【あした、親子で読みたい本】雪の降る時期に読みたい本 3選
子どもの時に読んで感動した本は、大人になってもずっと心に残るもの。子どもたちが、自分だけの宝物になるような一冊に出合えるように、おすすめの絵本や読み物を元書店員でありJPIC読書アドバイザーの市川久美子さんにご紹介いただきます。
今年は例年以上に雪が多いというところがニュースで流れてきました。雪のお話といえば日本には『雪女』という、ちょっと怖いお話もあります。
今回は、雪のお話・民話・雪景色の本を紹介します。
『はじめてのゆき』(福音館書店)
とらたが外へ出ると、どこもかしこも真っ白。雪と戯れて雪の冷たさを知ると、てぶくろをして帽子をかぶりまた外へ。そこへ雪の玉がとんできました。とらたが「誰だ」と聞くと、「雪が降ると、太って大きくなるもの」と答えます。わかりますよね。その子は大きく大きくなっていきましたが、空が青く晴れわたると、少しずつやせていき、しまいには姿が見えなくなってしまいました。
子どもの好奇心がよく描かれています。子どもは雪が大好きですよね。犬もそうで、よく雪に顔を突っ込んだり、体を雪だらけにして遊びます。作者の中川李枝子さんは保育士をされていた方で、子どもの様子をたくさん見ていらっしゃるからか、とらたの子どもらしい姿が自然に描かれています。(対象:3歳~)
作:中川 李枝子 作
絵:中川 宗弥
出版社:福音館書店
定価:900円+税
商品詳細:『はじめてのゆき』(福音館書店商品ページ)
『十二の月たち』(偕成社)
あるところに、お母さんとふたりの娘がいました。娘のマルシュカは、お母さんの本当の子どもではなく、お母さんともうひとりの娘・ホレナにいじわるをされていました。ふたりはマルシュカに難題を突き付けて、雪の降る外に追い出します。マルシュカは泣きながら、今は咲くはずのない花を探しに山に向かいます。そこで、たき火を囲む12人の男たちに出会うのでした。(対象:小学校低学年~)
このお話はマルシャークの戯曲『森は生きている』の原型といわれる物語です。
再話:ボジェナ・ニェムツォヴァー
文・絵:出久根 育
出版社:偕成社
定価:1,800円+税
商品詳細:『十二の月たち』(偕成社商品ページ)
『おかしなゆき ふしぎなこおり』(ポプラ社)
表紙の建物の上に帽子のように積もった雪の写真を見て、こんな積もり方をするの? と驚きました。中を見ていくと雪の降り方で積もり方が違っていることがわかります。そして日差しが雪をとかし始めると、積もった雪が形を変えていきます。
霜のつきかたやつららの姿などの写真は自然の芸術です。この美しい雪の一粒一粒は、どんな形をしているのでしょう。『雪の結晶ノート』(あすなろ書房)に書かれています。
(対象:小学校中学年~)
写真・文:片平 孝
出版社:ポプラ社
定価:1,200円+税
商品詳細:『おかしなゆき ふしぎなこおり』(ポプラ社商品ページ)