宿題ができないのはなぜ? やる気にさせる5つの対策と勉強方法のコツ
「なかなか宿題が進まない」「すぐに遊び始めてしまう」など、子どもが宿題をしない場合、原因は宿題ができない環境や発達障害にあるのかもしれません。そこで今回は、宿題をやる気にさせる方法や、家庭で簡単に実践できる勉強のコツをご紹介します。
不安やあせりを感じることもあるかもしれませんが、むやみに叱ってしまうと逆効果となる恐れがあるため注意が必要です。正しい対策を取れば、子どもが進んで宿題に取り組むようになるでしょう。あわせて、宿題が苦手な子でも楽しく勉強できる教材もご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてくださいね。
子どもが自主的に宿題できない理由
子どもになぜ宿題しないのかと質問をしても、「なんとなく」「面倒くさい」といった返事をされるケースは多いでしょう。しかし実際には、子どもが自主的に宿題できないのにはいくつか理由があります。自主的に宿題できるよう対策を取るためには、まず原因を確認することが大事です。ここでは、子どもが宿題をしない3つの理由をご紹介します。
①勉強できる環境が整っていない
宿題をしようとしている子どもの目の前で、きょうだいがゲームをしている、テレビがついているといった状況になってしまっていませんか? 集中できる環境でない場合には、ほかのことが気になってしまい注意力が散漫になります。宿題だけに集中できるよう、静かで落ち着いた空間をつくることが大事です。
机の上はきれいに整頓し、目の届くところにはできるだけ勉強道具以外のものを置かないようにしましょう。また、きょうだいがテレビを見たりゲームをしたりする場合にはヘッドフォンをする、一時的にほかの部屋に行くといったような家族の協力も必要です。
②宿題できないのは発達障害の可能性も
勉強できる環境が整っているのに宿題がなかなか進まないケースでは、発達障害の可能性も考えられます。発達障害の特徴の一例は以下のとおりです。
- 他人とコミュニケーションを取るのが苦手
- 落ち着きがなくじっとしていられない
- 忘れ物やケアレスミスが多い
- 読み、書き、計算が苦手
- 言葉に遅れがある など
発達の遅れがある場合は、宿題しないのではなく「やりたくてもできない」という表現が近いかもしれません。「どんな宿題を出されたか覚えていない」「宿題よりもほかのことが気になってどうしようもなくなる」「書いてある問題の意味がわからない」といった、複雑な問題を抱えている可能性があります。ただし、心配のし過ぎにならないようによく観察してあげてください。
③宿題をやるメリットがわからない
なんのために宿題をするのかわからず、言われたからただやっているという状態の子もいるでしょう。「なぜ宿題しなければならないのか」「自分ががんばるメリットがない」と感じている場合は、宿題しようとする気持ちが起きないことが考えられます。
たとえば、志望校に合格したいと願っている受験生であれば、ほとんどの子は自主的に宿題をするでしょう。進んで宿題をする明確なメリットやリターンがあるからです。そのため宿題する気が起きない子の中には、メリットを伝えたりごほうびを用意したりすることで、モチベーションが上がるケースもあります。
子どもが宿題しないときの親のNG行動
どれだけ誘導しても子どもがなかなか宿題しないとき、あせったりイライラしたりすることもあるでしょう。強い口調で「勉強しなさい」「なぜできないの?」などと叱ってしまうこともあるかもしれません。
そういった言動は、逆に子どものやる気をうばうきっかけとなってしまっている可能性もあるので、注意が必要です。ここでは、子どもが宿題しないときの保護者のNG行動をご紹介します。
ただ叱るだけで行動しない
イライラとした口調で「勉強した?」「まだ宿題やってないの?」などと声をかけるだけで、保護者は何も手助けしないというパターンはNGです。特に小学1年生は、まだ要領がつかめておらず宿題のやり方がわからない場合もあるでしょう。また、好きなゲームを我慢したり机を整頓したりと、自分だけで勉強環境を整えるのも難しい年齢です。
子どもがひとりで宿題する習慣が身につくまでは、保護者が宿題の準備や進度の管理を手伝ってあげましょう。また、保護者も一緒に宿題に取り組むことで、親子のコミュニケーションが増え情緒も安定します。「おうちの人といっしょに宿題できるから安心」「間違っても教えてもらえるから大丈夫」と前向きな気持ちになれ、宿題に対する印象も変わるでしょう。
宿題を苦痛な時間にしている
間違えると怒られる、宿題を強制されるといったことが続くと、「宿題=嫌なもの」と認識してしまう可能性があります。嫌なことや苦痛なことは自然とモチベーションが上がりにくくなるので、どんどん宿題をしなくなるでしょう。
これでは、勉強したくない原因を保護者の方が自らつくっているようなものです。宿題に対するネガティブな気持ちを引き起こすような声かけをしてしまっていないか、あらためて確認しましょう。望ましくない声かけの一例は、以下のとおりです。
- いい加減宿題しなさい
- もう宿題は終わったの?
- こんな簡単な問題で間違えてはいけません
- ゲームばっかりしてまだ宿題しないなんて など
遊びの時間をもうけない
宿題の時間はしっかりと確保されているのに遊びの時間はもうけていない場合、子どもは不公平を感じる可能性があります。また空き時間がすべて遊びの時間となっているケースでは、遊びや好きなことを一度中断して宿題をすることになるため、宿題の存在自体をわずらわしく感じてしまうでしょう。
「4時から20分間は宿題の時間、宿題が終わったら夕飯までは遊びの時間」など遊びの時間も明確にし、公平さをアピールすることが大切です。また時間にメリハリがつくことで、「早く宿題を終わらせよう!」というモチベーションにもつながり、集中できるようになるメリットもあります。
宿題をやる気にさせる5つの方法
保護者の方の取り組み方次第では、子どもの宿題に対するモチベーションを高められます。やる気をアップさせる方法を確認し、実践しましょう。ここでは、各家庭で簡単に取り入れられる、宿題をやる気にさせる5つの方法をご紹介します。
発達障害を疑う場合は専門家に相談を
「多動傾向がある」「忘れ物やケアレスミスが多い」など発達障害が疑われる場合には、無理に宿題をやらせたり叱ったりすることは避け、わかりやすい言葉や絵で端的に指示を出すのが理想的です。ただ、家庭でできることには限界があるので、専門家の指示を仰ぐようにしましょう。
発達障害はケースごとに対応方法が異なります。どのような対応が効果的なのか、子どもに合っているのかといったことを早めに見つけ出すことが大事です。
親も一緒に宿題に取り組む
宿題の管理を子ども任せにせず、保護者の方も一緒に宿題をしてサポートしましょう。わからないところは教えてあげることで、問題の内容を理解できることもあります。わかる問題が増えれば問題を解くのが楽しくなるので、宿題や勉強にも前向きに取り組むようになるでしょう。
問題が解けたときや自分で進んで宿題を始めたときには、たくさんほめると効果的です。「宿題をするとうれしいことが起きる」と印象づけることで、自ら進んで宿題するようになります。
また、子どもの宿題を見守るだけでなく、保護者の方自身が新しい勉強を始めるのも方法のひとつです。同じ空間を共有して勉強することで、自然と勉強に適した環境づくりができるうえに学ぶ姿勢も教えられます。
遊び感覚で楽しく勉強する
宿題を「つまらないからやりたくない」と思っている子も多いでしょう。そういったケースでは、遊び感覚で楽しく勉強できる方法を取り入れることがオススメです。
たとえば、計算ドリルや漢字ドリルなどをタイムアタック形式で解いたり、おうちの方とどちらが多く正解するか競争したりと、楽しく学べる工夫はいくつかあります。「宿題や勉強の時間が楽しい」と思えるようになれば、前向きに宿題にも取り組むようになるでしょう。
スケジュールを前もって決めておく
宿題が進まない理由のひとつとして、先の見通しが立たないことも考えられます。「宿題をどれくらいの時間やるのか」「宿題が終わったら何をするのか」など、先のことがまったくわからない状態では、やりたくないと思ってしまっても無理はありません。
「学校から帰ってきたら宿題、その後は自由時間」「長期休暇は朝10時から11時までは宿題の時間」といったように、あらかじめスケジュールを決めておくことで見通しをもって行動できるようになります。精神的な余裕ができモチベーションにもつながるでしょう。
タブレット学習を取り入れる
「宿題はつまらないからやる気が出ない」と感じている子には、楽しく勉強する方法の一環としてタブレット学習を導入するのも選択肢のひとつです。タブレット学習は動画や音声があるので、ゲーム感覚で取り組めます。
また、タブレット学習は同じ問題を繰り返し解けるのもうれしいポイントです。何度も問題を解くことで、苦手分野を克服できます。問題に正解することが多くなれば勉強するのが楽しくなるので、学校や塾から出された宿題にも自発的に取り組むようになるでしょう。
伝えてみよう! 子どもが宿題をするメリット
宿題に対するやる気がなかなか出ない子には、「宿題をするメリット」を伝えることも大切です。なぜ宿題をするのか、するとどうなるのかを具体的に伝えましょう。宿題の時間にも価値を見出し、やる気が出る可能性があります。ここでは、宿題するメリットを3つご紹介しますので、声かけする際の参考にしてみてくださいね。
勉強する習慣がつく
毎日宿題をこなすことで、机に向かって勉強する習慣が身につくのは大きなメリットです。その習慣は受験に挑む際や社会に出たときにも役立ちます。ひとつの作業に集中することや、活字を読むこと、難しい問題に立ち向かうことは大人になっても必要なスキルです。
歯磨きや食事のように習慣化されていることには、苦痛や疑問を感じにくくなります。小学生のうちから勉強習慣を身につけておけば、あとから大変さを味わうことなく済むでしょう。逆に大人になればなるほど、新しいことを取り入れるのは難しくなるので、生活スタイルが確立する前の小学生のうちに勉強習慣を身につけておくことが大切です。
学校の授業を理解しやすくなる
「学校の授業がわからないから宿題もしたくない」と思っている子もいるかもしれません。しかし、学習理解度を高めるためには宿題が効果的です。学校や塾で出される宿題は授業内容に沿ったものであることが多く、宿題をやるだけで必然的に授業内容を予習・復習できます。
宿題によって「本当に授業内容を理解できているか」「苦手分野や得意分野はどこか」といったことが把握できるので、宿題で間違えた部分を集中的に勉強すれば理解が深まるでしょう。宿題によって授業内容への理解度が上がれば、問題がどんどん解けるようになるので勉強も楽しくなります。
自分で考える力が身につく
勉強習慣が確立すると、自分で考える力がつくのもメリットのひとつです。宿題においては「問題を解くのにかかる時間」や「どの教科を先にやるか」「苦手を克服する方法」「自分に合った勉強方法」といったことまで自分で考えられるようになります。
自分で考えて答えを導き出す力がつけば、日常生活の中での問題や学校内でのトラブルなどあらゆる場面でスムーズに対応できるようになるでしょう。
勉強習慣を身につけるならニューコース学習システムが オススメ
学研のニューコース学習システムは、勉強習慣を身につけたい方に適したタブレット学習教材です。このシステムは基本的には学校側が導入し、児童生徒にサービスを配信するケースを想定していますが、家庭学習用教材としても利用価値の高い教材となっています。
※2022年1月31日現在、無料で一般の方でもご利用いただけます。
小学校1年生から中学3年生までがサービス対象です。ドリルやテスト、要点語句の確認や動画授業といったさまざまなスタイルの教材サービスを受けられます。
イラストがカラーなので飽きがなく、見やすさやわかりやすさを重視する方にもオススメです。また、全単元に解説動画がついているので、学校の授業だけでは理解ができなかった部分の学習や授業の予習や復習にも役立ちます。タブレットは直観的に操作できる画面構成になっているので、子どもだけで学習する際にも安心です。
まとめ
自主的に宿題をしてほしいと願う保護者の方は多いでしょう。しかし、子どもにとってはなぜ宿題ができないのか原因をつきとめるのは至難の業です。できない原因を保護者の方が一緒に分析し、宿題がしやすい環境を整えましょう。
対策としては、勉強環境を整え、遊び感覚で楽しくできる教材を使用し、勉強習慣を身につけさせてあげる工夫をすることなどが考えられます。問題を解く楽しさを実感できれば、学校の勉強や宿題もどんどんわかるようになり、宿題や勉強に対するやる気もアップするでしょう。
宿題が苦手な子は、ゲーム感覚で始められるタブレット学習の導入がオススメです。学研の「ニューコース学習システム」なら、イラストが豊富で動画による解説もついているので、勉強が得意でなくてもハードル低く始められます。