ひらがな学習におすすめ絵本18選! 楽しく読んで語彙力を伸ばす
小学校入学前に、覚えたいことのひとつが「ひらがな」の読み書きです。とはいえ、「どう学べばいいの?」「どんな教材がいいの?」と悩んでしまいますよね。そんな時に役立つのが「絵本」です。絵本は文字に触れる機会になることはもちろんですが、絵と合わせて文字を捉えることで、習得もしやすくなります。そこで、今回はひらがな学習にオススメの絵本を厳選してご紹介します。お子さんが楽しく学べる絵本を探してあげてください!
ひらがな学習は何からはじめればいい?
「少しでも、早く覚えてほしい」。そんな思いから、早いうちからひらがなの読み書きに取り組む家庭もあるようです。しかし、ひらがなの学習はあまり早すぎると、逆効果になってしまうことも。では、いつから始めればいいのでしょうか。まずは、そのベストなタイミングや、どんなことからはじめるといいのかを解説します。
ひらがなは何歳で覚えるのがベスト?
ひらがなを覚えるタイミングは、「子ども自身が文字に興味をもったとき」がベストです。一般的には、3歳頃になると「なんて読むの?」などと文字に興味を示し出し、5歳頃には多くの子どもが書くこともできるようになります。個人差はありますが、この3~5歳頃の間に覚えるのがひとつの目安といえるでしょう。親として気をつけたいのは、無理強いをしないことです。興味をもつ前に無理に練習させたり、鉛筆を持たせたりすると、読み書きが嫌いになってしまうことも。親の願望よりも、子どもの自主性を優先しましょう。
かるたやおもちゃで興味を引き出す
ひらがな習得の第一歩は、興味をもってもらうことです。そのためにまずは、かるたやおもちゃなどで、ひらがなに触れる機会をつくってあげるといいでしょう。例えばかるたは読み札と絵札の両方を見せ、同じ文字を探したり、照らし合わせていくのがオススメです。また、読み札を何度も読み上げてあげると、子どもはいつの間にか暗記し、口に出すようになっていきます。ただし、この時期は「なんて読むの?」と問いかけたり「読んでみよう」などと無理に学習させるのはNG。子どものペースに任せて親は見守りましょう。
お手紙をやり取りする
手紙のやり取りも、ひらがなの学習に効果的です。まだ自分で読んだり書いたりできない子も手紙というコミュニケーションを身近な人と楽しむことで、だんだん「自分でも読みたい!」「書きたい!」という意欲が沸いてきます。例えば、「おてつだいしてくれて、ありがとう」など、感謝の気持ちを書いて、読み聞かせてあげるといいでしょう。ほめられると、より喜びを感じ言葉への関心も深まります。
絵本で楽しく文字に触れる
「絵本」をきっかけに、ひらがなに興味をもちはじめる子も多いと言われています。絵本は、絵だけでも楽しめるので文字が読めない幼児でも夢中になれます。何度も読み聞かせているうちに子どもはストーリーを覚え、次第に文字と音の一致に気づくなど、言葉にも関心を示すようになります。そうなったら、指で文字を追いかけながら読み聞かせをしてあげましょう。好きなセリフを口にするなど、どんどんひらがなに興味をもっていきます。
ひらがなに興味を持ちはじめたら読んであげたい絵本6選
最初は、テンポのいい言葉が繰り返されるものや仕掛けがあるものなど、楽しみながら読み進められる絵本がオススメです。聞いて耳に残るセリフや、楽しい絵のセリフは覚えやすく、すぐ口にもしたがります。さらに、ワクワクドキドキするストーリーなら、「楽しい!」「続きを知りたい!」といった好奇心を一層掻き立てます。
ぼうしとったら
大人気絵本作家ユニット「tupera tupera(ツペラツペラ)」による、ユーモアあふれる仕掛け絵本。カウボーイやコックさん、マダムの帽子をめくると、かえるが出てきたり、料理が出てきたり、頭が噴火していたり!? 予想だにしないものが登場してくるので、子どももびっくり&大喜び。「おとこのこのぼうしとったら」「はかせのぼうしをとったら」など、イラストの情景を表すひらがなが添えてあるので、文字と絵を重ねながら言葉を覚えていきます。
かぜビューン
鼻水が垂れた男の子、わたげを飛ばそうとしている女の子、アイスクリームを食べようとする男の子などが登場し、そこに、かぜがビューン。その風にあおられるように仕掛けをめくってみると、風が吹いたときの様子が描かれています。何度も読み聞かせをしていると、ページをめくるたびに現れる「かぜビューン」いう言葉を自然とインプット。おもしろがって口にするようにもなり、文字を習得していきます。
おばけだじょ
まっくろなからだ、ぎょろっとした目。ページをめくると、おばけのような黒い生き物が、いきなり「おばけだじょ」「たべちゃうじょ」とおどかしてきます。その先も、「ばぁ!」「ぐわぁぁぁぁ」などの短い言葉とともに移り変わる絵に、子どもはハラハラ、ドキドキ! 最後には生き物の正体が解明されますが、そこには驚きの展開が! ひとつひとつが短くテンポのいい文章なので、ひらがなを覚え始めた子どもにぴったりです。
みいたんのハンカチ
ネコのみいたんは、いちごのハンカチを持っておでかけ。ところが風がびゅーんと吹いてきて、ハンカチが飛ばされてしまいます。風になびくハンカチをつかまえようと、さまざまな動物たちが順にぴょーんと飛びつきますが、うまくつかめたのか、つかめなかったのか…。その答えは、仕掛けをくるっとめくると現れます。少し長めの文章ですが、読み聞かせてあげると絵を楽しみながら、言葉を音と目で感じ取っていきます。
まあるいたまご
「まあるいたまごがぱちんとわれて…♪」という、幼稚園や保育園ではおなじみの手遊びうた「まわるいたまご」を元にした仕掛け絵本。割れた卵の中から何が出てくるのかワクワク、ドキドキしながら読み進められます。卵が割れるシーンは仕掛けページなっているので、ますます高揚感もアップ! 慣れてきたら、ぜひ、うたいながらページをめくってあげましょう。リズムにのって言葉を聞けば、耳にも残り、習得しやすくなります。
おもしろ あいうえおかるたの え本
沖縄の張り子作家、豊永盛人さんの大人気かるたを絵本化。強烈なインパクトがありながらも、力の抜けたユーモアたっぷりの絵と、「はじめまして はんぎょじんです。」など思わずクスっと笑ってしまう文章のコンビネーションが絶妙。何度見ても飽きない独特の世界観に、子どもも大人もハマってしまうこと間違いなし! ページが進むたびに親子でクスクス笑いながら、楽しくひらがなを覚えることができます。
ひらがなを覚えたら自分で読ませたい絵本6選
少し絵本に慣れてきたら、子どもが「好きなこと」「関心があること」、「なじみがあること」などを題材した絵本を選んであげるといいでしょう。動物や乗り物など、自分が好きなことが書かれた絵本なら一層夢中になり、書いてあることをどんどん知りたくなります。次第に自分からページを広げ、言葉をどんどん吸収していきます。
でんしゃ・のりもの あいうえお
車、電車、飛行機など、子どもが大好きな「乗り物」の写真を100点以上も掲載した絵本。迷路遊びのように文字をなぞっていく“文字なぞり”、乗り物に絡めた“ことば遊び”のページなどを通して、ひらがなを覚えることができます。その他にも、乗り物の情報が盛りだくさん。子どもも自分の興味深い事柄ならば、自らどんどん本を開くようになり、自然と言葉を口にするようになります。
ぴよちゃんとひまわり
ひよこのぴよちゃんは、葉っぱを増やしてから食べるつもりで育てていたひまわりと、仲良くなります。ぱっと咲いた大きな花ともたくさんおしゃべりをして、ひと夏を楽しく過ごしていましたが、夏が終わるとひまわりは枯れてしまい…。ぴよちゃんとひまわりのやりとりを通して、友情、命の育みと終わり、次の世代につなぐことなどについても学べる1冊。少し長めの文章なので、短い単語は読めるようになったお子さんにもオススメです。
のりものなあにかな
乗り物の名前を覚え始めた子どもにぴったりな1冊。ページをめくると、次のページに出てくる車体が少しだけ映っています。それを見た、ゆうちゃんとママが、「こんどはあかいくるまだ なあにかな?」「かじを けしにいくんだね」といった会話を繰り広げていきます。「なあにかな?」と問いかけを読んであげると子どもは、「きゅうきゅうしゃ」「しょうぼうしゃ」などと口にするようになり、コミュニ―ションの楽しさも覚えていきます。
どうぶつクッキー
ページをめくると、動物の形をした可愛らしいクッキーと、「ねずみさーん」「チュー チュー」、「おさるさーん」「ウッキー」、「うしさーん」「モー」などの端的で短い言葉がポンポンと現れます。動物になりきって鳴き声を読んでみたり、親が「ねずみさーん」など呼びかけ、子どもは「チューチュー」など鳴き声で応えたり…。楽しく遊びながら読んでいくと、ひらがなもどんどん口にすることができます。
へんしん! かおはめえほん おしごと
絵の中の丸く切り抜かれた部分に“かおはめ”ができる仕掛け絵本。宇宙飛行士、アイドル、美容師など人気の職業をテーマにしており、それぞれの服装、髪型、体に自分の顔をすっぽり当て込めば、大人も子どもも大爆笑! また、絵には「ひろい うちゅうを ぼうけんだ」「こんな かみがた いかがですか?」などの言葉が添えられているので、なりきって読むことで、言葉や表現の習得にもつながります。
すーはー
著者は、2021年度ボローニャ国際絵本原画展入選で注目される若手絵本作家umeco(うめこ)さん。ページをめくると、動物や女の子が思いっきり息を吸ったり吐いたりする絵と、「すっーーーっ」「はぁ~~~っ」という文字が出現。そんな絵と言葉に合わせるように、大きく深呼吸をしてみましょう。思いっきり“すーはー”すれば、肩の力も抜けて、心もスッキリ。言葉はもちろん、深呼吸の仕方も覚えることができる新感覚の絵本です。
語彙力を育むために読ませたい絵本6選
言葉は日常生活の中でも身についていきますが、よりたくさんの単語や言い回しと出会えるのが本のメリットです。特に、日常とは少し違うシーンや、架空の世界を描いた絵本ならば、ふだん耳にしない単語や表現もたくさん登場するので、「語彙力」の向上にもうってつけです。楽しく読むうちに言葉の種類や使い方の知識も増えていきます。
どんぐりむらのいちねんかん
温かみある絵と文章で、村の住民たちの様子が描く大人気シリーズ『どんぐりむら』の第7巻。他の巻は、毎回「仕事」を話題にしていますが、この巻は四季折々の「暮らし」や「行事」がテーマ。例えば、4月はお花見、7月はプ―ル、9月はお月見…など、その月の行事と絡めながら、村の1年間を丁寧に描いています。四季折々で異なる情景は子どもたちにとっても新鮮。さまざまなどんぐりむらの様子を楽しみながら、新しい知識と言葉を覚えていくことができます。
もりのかばんやさん
人気絵本作家・ふくざわゆみこさんが手がける「森のえほん」シリーズの第3弾。主人公は、はりねずみのハリハリ。森のカバン屋さんの店長で、毎日素敵なカバンを手作りしています。やがて頼もしいお弟子さんも加わり、ハリハリがますます活躍していく物語。お客さん一人ひとりを思ってカバンを作るハリハリの優しさ、人と協力し合ったり、工夫しながらものを作ることの楽しさなども感じ取りながら、新しい言葉も覚えていきます。
おもちのかいすいよく
海にやってきた、おもちのもーちゃんと、ちーちゃん。いっぱい遊んでお昼寝をしていると、ちーちゃんがいなくなってしまいます。もーちゃんは、浜辺を探し回りますが、見つからず…。読み手の子どもたちも、もーちゃんといっしょに、夢中になって「あれかな?」「これかな?」と、探していくのもこの本の醍醐味。もーちゃんとちーちゃんが海で楽しく遊ぶ様子や、登場するさまざまな食べ物のキャラクターの様子などにもひきつけられます。
おおかみさんいまなんじ?
「時間を教えてくれるおおかみが、夜中の12時になると追いかけてくる」という保育園や幼稚園で人気の遊びを元にした絵本。子ひつじとおおかみの、「おおかみさん いまなんじ?」「いま 〇じ」「ああ よかった」という会話が繰り返されていきますが、夜中の12時になると、紳士なおおかみが豹変して……。「おおかみさん いまなんじ?」「ああ よかった」を子どもに読んでもらって読み聞かせすると、楽しさ倍増。言葉の習得も、速くなります。
うごきのことば
例えば「目のうごき」ならば、見る、みせる、みつめる、つぶる…。「いきもののうごき」ならば、とぶ、はう、はばたく、とびつく…。身近な動きを通して、「動詞」を学ぶことができる絵本。掲載語数は約860語。家の中、街の中、野山などのさまざまなシーンが展開されていき、それぞれのシーンの中に、人や動物の手足の動き、心の動き、自然の中の動きなど「うごきのことば(動詞)」が書かれています。さらに、一つひとつの動詞に英語も添えられています。
ゆきがやんだら
世界各国で翻訳出版もされているほか、米国とオランダでは大きな賞を受賞するなど、世界中で高評価の傑作。物語の舞台は郊外の団地。しんしんと雪が積もる静かな1日を、二人きりで過ごす親子の様子が、美しい絵と言葉でつづられています。雪が降ったときのドキドキやワクワク、その一方で「ぼくと ママしか いないみたい、せかいで。」といった孤独を感じる文章も。いつもと違う特別な時間を通して、読み手である子どもたちにも、新しい感情や言葉、表現なども身に着けていける一冊。
ひらがなを絵本で覚える3つのメリット
ひらがなを学ぶツールはいくつかありますが、その中でも特に効果的なのが、「絵本」です。絵本は、言葉を覚えることはもちろんですが、同時にさまざまな能力の発達を促すことができます。ここではどんな能力が伸ばすことができるかをはじめ、絵本で覚えることの主なメリットをまとめました。
自分のペースで進められる
絵本には、簡単な内容のものから、少し複雑なストーリーのものまでたくさんの種類があります。幅広いなかから子どもの学習頻度などに合わせて選べるので、無理なくひらがなを学ぶことができます。また、自分のペースで読み進められることも絵本のメリット。動画のように自分の意志と関係なくどんどん進んでしまうと、話しについていけなくなってしまうことも。絵本は自分のいいタイミングでページをめくれるので、置いていかれることなく物語をじっくり楽しむことができます。
数字や英語も! 語彙力が増える
絵本には、たくさんの単語や言い回しが出てきます。大人にとっては当たり前の言葉でも、子どもは初めて聞く言葉ばかり。読むうちにそれらを新たに吸収し、語彙力を高めることができます。また、ひらがなだけでなく数やアルファベットがのっている絵本もあります。上手に取り入れれば、子どもがそれらに興味をもつきっかけにもなるでしょう。他にも、夢中になって読むことで、集中力が養われますし、絵や言葉、主人公の感情から先の展開を考えたり読み取ったりすることで、想像力や思考力を育むことができます。
遊び感覚で楽しく学べる
子どもは、「覚えなくてはいけない」「勉強させられている」という感覚が芽生えると「つまらない」「やりたくない」と思ってしまいます。絵本は、楽しく読んでいくなかで自然と言葉を覚えることができるツールです。楽しく読み進めるなかで「もっと知りたい」などの好奇心が生まれ、それらが学習意欲にもつながっていきます。親としては、「勉強のために読ませる」ことより、楽しく遊ぶように絵本と付き合うことを意識しましょう。
ひらがな学習の絵本は「学研出版サイト」で探そう!
「楽しい本」と出会うと、他の絵本も読んでみたいという気持ちがどんどん生まれてきます。反対に、興味がない本を与えられたり、無理に押しつけられると「本は楽しくないもの」という認識が根づき、本が苦手になってしまうことも。どんな本が楽しいかはお子さんの個性は学習進度などによっても違うので、ぜひ我が子にぴったりな1冊を探してあげてください。学研出版サイトならば、「動物」「乗り物」などお子さんが興味ある内容をピンポイントで検索することもできます。ぜひ、活用してみてください!
学研出版サイトはこちら
まとめ
0~2歳半頃までは、文字を目や耳で覚えてインップットをしていく時期。そして、3歳頃になるとアウトプット、つまり「話したり書いたり」することが増えていきます。このアウトプットによって、子どもはどんどん文字を覚えていくので、親は、その作業の後押しをしてあげるといいでしょう。ただし、押しつけや無理に学習させるのはNGです。ひらがな学習で大事なのは、子ども自身が「楽しい」と思う気持ち。その気持ちを摘み取らないようにしながら、文字に触れる環境をつくってあげましょう。