【あした、親子で読みたい本】ことば遊びが楽しい本 3選
子どもの時に読んで感動した本は、大人になってもずっと心に残るもの。子どもたちが、自分だけの宝物になるような一冊に出合えるように、おすすめの絵本や読み物を元書店員でありJPIC読書アドバイザーの市川久美子さんにご紹介いただきます。
コロナ感染が収まらない中、感染防止のために両親・友人・知人にも会えないなど、寂しい生活が続いています。そんな中、アイデアを凝らして前に進んでいる方々に感動するこの頃です。
今回は、学校やご家族で楽しめることば遊びの本を紹介します。ことば遊びにはなぞなぞ・しりとり・回文・つみあげうた等々があります。なるべく楽しくなる本を紹介しましょう。
『もけらもけら』(福音館書店)
ジャズ・ピアニストの山下洋輔氏のリズム感があることばに、モダンアートの元永定正氏の絵がぴったりです。工夫された文字の大きさや配列により、より楽しさが増す絵本です。
小学校で読み聞かせをした時、楽しい笑顔を見せてくれた低学年の子どもたち。楽しいリズムに乗って気持ちが解放され元気が出たのでしょうか。読んでいる私の方も楽しく元気になれた絵本です。
類書の元永定正氏の絵本で『もこもこもこ』(谷川俊太郎:著 元永定正:画 文研出版)も、幼児から小学校低学年を対象には長い間読み継がれています。(対象:3歳~)
文:山下洋輔
絵:元永定正
構成:中辻悦子
出版社:福音館書店
定価:1,200円+税
商品詳細:『もけらもけら』(福音館書店商品ページ)
『マザーグースのうた 第1集』(草思社)
「マザーグースのうた」はイギリス伝承童謡です。馴染みのある「ハンプティ・ダンプティ へいにすわった」や「ロンドンばしがおっこちる」などがあります。
この本の中の「これはジャックのたてたいえ」はつみあげうたになっていて、文をだんだん継ぎ足ししていきます。初めは読んで、最後は覚えて一気に言ってみてください。大人まで楽しめます。小学校では私が一気に言って子どもたちに拍手をもらえました。ただ、早口で言わないと一気に言うのが難しいですよ。息が切れます。練習あるのみです。
つみあげうたといえば、このほかにも『これはのみのぴこ』(サンリード)という本もあります。挑戦してみてください。(対象:4歳~)
著:マザー・グース
訳:谷川俊太郎
イラスト:堀内誠一
出版社:草思社
定価:1,430円+税
商品詳細:『マザーグースのうた』(草思社商品ページ)
『にせニセことわざずかん』(のら書店)
小学3年生くらいになると、ことわざもよく知っているので、この絵本で遊べます。正しい「ことわざ」と、ちょっとだけ違う「にせニセのことわざ」が載っている絵本です。
たとえば、「馬の耳に念仏」(正しいことわざ)と「馬の耳に不燃物」(にせニセのことわざ)のどちらかを読んで、「正しかったら〇(まる)、にせニセなら✖(バツ)を頭の上につくってね。」と説明します。子どもたちは結構当ててくれます。間違っても気にしない。最後に正しいことわざを伝えればいいのです。
にせニセのことわざを読むのが結構面白く、楽しくことわざゲームができます。(対象:小学校中学年~)
作:荒井良二
出版社:のら書店
定価:1,200円+税
商品詳細:『にせニセことわざずかん』(のら書店商品ページ)