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【お金を学ぼう!】vol.2  まだ早い? いつからがいい? 子どものお金の教育

【お金を学ぼう!】vol.2  まだ早い?  いつからがいい?  子どものお金の教育

社会でキャッシュレス化が進み、紙幣や硬貨を使う場面が減りつつあるなか、金銭感覚を養う機会が減っている子どもに、いつごろからお金のことを教えればいいでしょうか? 【お金を学ぼう!】Vol.2では、お金の教育のスタートに適した時期や、子どもがお金について学ぶことの必要性について紹介していきます。

幼少期から、どうしてお金の教育が必要なの?

スマホを見る子ども

「小さな子どもにお金のことを教えるなんて、まだ早い」と思われる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、金銭感覚は、幼少期から養っておくことが大切です。

一時、子どもによる高額のゲーム課金が話題になりました。いきなり高額請求されて調べると、子どもがスマートフォンのゲームで課金したものの請求とわかった、というものです。これほど極端な例でなくても、子どもがもらったお年玉をすぐに使い切ってしまって親ともめたという話はよく聞きます。このような事例を防ぐためにも、家庭によって事情の差はあれ、子どもが自由に使ってよい金額はいくらまでか、常識的な限度を理解させておく必要があります。

今は子どもにお金は与えていないというご家庭でも、いつかは子どもにお金の使用を認めなければなりません。そのとき、子どもに「お金は大切だから大事に使う」という概念が不足していると、使いすぎたり、不要なものまで買ってしまったりすることにつながります。

お金の教育のスタートに最適な時期はいつ?

数字

ゲーム課金の話のように、最近では小学校高学年~中学生ともなれば、自分で飲み物や本などを買う機会も増え、交通系ICカードやスマホを通して金銭の支払いに触れる機会もあることでしょう。

この年代の子に対するお金の教育は、お金の大切さを教えるというよりも、「お金を使うことに伴う危険」や「適正なお金の使い方」を教えることが重要になります。さらに進んで中学生~高校生になると、株やトレーディングなどをゲーム形式で体験させ、お金について学ばせるという取り組みも登場しています。

これらのことから、幼児~小学校低学年のころには、お金の教育を始めておくのがよいといえます。始める年齢は、子どもの成長期ゆえに個人差、家庭による差も大きいので、一概に「○歳からが最適」とは言えません。目安としては、1~10までの数がわかるようになり、お金や、お金のおもちゃに興味が出てきたころが適しています。

子どもが自然に「お金」を学ぶ方法は?

買い物する家族

お金の教育は、あくまでも現物・現地主義が基本です。まず、ご家族で買い物をするときは、時には現金で支払うようにしましょう。何にいくらお金を払ったか、お店や他の人に迷惑をかけない程度に、その様子をお子さんにもわかるよう見せるのです。

品物を1つだけ買う場合や、支払う金額が少ないときには、お子さんに支払いを任せてもいいですね。「1人で買い物ができた!」という大きな自信につながり、意欲や興味も高まります。
紙幣を使う機会はまだ少ないでしょうが、大人が使うのを見て興味をもったら、子どもの前で両替してみましょう。「1000円札1枚は、100円玉10枚だよ」と実際に見せるといいですね。

日常生活でお金について話したり、お金に触れる機会を増やしたりしていくことは、重要なお金の教育といえます。

いつから? いくら? 子どもへのおこづかい

落とし玉イメージ

おこづかいをいつから、いくら渡すかも、みなさん迷いどころだと思います。時期や金額はご家庭にもよりますので、絶対的な基準はありません。また、定期的ではなく、お祭りや遠足などの際に、そのつど与えて予算内でやりくりさせることもあるかもしれませんね。

おこづかいに関してのオススメの一つは、自分でノートを使えるようになったら、おこづかい帳をつけてみること。ノートには「いくらもらったか」「何にいくら使ったか」「いくら貯まったか」を、日付とともに記録します。
最初は保護者の方がお手本を書いてみせ、時々ノートを見てあげましょう。きちんと書けているようなら、ほめてください。また、お正月にお年玉をもらったとき、使い方を親子で話し合うのも金銭感覚の基礎を養う貴重な機会です。

おこづかい帳をつける目的は、お金の流れを「見える化」し、計画的に使う練習をすることです。失敗も経験しながらおこづかいを記録・確認していくことで、徐々によりよいお金の使い方が身についていくはずです。
お金の管理は、大人になっても必須のスキルです。子どものころからお金を管理する経験を積むことで、将来の人生設計の土台をつくっていきましょう。

次回は、お金の学び始めに最適な方法や、実践のコツを紹介していきます。

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加藤信巳(知脳教育研究所)

監修者:加藤信巳(知脳教育研究所)

学習研究社で幼児誌や学習誌などで知能を育てる教材の企画制作に永年携わったのち、学研教育総合研究所では東北大学と共同で認知症予防メソッドを研究する。独立後は「知脳教育研究所」を主宰。幼児対象の著作活動や教育企画、認知症予防の講演を通して、脳を知り、脳を活性化して取り組む教育の普及に取り組んでいる。主な出版物に『おかねのれんしゅうちょう』『おんどくれんしゅうちょう』(学研の頭脳開発)『さいしょのはさみ』『クレヨンであそぼう』『3歳 まるごとこれ1冊 できるかな』『4歳 まるごとこれ1冊 できるかな』(学研の幼児ワーク)他。

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