのとき、いったい何を伝えたらいいのだろうかと考えます。

がん患者応援プロジェクト「リレー・フォー・ライフ(詳細は前回へ)」でがんのサバイバーの子どもたちや、ご家族とお会いする機会をいただき、まだまだ考えていかなければならないことがあるのだと思いました。

Information

「あかはなそえじ先生のひとりじゃないよ」
四六判・全248ページ
1400円+税
学研教育みらい刊

関連記事

あかはなそえじ先生・副島賢和(そえじま まさかず)

筆者:あかはなそえじ先生・副島賢和(そえじま まさかず)

昭和大学大学院保健医療学研究科准教授、昭和大学附属病院内学級担当 1966年、福岡県生まれ。東京都の公立小学校教諭を25年間務め、 1999年に都の派遣研修で東京学芸大学大学院にて心理学を学ぶ。 2006年より品川区立清水台小学校教諭・昭和大学病院内さいかち学級担任。2009年ドラマ『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)のモチーフとなる。2011年『プロフェッショナル 仕事の流儀「涙も笑いも、力になる」』(NHK総合)出演。2014年より現職。学校心理士スーパーバイザー。ホスピタルクラウンとしても活動中。

マナビスタについて

マナビスタは学研グループの家庭学習応援サイトです。