“全米最優秀女子高生の母”ボーク重子さんが指南!「非認知能力」を育むには①安心・安全な環境をつくる
先行きがなかなか見えない時代。よりよい人生を「生きる力」として、お子さんに身につけてほしいのはどんな力ですか?
新しいことに挑戦する力、あきらめずに粘り強くやり抜く力など、「非認知能力」をはぐくむ子育てのパイオニア、ボーク重子さんにアドバイスをいただきます。
「非認知能力」を育むには ①安心・安全な環境をつくる
子どもに「非認知能力」を育む上で大切なのが、毎日のように子どもと接する保護者のかかわり方や言葉のかけ方です。何も難しいことはありませんが、常にそれを心がけ、続けることが重要です。
では、「非認知能力」を高めるために保護者にできることは何でしょうか。それには、次の3つが大切なポイントになります。
- 安心・安全な環境をつくる
- 子どもの主体性を育む
- 外に向かって表現する、行動する
今回は、1.の「安心・安全な環境をつくる」ことについて説明します。
自己肯定感を育む
「安心・安全な環境」って何でしょうか? これは言い換えれば「自己肯定感」と言うことができます。「自己肯定感」、日本の教育でも、よく聞くようになった言葉ですよね。
では、「自己肯定感」とはどんなものか、説明できますか? 心理学やカウンセリングやコーチングの分野でいろいろな考え方が唱えられていますが、「自己肯定感」には次の感情が含まれます。
- 「自尊感情(自分を大切にする)」
- 「自己受容感(自分を受け入れる)」
- 「自己効力感(自分ならできる)」
- 「自己有用感(自分は役に立つ)」
- 「自己信頼感(自分を信じる)」
- 「自己決定感(自分で決められる)」
こういったものを総合して、「自己肯定感」と呼ばれています。
最も重要なのは、「その子だから価値がある」「その子がそこにいるだけで価値がある」ということ。無条件に自分で自分を認める、自分という人間を肯定する、ということです。
でも、子どもが「自己肯定感」を持つためには、子どもの保護者はもちろん、日常的に子どもとかかわる先生など、周りの大人が「自己肯定感」を持っていないと難しいのです。「自己肯定感」を持てない大人が、いくら子どもに「自己肯定感」を育もうとしても、それは無理な話なのです。
ありのままの私でいい
ですから、まずは、保護者が自分を無条件に受け入れ、無条件に価値を認め、自分のことを「価値ある人間だ」と思えることがすごく大事です。自分のいいところも悪いところも含め、自分という存在を丸ごと受け入れるわけですね。そうすることによって初めて、我が子に対しても、あるがままに受け入れることができるようになっていきます。
日本には、まだまだ昔ながらの価値観に縛られ、「自分はダメな親なんじゃないか」「自分は間違っているんじゃないか」と、自分を否定してばかりいる保護者の方が多いように思います。でも、そんな必要はないのです。「こうあるべき」に縛られないこと、完璧を目指さないこと、他人と比べないこと。そして、「私、よくやってるな」「自分なりにがんばってるよね」と自分を認めること。保護者がいつも笑顔で楽しそうにしていることが、子どもにとっての安心・安全な環境の第一歩なのです。
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