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お金

【お金を学ぼう!】vol.1  キャッシュレス社会だからこそ、お金の学びは幼少期から

【お金を学ぼう!】vol.1  キャッシュレス社会だからこそ、お金の学びは幼少期から

突然ですが、お子さんに「お金の教育」をしていますか? 関心はあっても、教育と言われると、なんだか身構えてしまいますね。しかし、小さなころから金銭感覚を養っておくことは、お子さんが生きていくうえで大切な価値観の土台作りにつながります。【お金を学ぼう!】Vol.1では、お金を取り巻く現代の環境と、子どもへの影響について解説していきます。

キャッシュレス社会では、子どもの金銭感覚が育ちにくい?

キャッシュレス決済

近年、クレジットカード、スマホや交通系の電子マネーなど、キャッシュレス決済が急速に広まってきていますね。紙幣や硬貨を使わなくても物が買えることは大人にとっては便利ですが、反面、子どもには何かと心配事の種となりやすいもの。その心配の一つが、「子どもの金銭感覚が育ちにくいのではないか」ということです。

キャッシュレス決済では目に見える現金の受け渡しがないため、「物やサービスを得るためにお金を支払っている」という行為が実感しづらくなります。近年、買い物をするときに、計算ができなかったり、小銭を使いこなせなかったりする小学生が増えているといいます。それには、このようなお金を取り巻く環境の変化によって、子どもの「お金の経験値」が下がっていることが少なからず影響しています。

こんな時代だからこそ、子どもたちがお金について学ぶ必要性が高まっているのです。

まずは「お金がどういうものか」を伝えることから

お金と子ども

保護者の方の中には、子どものころ、硬貨を握りしめて駄菓子屋さんに走っていった経験がある方もいるのではないでしょうか。100円でできるだけ多くのお菓子を買おうと吟味したり、ときには会計時にお金が足りなくなる失敗をしたり……。実はこのような買い物をする時、「物には値段があり、その代価であるお金を支払うことで自分のものになる」ということを、実感しながら学んでいたのです。

幼少期の子どもは、品物の購入やサービスを受けるためにお金がいることを、まだ正しく理解できていません。ましてキャッシュレス決済では、現金のやりとりもなく、金額は数字で表されるだけ。もしかすると、クレジットカードで大人が買い物するところを見ている子どもは、そのカードを「何でも好きなだけ買える魔法のカード」だと思っているかもしれないのです。

したがって、まずはお金の役割や大切さなど「お金がどういうものであるか」を伝えることが、子どもへのお金の教育の第一歩となります。

お金の理解が行動につながる

子どもと買い物

例えば、子どもがおもちゃやお菓子をあれもこれもと欲しがったとき。「全部は買ってあげられないよ」と伝えても、お金の役割や大切さがわかっていないと、なぜだめなのか理解できません。「今日はお金がないよ」と言っても、「カードがある!」「ピッってすればいいでしょ!」なんて言われるかもしれませんね。

お金を使う機会の少ない子どもには、大人と同じような金銭感覚が身につくはずもなく、そこまで身につける必要もありません。ただ、「お金は有限である」「お金は大切なものである」「パパやママが働いてお金を得ている」など、子どもなりにお金についての理解が進むことで、ときには欲しい物をがまんできるなど、自分の欲求をコントロールする力を養うことにもつながります。

この力は、自分でお金を使う機会が増える思春期以降になっても、お金に対して節度ある行動がとれることにつながる大切な力。すぐに身につくものではないからこそ、幼いころから少しずつ、お金に関する理解を深め、しっかりとした金銭感覚を養っていきたいですね。

次回は、子どものお金教育の始めどきについて、紹介していきます。

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加藤信巳(知脳教育研究所)

監修者:加藤信巳(知脳教育研究所)

学習研究社で幼児誌や学習誌などで知能を育てる教材の企画制作に永年携わったのち、学研教育総合研究所では東北大学と共同で認知症予防メソッドを研究する。独立後は「知脳教育研究所」を主宰。幼児対象の著作活動や教育企画、認知症予防の講演を通して、脳を知り、脳を活性化して取り組む教育の普及に取り組んでいる。主な出版物に『おかねのれんしゅうちょう』『おんどくれんしゅうちょう』(学研の頭脳開発)『さいしょのはさみ』『クレヨンであそぼう』『3歳 まるごとこれ1冊 できるかな』『4歳 まるごとこれ1冊 できるかな』(学研の幼児ワーク)他。

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