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子育て

“全米最優秀女子高生の母”ボーク重子さんが指南!なぜ、受験で、学力だけではなく 「非認知能力」が求められるのか?

“全米最優秀女子高生の母”ボーク重子さんが指南!なぜ、受験で、学力だけではなく 「非認知能力」が求められるのか?

先行きがなかなか見えない時代。よりよい人生を「生きる力」として、お子さんに身につけてほしいのはどんな力ですか?
新しいことに挑戦する力、あきらめずに粘り強くやり抜く力など、「非認知能力」をはぐくむ子育てのパイオニア、ボーク重子さんにアドバイスをいただきます。

私の娘、スカイは、60年以上の歴史を持つ「全米最優秀女子高生(The Distinguished Young Women of America)」という大学奨学金コンクールで、2017年度のグランプリを受賞しました。スカイは、コロンビア大学進学の資金の足しにしたいと考え、誰に言われたわけでもなく、自分で、このコンクールに挑戦することを決めたのです。
このコンクールで問われたのが、学力(認知能力)だけではない、主体性、協働性、柔軟性、想像力、自制心、自己肯定感、自信、レジリエンス(逆境から立ち直る力)、やり抜く力、共感力などの「非認知能力」だったのでした。

子どもを丸ごと評価する

日本は長らく、〇か×かがはっきりした、正解のある問題に対する能力を重視してきました。点数や偏差値で測ることができる力、つまり、学力ですね。こうした見える力を「認知能力」といいます。

しかし、アメリカでは、20年以上前から、「認知能力」一辺倒の教育では、未知の社会課題を解決する人材が育たないのではないか、という議論があり、「社会的情動的教育(Social Emotional Larning、SEL)」が推進されるように。そして、見えない力である「非認知能力」を育てるため、子どもを全体的・包括的に見る「ホールチャイルドアプローチ(Whole child approach)」が主流になったのです。この概念はハーバード大学やコロンビア大学でも採用され、アメリカでは市民権を得ています。
「ホールチャイルドアプローチ」によって、アメリカの受験事情は大きく変わりました。それまではテストの点数だけで決まっていましたが、子どもの多様な才能を評価する方向になったのです。

運動が得意かもしれない、音楽の才能があるかもしれない、ダンスが上手かもしれない、文章がうまいかもしれない。あるいは、貧困家庭に育ったけれど、大学に行くためにすごく努力したかもしれない、親の代わりに兄弟の面倒を見てきたかもしれない……。そういった子どもの背後にあるものも含め、子どもを丸ごと総合的・包括的に見て評価しましょう、ということです。

 

認知能力+非認知能力で

確かに、共感力や粘り強さといった「非認知能力」は数値化しにくく、どう評価するか難しいものです。そのため、「認知能力」、つまり学力テストで判断するという状況がずっと続いてきたわけですが、日本の大学入試も「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」などで小論文や面接などを課し、「認知能力」+「非認知能力」を評価する方向に変わってきていますよね。小学校受験や中学受験では、「非認知能力」という言葉こそ使っていなくても、ずっと以前から採り入れている学校も多いかもしれません。

実際、「非認知能力」を育てることで学力が上がった、という報告が世界各国から出てきています。「認知能力」も「非認知能力」も両方必要! このことを、ぜひ、心にとめておいてくださいね。

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