子ども向け読み物
学研道徳動画ライブラリー・第19回<たにし長者(ちょうじゃ)>
むかしむかし、ある山に夫婦が住んでいました。
2人は幸せではありましたが、子どもいないことをとてもさみしく思っていました。
ある日、2人はこれで最後にしようと、
「たにしのような小さい子どもでもいいので、なんとか子どもを授(さず)けてください」
と水神様に必死にお願いをします。
そのお願いが通じたのか、なんと2人は子どもを授かります。
しばらくして生まれたのはとても小さな「たにし」。
2人はおどろきながらも、この子はきっと水神様の申し子にちがいないと、「たにや」と名づけて大切に育てました。
それから20年たったある日、たにやは、父と母の役に立ちたいと「自分が年貢を納めにいく」と言い出して、米俵(こめだわら)を馬車で長者の家まで運んで行くことに。
そこで、たにやは長者にとても気に入られ……。
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今回のお話は「たにし長者」です。
「たにし」を漢字にすると「田螺」です。「螺」は「うずまき型」という意味があり、「螺旋(らせん)階段」にも使われていますね。田んぼに生息する、うずまき型の貝殻をもつ生きものなので、この漢字が使われています。
小さなたにしが物語の主人公であることにより、私たち人間は小さな生きものを大切にしないといけないという思いにさせられます。
ふだん目にしている小さな虫にも、もしかしたら隠されたストーリーがあるのかもしれません。
どこかなつかしい祭りの音や風に揺れる稲穂(いなほ)、のんびりとした里山の風景とともに、たにしが主人公の奇想天外なストーリーをお楽しみください。
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