10歳の壁って知っていますか?
「東大式!伸びる子どもに育てる小中学生の勉強術」第1回。
学習塾STRUX・SUNゼミの塾長・橋本拓磨です。
今回から、「東大式!伸びる子どもに育てる小中学生の勉強術」の連載を開始します。
この連載では、2021年3月末に出版した拙著「10歳からの東大式勉強術」(学研プラス)の内容をふまえ、小学生のお子様をもつ保護者の方に
「子どもの視野を広げ、いろいろなことに興味関心を持てるようにするために、自宅学習や日常生活で意識できること」
を具体的にお伝えしていきます。
1回目の今回は、学校の勉強が難しくなる小学3・4年の自宅学習について、保護者が押さえておきたいポイントを解説します!
東大生は「勉強嫌い」が少ない!大事なのは「勉強に抵抗感を持たない」こと
東大生200人に実施したアンケートでは、「勉強が好きだったか」と言う質問に約40%が「好きだった」と答え、逆に「嫌いだった」と答えた人はわずか16%でした。勉強に抵抗感があるとどうしても難しくなってきたときに乗り越えられなくなってきますから、この「勉強に抵抗感がない」という状態は非常に大事なことです。
特に、小学3年生・4年生になると、小学校での学習内容も難しくなってきます。科目も増え、算数や国語の内容も少しずつ複雑に、難しくなってきます。この一気にハードルが上がる状態を「10歳の壁」ということがあり、ここで一気に勉強に抵抗感を覚えてしまう子はとても多いです。
算数で割り算が登場、理科社会もスタート
「10歳の壁」で、具体的にどういうことが難しくなってくるのか、簡単に見ておきましょう。
小学校3・4年生で習い始める「10歳の壁」を感じやすい単元
?国語?
- 段落相互の働きなどを意識した読解が必要になり、急に読めなくなる
- 小学校6年間の中でも最も多い「200字」を3年・4年それぞれで覚えることになり覚えきれないこともある
- 国語の文法(修飾語や指示語など)や段落の働きを習うが、ついていけなくなりやすい
- ことわざや故事成語などが登場するので、急に覚えることが増える
?算数?
- 割り算が小3で登場、掛け算も3桁×2桁まで登場し、計算ミスが増える
- 分数・小数が小3で登場、そもそも大きさなどを理解できないことがある
- 長さや重さの単位が増え、単位の間違いなどが増える
- 小4で「たす・ひく・かける・わる」やカッコつきの計算の混合問題が出て複雑になる
- 小4で立体図形が登場し、苦手になる子が増える
- 小4の「概数」や四捨五入の計算でつまずくことが多い
?理科・社会?
- 授業やテストが始まり、一気に覚えるべきことが増える
大きく分けると「覚えることが増える」「複雑な内容が増える」の2点になります。
今まで通りに勉強していても「わからない」が増え、それが続くとだんだん苦手になってしまう、というわけです。
この「苦手になってしまう」を回避するには、今までと勉強法を変える必要もでてきます。
語の漢字やことわざであれば、ことあるごとにテストをしてあげたり、親御さんと子どもで問題を出し合ってクイズ形式にしたりすることで覚えやすくなります。
さらに、今まで以上にひとつひとつを「ていねいに」書いて覚える・読んで覚えるといったことも不可欠です。
ついつい早く終わらせようとして漢字を雑に書いてしまったり、問題文をざっと読んで答えてしまったりするとたくさん間違えてしまいます。間違いが多いと苦手意識がつきやすくなってしまうので、なるべく「ていねいに」漢字を書く、「ていねいに」計算の途中式まで書く、といったことをできているか確認してあげるようにしましょう!
Information
「10歳からの東大式勉強術」
好評発売中!
定価1,430円
学研プラス刊
監修者:橋本拓磨(はしもと・たくま)
小中高生向け個別指導塾SUNゼミ・大学受験学習塾STRUX塾長。 計画を立て、志望校から逆算して勉強を進めることで東京大学文科1類に現役合格。 地域の差なく全国から正しい勉強法を知ってほしい、そして受験を通して自分に自信を持ってもらいたいという思いから、オンライン塾や勉強法サイト「ストマガ」を立ち上げ、計画の立て方や勉強法を伝えている。