教育ニュース2022.4.18 私大生への仕送り額、過去2番目に低い結果に。
勉強や習い事、健康など、お子さんに関わる日々のニュースを知りたいけれど、「ゆっくりニュースをチェックしている暇なんてない…」という保護者のみなさんも多いはず。
このコーナーでは、そんな忙しいみなさんのために、最新の教育ニュースをたった3分でわかるように紹介していきます。
私大生の仕送り額が月8万6200円と過去2番目に低い結果に。東京私大教連が調査結果を発表
誰が | 東京私大教連が | |
何をどうした | 2021年度の「私立大学新入生の家計負担調査」の結果を発表した | |
何がわかった | 仕送り額の月平均が8万6200円と過去2番目に低い水準であることなどがわかった |
東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)※が、2021年度の「私立大学新入生の家計負担調査」の結果を4月6日に公表しました。1都3県(東京、埼玉、千葉、栃木)の11の私立大学・短期大学に昨年入学した新入生の保護者を対象に実施され、37回目となる今回は4960人が回答しました。
調査結果によると、「入学の年にかかる費用」(受験費用・住居費・私大初年度納入金・仕送り額)は、自宅外通学者は平均302万9380円(前年度比2.0%増)、自宅通学者は161万380円(前年度比0.2%減)と、大きな開きが見られました。自宅外通学者は、世帯の平均年収956万8000円の内、「入学の年にかかる費用」が約3割を占める結果となり、家計の大きな負担となっていることが伺えます。
また、毎月の仕送り額の平均は8万6200円となり、家賃を除いた生活費は1日あたり650円と、過去2番目に低い水準にとどまりました。保護者からは、「コロナ禍で収入が減り、子どものバイト先も決まらない」など、コロナの影響による負担の声も聞かれました。
東京私大教連はこの結果を受け、「こんにち、経済的理由から私立大学への進学を断念する高校生や退学を余儀なくされる学生が増え、憲法26条が保障する教育を受ける権利が根底から脅かされています。(中略)…私立大学の高すぎる学費のもとで、各家庭の教育費負担は限界に達しています。国による私立大学生への経済的支援が急務です」とし、家庭の経済的事情により教育の機会を失う可能性があることを指摘しました。
※東京地区私立大学教職員組合連合:首都圏の私立大学教職員労組でつくる組合連合のこと
2021年度「私立大学新入生の家計負担調査」でその他にわかったことは?
- 自宅外通学者の「受験から入学までの費用」は223万円で過去最高額だった。
- 学費などの「入学に必要な費用」を借入れした家庭は13.8%。借入額の全体平均は177 万2000円で、前年と比べ3万7000円減少。
- 日本学生支援機構などの奨学金を「希望する」は全体で52.9%だったが、実際の申請者はその内の5割にとどまった。希望したが申請しなかった最多理由は「申請基準にあわない」だった。
執筆:古川晶子(ディライトフル)