【あした、親子で読みたい本】ツッコミどころ満載! 思わず笑ってしまう楽しい絵本3選
子どもの時に読んで感動した本は、大人になってもずっと心に残るもの。子どもたちが、自分だけの宝物になるような一冊に出合えるように、おすすめの絵本や読み物を元書店員でありJPIC読書アドバイザーの市川久美子さんにご紹介いただきます。
コロナ禍でリモートワークになったり、友人と会うことが少なくなったり、以前より気分が落ち込むことが増えていそうです。あわせて、雨の多い日が続く時期に入って、子どもたちは外で遊べなくなりますね。そういえば、声を出して笑うことも少なくなったように思います。
こんな時は、絵本を読んで思いっきり笑ってみませんか。歌ったり笑ったりすると元気が出るかもしれません。今回は子どもから大人まで笑える絵本、心を開放する、そんな絵本を紹介します。
『よい子への道』(福音館書店)
よい子になるために、「こんな時こんなことをしてはいけません。」ということが描いてある絵本です、と言うと、まじめなタイトルも手伝って面白くなさそうに思えます。でも、違います。
たとえば「学級花壇でしてはいけないこと」というページでは、「ひみつ基地をつくってはいけない」「温泉にしてはいけない」など、スケールが桁外れな内容が書かれており、思わず笑ってしまいます。ここまでの発想はなかなかありません。子どもたちの心を解放してくれる、子どもから大人まで人気の絵本です。
さいごに「おまけまんがげきじょう」がありますが、これがまた面白く、笑い声がますます大きくなりそうです。(対象:小学校2年生~)
作:おかべ りか
出版社:福音館書店
定価:1,100円(税込)
商品詳細:『よい子への道』(福音館書店商品ページ)
『ものぐさトミー』(岩波書店)
主人公のトミー・ナマケンボは電気仕掛けの家に住んでいます。朝は、ベッドが自動的に動きだしてトミーを起こします。そのあとも、自動で風呂に入れられ、歯磨きをさせられ、服も着せてくれ、食事もさせてくれます。なんと素敵な環境と思いませんか。電気仕掛けがじつに面白いのです。ちょっと羨ましいと思う人もいると思います。
ところがある日、雨の災害で電線が切れ、何も動かなくなってしまいました。5日目にようやく電気が復旧して動き始めるのですが、大変なことが起こります。とんだ経験をしたトミーは、今後どうするのでしょう。(対象:小学校3年生~)
文・絵:ペーン・デュボア
訳:松岡 享子
出版社:岩波書店
定価:968円(税込)
商品詳細:『ものぐさトミー』(岩波書店商品ページ)
『どうぶつにふくをきせてはいけません』(朔北社)
この本の作者のジュディ・バレットさんとロン・バレットさんは、著者紹介で「よほど寒い日に犬がコートを着る以外は、断固として、動物に服を着せてはいけないと思っている」と言っています。そんな二人が「動物に服を着せたらこうなってしまう」ということを、ユニークに描いています。
明らかに「この動物には服を着せないほうがいいよね」という動物が出てきます。また、服を着せてはいけない理由もつい笑ってしまうような内容で、それでいて納得させられます。書店員時代、同僚たちの間でもこの絵本が面白いと話題になりました。文と絵で実にわかりやすく説得力があり、笑えます。(対象:小学校3年生~)
文:ジュディ・バレット
画:ロン・バレット
訳:ふしみ みさを
出版社:朔北社
定価:1,320円(税込)
商品詳細:朔北社 公式サイト