子どもの文字がグンとうまくなる! かんたん美文字教室 第1回
小学生になると、わが子の字を見る機会が増えますが、「ノートの字が汚すぎて読めない!」「くせ字がひどくて、漢字テストで×になる!」「ていねいに書こうとすると、時間がかかって板書が間に合わない!」と、つい心配になることもあるのではないでしょうか。
「親もくせ字だから、遺伝かしら……?」。いえいえ、だいじょうぶです。ペン字講師の萩原季実子先生によると、ちょっとした書き方のポイントを押さえるだけで、子どもも大人もきれいな字が書けるようになるのだそう。先生が教えてくれた文字上達のコツを、4回に分けてご紹介します。
第1回 きれいな字を書く準備をしよう
最近の子どもは、スマホやタブレット端末の操作に慣れていて、指先での文字入力もお手のもの。
でも、鉛筆を握って紙に書くときに必要な、筆圧が弱くなっているといわれます。筆圧を上手にコントロールできるようになることが、字がうまくなるための第一歩だそうです。
今回は、筆圧をつけるのに役立つ文房具やにぎり方、姿勢について解説します。
子どもの字がきれいになるためのグッズはコレ!
ソフト下敷き
硬い下敷きだと、鉛筆の先がすべって書きにくくなります。やわらかい素材で少し厚めの下敷きなら、鉛筆の先が紙にほどよく沈むので、筆圧を意識しながら書けるようになります。
鉛筆
芯の濃さと硬さが重要です。小学校中学年までは、Bまたは2Bがおすすめ。やわらかいので筆圧が弱くても書きやすく、濃くしっかりとした読みやすい字になるのです。
字がきれいになる鉛筆のにぎり方
<良い例>
鉛筆の上側を親指、人さし指で軽くはさみ、下側は中指と薬指、小指をたて一列にそろえましょう。
※持ち方例はボールペンを使用しています。
<悪い例>
親指が上に重なったり、こぶしをにぎるように持ったりすると、手や指が動かしづらくなり、線が思うように書けません。
鉛筆がこぶしの中にかくれるくらいに短すぎると、このような悪いにぎり方になりがち。短くなってきたら、新しい鉛筆に替えるようにしましょう。
姿勢が良くなる! 書きやすい! 紙を置く位置
<良い例>
右利きなら右腕の前、左利きなら左腕の前に、紙やノートを置きましょう。紙に目を近づけすぎないように、背筋をのばし、紙と目の間は20センチ以上離すことが大切です。
<悪い例>
体の正面や利き腕と反対側に紙を置くと、手で字が隠れてしまうので、上手に書けません。姿勢まで悪くなる要因になります。
まとめ
まずは、きれいな字を書くための準備を整えましょう。第2回から、書き方のポイントについてくわしく解説していきます。
執筆/田所佐月