学研道徳動画ライブラリー・第20回<弓の名人 ウィリアム・テル>
今から700年前、ヨーロッパの一国のスイスは、オーストリア王の領地でした。
しかし、スイスの山奥、シュイツの森に昔から住む人々は、王に決して服従(ふくじゅう)せずに誇り高く暮らしていました。
今回は、その森に住む1人、弓の名人「ウィリアム・テル」の物語です。
平和にくらしていたシュイツ森の人々ですが、ある日をきっかけに、いじわるな役人のゲスラーに、森や川に住む生き物すべてを許可なく狩ることを禁じられます。
そのうち、狩ったものを町の広場で売ることも、自由に広場に入ることも禁止され、それらの決まりをやぶると地下牢(ちかろう)に入れられるか、大金を払わなければならなくなりました。
ゲスラーの勝手なふるまいが許せない勇敢(ゆうかん)なウィリアム・テルとその息子のワルターは反抗します。
しかし、怒ったゲスラーは
「50歩離れて、ワルターの頭の上に乗せたリンゴを弓で射てみろ」
と無理難題を押し付けました。
それは、成功すれば広場を開放し、たくさんの人が助かる一方で、外せば2人とも死刑になるという大勝負。
はたしてウィリアム・テルは無事にリンゴを射ることができるでしょうか?
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このお話は諸説ありますが、実話をもとにしているといわれ、当時のヨーロッパの時代背景にもふれることができます。
注目していただきたいのは、さまざまな雰囲気をつくり出すピアノの音色。
たとえば冒頭ではピアノの軽快なメロディーが明るい森の暮らしをイメージさせる一方で、
後半の低く、テンポの速い音はゲスラーが登場したことによる緊張感を駆(か)り立てます。
作品中、森の人々の会話に出てくる
「あいつらは1本の羽根ペンで勝手に線を書けば領土が増えるだろうが、我々の土地ではそうはさせない」
という言葉には、かれらの固い決意と信念が感じられます。
自分たちの都合ではなく、誰かによって決めらてしまった自分たちの居場所。
周りを海に囲まれた、島国の日本では思い起こしづらいことかもしれませんが、
陸続きの国境ではいろいろな問題が発生しています。
そういった世界の事実に目を向けるきっかけにしてみてください。
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