【あした、親子で読みたい本】クリスマスが楽しみになる本 3選
子どもの時に読んで感動した本は、大人になってもずっと心に残るもの。子どもたちが、自分だけの宝物になるような一冊に出合えるように、おすすめの絵本や読み物を元書店員でありJPIC読書アドバイザーの市川久美子さんにご紹介いただきます。
11月に入ると街はクリスマスの飾りに彩られ、書店の児童書フロアにはクリスマスの本がたくさん並びます。わが子が幼い時、クリスマスっていったい何だろうと考えたことがありました。サンタさんのプレゼントや、パーティーでケーキやご馳走を食べること以外のクリスマスについて知るために、児童向けのクリスマスの本を読みました。
クリスマスの本には、キリストの生誕の話、サンタさんの話、もみの木の話、クリスマスを迎える話、クリスマスの歌の話…など様々なものがあります。特に翻訳絵本は美しく内容がしっかりしたものが多くあり、クリスマスについて知る参考になりました。10月に出版された『クリスマスツリーをかざろうよ』(光村教育図書)にはツリーの歴史が語られています。
今回は3冊しか紹介できませんが、このほかにも素敵なクリスマスの本がありますので、図書館や書店でご覧になってはいかがでしょうか。
『クリスマス物語集』(偕成社)
世界で語り継がれてきたお話を14編集めてあります。読んであげれば幼児からでも楽しめます。聖書の話・サンタクロースの話・民話・実話などが詰まっています。
「サンタクロースって本当にいるんでしょうか?」という女の子の問いに新聞記者が回答した文章には、親の私にも響きました。(このお話は偕成社から絵本にもなっています。その女の子がどう育ってどういう大人になったかを書いた絵本『サンタの友だちバージニア』(偕成社)もあります。)
「サンタクロース」という名前の起源と世界に広がったお話、キリスト生誕の話など、クリスマスまで一話ずつ読んでいくのもいいですね。体の栄養だけでなく心の栄養もしっかり取れるクリスマスになりますように。(対象:読んであげるなら5歳~,ひとりで読むなら低学年~)
編・訳:中村妙子
出版社:偕成社
定価:1,400円+税
商品詳細:『クリスマス物語集』(偕成社商品ページ)
『おじいちゃんがのこしたものは…』(評論社)
ミアは子どもの時のクリスマスにおじいちゃんからもらった手紙を大切にしています。クリスマスに家族(夫・男の子・女の子)がプレゼントを開け終わると、ミアはおじいちゃんの手紙を読みます。そこにはミアとの思い出・生き物や地球のことなどが書かれています。おじいちゃんの「地球のリズムにあわせ、地球と調和するように生活してほしい。」という願いは地球に住む私たちへのメッセージでもあります。おじいちゃんの素敵なクリスマスプレゼント。それを大切にしてきたミアも素敵ですね。
おじいちゃんとミアの表紙の絵も温かく、つい手に取りたくなるような絵本です。(対象:小学校中学年~)
文:マイケル・モーパーゴ
絵:ジム・フィールド
訳:佐藤見果夢
出版社:評論社
定価:1,600円+税
商品詳細:評論社公式サイト
『クリスマスの12日』(大日本絵画)
イギリスの、クリスマスから公現祭までの12日間(12月25日から1月6日)に、毎日の贈り物を歌うお祝いの歌「クリスマスの12日」。それを、ロバート・サブダが白を基調にした「とびだししかけ絵本」にしました。毎ページ飛び出す贈り物が美しい絵本です。高学年と大人の読み聞かせに使ったことがありますが好評でした。プレゼントにも最適です。(対象:小学校中学年~)
作:ロバート・サブダ
訳:上野和子
出版社:大日本絵画
定価:3,200円+税
商品詳細:『クリスマスの12日』(大日本絵画商品ページ)