子どもが楽しめる本24選! 読書好きに育てるコツや本選びのポイントも解説
「できれば読書が好きな子に育ってほしい」と思っている方は多いのではないでしょうか。読書は、知識を広げ豊かな心を育む時間です。読書習慣が身につけば、集中力や語彙力が養われ人生にも有意義な変化をもたらすでしょう。
そこで今回は、子どもが楽しく読める本を年齢別にご紹介します。本が好きな子に育てるコツや、本を選ぶ際のポイントもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【本の選び方】子どもが楽しんで読める本を上手に選ぶポイントは?
本を選ぶとき、「楽しい本を読んであげたい」「子どもが夢中になるようなストーリーの本がいいな」と思いますよね。しかし本には、冒険ものや友情をテーマにしたお話、ミステリーなどさまざまなジャンルがあります。本を選ぶときのポイントを事前に確認し、お子さんの好みに合う本を選びましょう。
乳児期は親子の触れ合いをメインに
0~2歳の乳児期には、親子でコミュニケーションを取りながら読み進められる絵本が適しています。0~2歳児はまだ文字が読めません。保護者の方が読み、声のトーンや話し方を変えるなど工夫して絵本の世界観を伝えましょう。
くり返しのセリフがあるものや、音の響きがおもしろい言葉が使用されているお話は、子どもの興味関心を引き出します。また、0~2歳児は語彙力がなく集中力も長くは続かないので、絵が豊富で短めのお話が理想的です。
幼児期は楽しく読める本がベスト
3~5歳の幼児期には、さまざまな物事に興味や関心が出てきます。身の回りのものを題材にした絵本を選べば、親しみをもって読み進められるでしょう。幼児期には、語彙が増え集中力や想像力もつくので、ストーリー性があるお話や、長めの絵本でも楽しめます。
特に、5歳ごろには自分で文字を読めるようになる子もいるでしょう。子どもの成長や発達進度、興味関心に合わせて絵本を選ぶと楽しく読書できるようになります。
小学校低学年はストーリーの簡単なものをチョイス
小学校低学年になると、ほとんどの子は自分で読書ができます。ただ、まだ簡単に読み進められるわけではないので、子どもが自分で読むなら文字が少なめのものや絵が多い本を選ぶとよいでしょう。
長いお話や難しいストーリーの本は、読み聞かせに利用します。読み聞かせによる親子のコミュニケーションは情緒の安定につながるので、小学生になっても積極的に取り入れていきたいものです。
小学校高学年は想像力をかきたてる本が オススメ
小学校高学年になると、文字の読み書きがスムーズにできるようになり語彙も増えるので、ストーリーが複雑な本や絵が少ない本でも楽しめるでしょう。想像力もつくので、推理ものや小説もオススメです。
読書が好きな子であれば、自分で好みの本を選べます。図書館や本屋にいっしょに行き、自分で選んでもらいましょう。また漢字が得意であれば、ふりがな付きの子ども用の本ではなく、大人向けの本からも選択可能です。
【0~2歳】乳児期に読んであげたい愛情を育む本3選
0~2歳の乳児期での読書は、内容よりもおうちの方とのコミュニケーションがメインになります。やり取りを通して、「絵本っておもしろい」「読書の時間は楽しい」と印象づけることが大切です。ここでは、0~2歳の乳児期にオススメの絵本を3つご紹介します。絵本の特長やオススメポイントなどを押さえておきましょう。
『パパとすぅすぅ』
うさぎちゃんとパパの、休日の朝のお話です。パパと遊びたいうさぎちゃんは、なんとかしてパパを起こそうします。このお話は、リズミカルに読める短い文章が特長です。小さな子が喜ぶ擬音語(ぎおんご)や擬態語(ぎたいご)がたくさん使用されています。
あたたかみのあるタッチの絵なので、親しみをもって楽しめるでしょう。また、絵本は厚紙コーティングとなっているので、なんでも口に入れてしまう時期のお子さんでも安心です。
『おさかなちゃんの あのね、ママ おともだち』
新発想の黒い海の背景に、白いおさかなちゃんの絵が映える絵本となっています。絵や文字にたくさんの色が使われており色あざやかです。世界中で愛される絵本シリーズで、日本でも累計発行部数55万部を突破しています。『おさかなちゃん』はシリーズ化されているので、この絵本が気に入った子は、同じシリーズのほかの絵本も読んでみましょう。
この本は、おさかなちゃんがママに海の中のお友だちを紹介していくお話です。1歳~2歳ごろの動物や海の生物に興味をもっている時期の子に、読み聞かせしてみてはいかがでしょうか。
『まねっこおかお』
ひよこや動物たちの表情が変化する楽しい仕掛け絵本です。カバが「あ~ん」と口を大きく開けたり、ハムスターがほっぺを「ぷ~」とふくらましたりします。0~2歳児の好きな擬態語もたくさん出てくるので、いっしょに声を出して真似して楽しみましょう。
仕掛けがあるので、小さな子どもでも最後まで集中して見られます。自分でも動かせる設計になっているので、手先の運動にも最適です。また、小さな子どもにも安心して絵本をさわってもらえるよう、環境対応型インキである大豆油インキを使用しています。
【3~5歳】幼児期にオススメ! 好奇心を育む楽しい本3選
幼児期の子どもは好奇心旺盛なので、興味を刺激する本がオススメです。読み聞かせにオススメの絵本を3冊ご紹介します。なお、絵本には対象年齢が大まかに決まっていますが、子どもの発達や関心の度合いに合わせて選ぶことが大切です。語彙が増え、文字も読めるようになる5歳児の読み聞かせには、少し難しい絵本も取り入れましょう。
『おばけ』
自分や子どもの顔を絵本の枠にはめて遊べる、顔はめ絵本です。おばけになりきったり、「次はなんのおばけかな?」とクイズをしたりとさまざまな楽しみ方ができます。
仕掛け絵本のようにもなっているので、絵が変わる不思議な感覚が子どもの興味を引き出し、1冊を通して集中して読み進められるでしょう。たくさんのおばけや妖怪が出てくるので、ハロウィンの時期にも最適です。
『おおかみせんせい はじめてのしょうがっこう』
著者は『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞など数々の賞を受賞した「きむらゆういち」さんです。この物語は、先生になることを夢見ていたオオカミのきたろうが、子ブタ小学校1年生の担任になり必死にがんばる様子が描かれています。
主人公が物語の中でことわざをたくさん書くので、国語の勉強にもなる1冊です。ポップな絵とあざやかな色合いが、目を引きつけます。小学校入学を控えた5歳児や、就学を意識づけたいときに読むのが望ましいでしょう。
『くまくんの たすけて~!』
危険がいっぱいの道を歩くくまくんを助けてあげる、仕掛け絵本です。楽しい仕掛けが、子どもの興味を引きつけます。また、自分が助けてあげているような気分になるので、思いやりの気持ちを育みたいときにもオススメです。
ストーリーがわかりやすく幅広い年齢の子に対応できる内容になっているので、0~2歳頃の小さい年齢のきょうだいがいる場合の読み聞かせにも向いています。また、文字が少ないので、4歳や5歳で文字を読めるようになった子がひとりで読むときの本にもちょうどよいでしょう。
【学年別】子どもを本好きにする! 夢中で読める本18選
小学生は年齢の幅が広く発達速度もさまざまなので、「今までこの本が好きだったのに急に読まなくなった」「学年が上がったから難しいストーリーのほうがおもしろいかな?」などと本選びに悩んでしまうこともあるかもしれません。
子どもの興味関心や日ごろの様子に合わせて選ぶとよいでしょう。ここでは、小学生が楽しく読めるオススメの本を、学年ごとにご紹介します。
【1年生向け3選】楽しい本で読書習慣をつける
1年生にオススメの本は、ストーリーが比較的わかりやすく文字数が少なめなお話です。1年生が楽しく読める本として、以下の3冊をご紹介します。
・『1ねん1くみの女王さま』
女王様みたいにいばっている女の子「ひめかちゃん」が、クラスみんなを巻きこんで問題を起こしていくお話です。やさしい気持ちになれる友情物語なので、思いやりを育みたいときに読んでみてはいかがでしょうか。
新一年生のくみちゃんが、朝寝坊しそうになって目覚まし時計のめざましくんといっしょに奮闘するストーリーです。日常生活をテーマにした、ありそうでなさそうな不思議な世界観で、子どもの関心を引きつけます。
・『灰色グマのワーブ』
旭山動物園で飼育係をしていたあべさんと、100年以上前に動物学者として活躍したシートンのコラボレーション作品です。動物の生態や命の大切さを教えてくれます。
【2年生向け3選】語彙力を増やして国語力を育む
2年生は学習の基礎をつちかう時期です。そのため2年生の読書には、語彙が増えるような本や、本を通して学びが広がるようなストーリーのものが向いています。
絵本を通して、算数を学べるようなストーリーです。数字や算数が嫌いな子どもが苦手意識を克服したいときにも適しています。
うさぎが月に旅行に行くお話です。月の満ち欠けの仕組みや月食についてなど、月の秘密がわかる科学絵本になっています。5歳児~小学校6年生ごろのお子さんまで楽しめるでしょう。
・『おすしかめんサーモン きょうふ!なぞなぞニギリーランド』
お寿司のような顔をもつオスシー仮面がさまざまな謎の解決に取り組むお話です。なぞなぞや迷路などがたくさん出てくるので、遊びながら知育トレーニングができます。笑いあり涙ありのおもしろいストーリー展開になっているので、集中して読み進められるでしょう。
【3年生向け3選】さまざまなジャンルにチャレンジ!
小学校3年生になると、語彙が増え文字がスムーズに読めるようになるので、長めのストーリーでも自分で読書できます。3年生になったら今まで読んだことのないような新しいジャンルの本にも、どんどん挑戦してみましょう。
・『この世界からサイがいなくなってしまう アフリカでサイを守る人たち』
環境に関するノンフィクション作品です。サイの種類や進化の過程、密猟者とサイを守る人々の取り組みについて紹介しています。環境や生態系など世界が抱える問題がわかるので、社会の勉強にも役立つでしょう。
チャレンジャー教授と探検隊が南米の山奥に恐竜を探しに行くお話です。50点以上のカラーイラストを掲載し、1章を短めの文章でまとめているので、読みやすくてわかりやすい作りなっています。
・『ちきゅうのふしぎ』
めくる仕掛けが80以上ついた仕掛け絵本です。地球の構造や生態系を学べるので、知識が広がります。
【4年生向け3選】興味の対象を広げて自主学習につなげる
高学年に仲間入りした小学4年生には、興味関心の幅を広げて、新しい発見や学びにつながる絵本がオススメです。以下の3冊をご紹介します。
・『たのしいキリンのかいかた ペンギン、コアラ、からパンダ、ゾウまで』
動物の生態がわかる1冊です。「もしもキリンを飼ったら……」というユニークな視点でストーリーが展開されます。
・『赤毛のアン』
『赤毛のアン』は世界的に有名な作品です。カナダのプリンスエドワード島に住むアンが、持ち前の明るさと希望あふれる性格で、さまざまな試練に立ち向かいながらたくましく成長していくストーリーになっています。
・『もちもちぱんだ もちぱんのこわ~い?話 もちっとストーリーブック』
人気キャラクターであるもちもちぱんだのお話です。次々に事件が起こるちょっぴりミステリアスな内容が、子どもの好奇心をくすぐります。
【5年生向け3選】難しい本にチャレンジして読解力を養う
小学校5年生になったら、読解力を養えるような長めのお話や、学校の授業に役立つような本も積極的に読んでいきましょう。5年生にオススメの本として、以下の3冊をご紹介します。
妖精によって小人にされてしまったニルスが動物たちと旅に出る、冒険と成長のお話です。スウェーデンの作家が書いた名作で、日本では1980年にテレビアニメとしても放送されています。
・『みぢかなぎもん』
子どもが日常生活の中で感じる疑問の答えがわかる絵本です。仕掛けがついているので、楽しく読み進められます。本から得た知識を生かして、自由研究などに応用してみてはいかがでしょうか。
・『わくわくする英語』
小学校5~6年生になると、教科として英語の授業が本格的に始まります。この本はイラストたっぷりのまんが仕立てになっているので、スムーズに読めてわかりやすいのが特長です。英語の基本フレーズや使用する場面を楽しく学習できます。
【6年生向け3選】読書量を増やして中学生への準備
小学校の最終学年である6年生では、難しいストーリーの本や中学校入学を意識した内容の本にも挑戦してみましょう。6年生にオススメの本は、以下の3冊です。
最後にあっとおどろく結末が用意されているで、読書が苦手な子でも楽しく読み進められます。5分程度の短時間で読めるつくりになっており、朝や夜の空いた時間にも気軽に読書可能です。
・『わくわくする日本の歴史』
日本を代表する歴史上の人物に関する感動の物語を、まんがで紹介する内容になっています。歴史の勉強が本格的に始まる中学校入学前に読んでおきたい1冊です。小学校で学んだ内容の復習にも向いています。
・『ふたつの勇気 たくさんの命を救ったお医者さんの話 東日本大震災』
東日本大震災によって孤立した「石巻市立病院」で、400人以上の方の命を救った医師たちを描いたノンフィクション作品です。どうすることもできない現実と向き合う勇気や、思いやりの心を育みたいときに読んでみてはいかがでしょうか。
読書が子どもに与える効果とメリット
「なんで本を読まないといけないの?」と、質問されることもあるかもしれません。読書が子どもに与える効果やメリットは想像以上にたくさんあります。読書で得られるメリットの一例は、以下のとおりです。
- 語彙力が向上する
- 読解力がつく
- 集中力が養われる
- 想像力が豊かになる
- 思いやりの心が育つ など
集中力や語彙力などの能力の向上だけでなく、著者や主人公の気持ちを理解しようとする習慣が身につくことで相手を思いやる気持ちが生まれるなど、精神面での成長というメリットもあります。また、親子の読み聞かせの時間を通して、情緒(じょうちょ)が安定するといった効果も期待できるでしょう。
本が好きな子に育てるための3つのポイント
読書にはさまざまなメリットや効果があります。「読書が好きな子に育ってほしい」「読書習慣を身につけたい」と考えている保護者の方は多いでしょう。しかし読書習慣は、簡単に身につくものではありません。ここでは、お子さんが読書が好きになり本を読む習慣を身につけるための3つのポイントをご紹介します。
読書を押しつけない
読書をしてほしいという気持ちが強いあまりに、「本を読みなさい」「まだこの本読んでいないの? 早く読んでね」などと、強制的に読書させるのは避けましょう。読書を押しつけられることで、読書に対し嫌なイメージをもつようになってしまいます。
嫌なことを進んでやりたいと思う人は、ほとんどいません。命令するのは逆効果になるので、声のかけ方には注意が必要です。子どもの目が届くところにさりげなく本を置く、「この本、何日が返却日だよ」などとさりげなく読書をうながすといった程度に留めておきましょう。
子どもが興味のある本を自分で選べるようサポート
いつも保護者の方が本を選んでいる場合は、本の内容に興味がもてなくて読書が進まないといったケースも考えられます。子どもの興味のある内容の本を選ぶと、楽しく読み進められるでしょう。
どんなことに興味関心があるかわからないときには、自分で本を選んでもらうという方法もあります。本屋や図書館にいっしょに行ってみましょう。あらすじや表紙の絵などを自分で確認し興味をもった本を選ぶことで、「読みたい」という意欲が自然とわくようになります。
親も読書をする姿を見せる
乳幼児期~小学校低学年までは、読み聞かせでいっしょに読書を楽しむことを目標にしましょう。おうちの方との触れ合いの時間をもつことで、子どもの情緒が安定します。
また子どもがひとりで本を読めるようになった際には、おうちの方も積極的に読書をして読書のメリットや効果、楽しさを体感しましょう。おもしろい本をオススメしあったり、読んだ本に関する意見交換をしたりするのも方法のひとつです。
小学生にとって身近な方の影響力は大きいため、「お母さんが読んでいる本なら読んでみたい」「お姉ちゃんがオススメしてくれた本、おもしろそう!」といったように、次々に読んでみたい本が出てくるようになるでしょう。
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まとめ
読書は、集中力や語彙力を養い思いやりの心を育むといった効果やメリットが期待できる大切な時間です。読書習慣を身につけるためには、無理矢理読書させずに子どもの興味を自然に引き出せるよう工夫をしましょう。
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