“全米最優秀女子高生の母”ボーク重子さんが指南!「非認知能力」を育むには②子どもの主体性を育む
今、日本の学校では、「主体的・対話的で深い学び」という視点で、学び方の改善を目指していますよね。では、「主体性」ってどんなこと? 「自主性」とは、どう違うのでしょうか。「自主性」というのは、あらかじめ決められたことを率先してやること。たとえば「自主的に宿題に取り組む」「教室の掃除を自主的にやる」といったように。それに対して、「主体性」というのは、「なぜそれをやらなければいけないのか」という目的まで考えて、誰に言われなくても自ら行動することを指します。この「主体性」が「非認知能力」を育むカギなのです。
やりたいからやる!
普段の生活の中で、顔認証や指紋認証、手書き文字の認識など、AI(人工知能)の進化を感じる場面が増えてきましたよね。AIが画像認識の精度を格段にアップし、「AIが眼を持った」のが2015年頃。2045年には、人間の脳とAIの能力が逆転する「シンギュラリティ」に到達すると言われています。
2014年には、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が、「10年後には今ある仕事の半分が機械(コンピュータ、AI、ロボット)にとって代わられる」という研究結果を発表し、世界に衝撃を与えました。10年後って言ったら、あと2年後、2024年です!
こんな時代を生きていかなければならない子どもたち。将来が不安になりますよね。でも、AIにできないことが、たったひとつあるんです。
それは「スイッチを入れること」。まさしく「主体性」ですね! だからこそ、子どもたちに「主体性」を育むことが重要なのです。
お子さんの通知表をご覧になればわかりますが、「主体的に学習に取り組む態度」という項目があります。「主体性」は、今や、学校で評価の対象にもなっているほどです。
では、「主体性」ってどうやって育むのか? しかられるからやるんでしょうか? ごほうびをもらえるからやるんでしょうか? 違います。やりたいからやるんです!
パッションを見つけて
子どもに「主体性」を育てるためには、やはりロールモデルとして、保護者が楽しく生きている姿を見せることが必要です。それによって、子どもたちも、「お父さんやお母さんのように、自分もやりたいことを探して生きていきたい」と思えるようになっていきます。
娘が通った幼稚園の先生が、次のようにおっしゃっていました。「私たちの一番大事な仕事っていうのは、子どもが自分のパッションを見つけていくのを手伝うことです」と。この言葉を聞いて、私はすごく感動しました。
やりたいからこそパッションを持ってやる。やりたいからこそ、ちょっと難しくても、失敗しても、やり抜く。失敗は成功するためのプロセスのひとつにしか過ぎません。そういう経験の積み重ねが、私たちの「回復する力」や「やり抜く力」、つまりは「非認知能力」を高めていってくれるのです。
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