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子育て

<学校教育の今>プログラミング教育もサイエンス教室も STEAM教育最前線

<学校教育の今>プログラミング教育もサイエンス教室も STEAM教育最前線

「STEAM教育」という言葉をご存知ですか?

学校教育は、学びの内容から手段まで大きな変化のときを迎えています。新しい時代の流れとともに、前回の記事「親世代から激変 教育DXで子どもたちの学びが変わる」で示した「教育DX」や「GIGAスクール構想」、さらには「STEAM教育」などさまざまな構想がうまれているのです。

今回は、STEAM教育とは何か、現在の動向とともにお伝えします。

STEAM教育とは何か

STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術・教養)、Mathematics(数学)の頭文字をとった教育概念です。各教科の学習を、実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育だとされています(※1)。わかりやすくいうと、文理の枠を超えていろいろな教科をミックスして学び、社会で役立つ力を身につけていくということです。

この概念の前身は「STEM教育」でArtがありませんでしたが、近年になってあらゆる問いに対応できるように、芸術(Art)・教養(liberal Arts)の要素が加えられてSTEAM教育へと発展しています(※2)。

学校での対応

STEAM教育の一環として、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修となりました。これはプログラマーを養成するという意味ではなく、プログラミング的な思考、つまり課題を解決するためにどのような動き・プロセスをとるかといった課題解決型の思考を養成する意図があります。さらに、GIGAスクール構想により児童一人が一台の端末を持つことが実現し、授業や宿題の形態が多様化しています。学びの内容も各科目を融合したようなものが珍しくなくなりました(※3)。

参考までに、高校以上になると、先進的な理数系教育を実施している高校は「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」と指定されたり、サイエンス甲子園が実施されたりなど、STEAM教育を重視した取り組みが行われています。

子どもに求められる力

人工知能の進化や、技術革新のスピードは驚くほど速くなっています。近い将来には、AIやロボットが日常使いされるようになることでしょう。国の示すとおり、まず子どもには「IT力」が求められています。現に、90%の職業が、少なくとも基本的なIT力を必要としているそうです(※4)。さらに、課題を発見し解決するために考える力、社会的な価値の創造に結びつけていく能力の育成が求められています。

国が主導するこの大きな教育変革の流れを受けて、民間企業も次々とサービスを開始しています。プログラミング教室は大手企業が続々と参入し、教室はかなりの数にのぼっています。初期段階では、「Scratch」等のソフトを使った画面操作がメインでしたが、最近ではロボットや工作物を使い、プログラムで動かしたりして高度化しています。他にもサイエンス教室やものづくり教室など、STEAMを前面に打ち出すサービスもあります。いずれも、物理や生物といった自然科学系と、エンジニアリングやロボットといった応用科学系が融合するまさにSTEAM教育になっているのです。

 

いかがでしたか?小学校での学習内容は、国が「学習指導要領」として決めています。直近では2020年度改訂のものが一番新しく、ほぼ10年ごとに改訂されます。この10年ではグローバル化が進み、スマートフォンは中高生にまで普及しました。ビッグデータや人工知能の活用など技術革新は目まぐるしく、10年前では考えられなかったような激変が起きています。次の学習指導要領の改訂時には、現在認知していないものが出てくる可能性も大いにあります。子どもには、新しい時代の中でさまざまな情報を精査しながら、自分なりに課題を見つけて解決してほしいですね!

 

参考資料
※1「新学習指導要領の趣旨の実現とSTEAM教育について―『総合的な探究の時間』と『理数探究』を中心に」文部科学省
※2「STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について」文部科学省
※3「未来の教室」経済産業省
※4「未来の学びコンソーシアム 小学校プログラミング教育必修化に向けて」文部科学省、総務省、経済産業省

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