どうやって月へ行くの? 何日かかる? 2022年にはじまった宇宙計画にくわしくなる!《月(moon)編》
【第5回】とても簡単! 月へ行く方法
月って、どのくらい遠いか知っていますか?
地球からレーザー光線を発射して、月に当てて調べてみたら、38万4407km(キロメートル)だったそうです。
1kmとは、どのくらいの距離でしょう? あなたの1歩が30cmだとすると、1kmはだいたい3333歩です。たぶん15分くらいで歩けます。そのスピードで月まで歩くと、10年と352日と4時間かかります。かなり遠いですね。
では、クルマに乗ってみましょう。時速100kmで走るクルマであれば、月まで160日と4時間で行けます。もっと速い新幹線(時速300km)に乗れば53日と9時間です。飛行機(時速900km)であれば、17日と19時間で月に行くことができます。
すごーく速い宇宙船のスピード
1969年に打ち上げられたアポロ宇宙船は、3日と4時間で月につきました。とても速いですね。アポロ宇宙船は、1秒間に10.9kmすすむスピードで飛んだのです。つまりマッハ32。音のスピードの32倍の速さです。
宇宙には空気がないので、空気抵抗(ていこう)がありません。なので、クルマや飛行機より、ずっと速く飛べます。
おまけに、空気抵抗がない宇宙では、いったん飛びはじめたら、基本的にはスピードが落ちません。そのため、宇宙船は月へ向かって飛んでいるとき、ロケットエンジンを止めています。
地球を周ると月につく?
月へ行く方法を説明しましょう。図を見ながら読んでください。
ロケットで打ち上げられた宇宙船は、まずは地球を周る①のコースにはいります。宇宙では宇宙船が飛ぶコースを「軌道」(きどう)といいます。①の軌道は丸いので「円軌道」(えん・きどう)といいます。
コース①で宇宙船は、1秒間に7.9kmすすむスピードで飛びます。
これよりおそいと、地球の重力にひっぱられて、地球に落ちてしまいます。でも、このスピードで飛べば、エンジンを点火しなくても地球を周りつづけます。
その宇宙船が、地球のうら側でもういちどエンジンを点火したらどうなるでしょう?
そのとき宇宙船は、コース②を飛びはじめます。つまりそのコースは、円ではなく「楕円」(だえん)になります。これを「楕円軌道」(だえん・きどう)といいます。
地球のうら側でもっと長くエンジンを点火して、宇宙船のスピードをもっと速くしてみましょう。すると、宇宙船が飛ぶコースはもっと大きな楕円となって、むこう側が月にとどきます。これが月へ行くための方法であり、月へ行くための軌道です。この軌道にのっていれば、エンジンを点火しなくても、宇宙船は自然に地球へ帰ります。
2022年11月16日のニュースは見ましたか?
ついにアメリカのNASA(ナサ)によるアルテミス計画で、新型の宇宙船「オリオン」が、新型の超大型ロケット「SLS」(エス・エル・エス)で打ち上げられました!
アポロ宇宙船が月に行ってから50年以上、いよいよ新しい月のドラマがはじまりました。