“非認知能力”の火付け役、ボーク重子さんが指南!「非認知能力」を育てるために、やってはいけないこととは?
昨年から、小学校の通知表でも「主体的に学習に取り組む態度」を評価するようになりましたが、これからの時代に重要視されるのが、学力テストでは測れない「非認知能力」です。子どもの「非認知能力」を育てるために大事なこと、親がやってはいけないこととは? ライフコーチとして活躍する、ボーク重子さんにアドバイスをうかがいました。
「できない自分」を、子どもに感じさせないことが大事
私の仕事はライフコーチですが、実はコーチが絶対にやってはいけないことがあります。それが「問題解決」なんですね。コーチの仕事というのは、クライアントの話を聞いて、質問することによって、クライアント自らが答えを出すのをサポートすること。これって、子育ても同じではないでしょうか。大人が3分でできるのに、子どもだと10分、15分かかることはよくあります。園や学校に行く前の朝の時間は、それこそ戦争ですよね(笑)。でも、そこで「早くしなさい!」「ぐずぐずしない!」と叱っても、「問題解決」にはなりません。
ぐっとがまんして、親が待つ
「この程度でいいか」とハードルを下げる
起きる時間を早くする
など、親が工夫して乗り切りましょう。私は、子どもに「できない自分」を感じさせないことが、子育てにおいて非常に重要だと考えています。「早くしなさい!」と怒鳴られると、子どもは萎縮して、「できない自分」を感じてしまうんです。その結果、自己肯定感も下がってしまいます。
つい手を出したくなっても、ぐっとこらえて!
たとえば、ブロックでスポーツカーを組み立てていて、子どもがブレーキランプの部品をボンネットに付けてしまったとします。そのとき、「これはここじゃないよ、うしろに付けるものだよ」と言って親が手を出してしまうと、子どもが自分でやるべき「問題解決」を親がやってしまうことになる。しかも、たったひとつの正解を押し付けてしまうことにもなるんですね。
子どもが「いや、これ、前についているほうカッコいいよ」と言うなら、それでいいんです。むしろ、「ホントだ! カッコいい!」と、柔軟性や創造力をうんとほめてください。そうすることで、お子さんの達成感や自己肯定感も高まります。
つい手を出したくなっても、「違うよ、こうだよ」と正解を言いたくても、ぐっとがまんして、「問題解決はしない!」。これを心がけてみてください。
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