山登りの一部であったがけへのアタックを、
すい直に近い人工物を全身で登る競技へと進化させた
「クライミング」のみりょくにせまります!
動画に登場してくれた達人、大場さんがクライミングウォールを登るすがた。 次にどこをつかむか、頭フル回転で考え中!
自然での岩登りから、
人工ウォールを使った
スポーツへ!
山に登ることを楽しみ、登ること自体を目的にする登山は、18世紀後半にヨーロッパで始まったと言われています。時の冒険者たちがアルプス最高峰のモンブランやマッターホルンの登頂に成功すると、次々とちょうせん者があらわれ、ぎじゅつや道具がじゅう実していきました。
そんな登山から枝分かれしてスポーツへと発展していったのが、自然の岩を登るフリークライミングです。安全せいを確保するためのロープやマット以外は、自身のぎじゅつと体力のみで登り切ることを目的し、世界各地でさまざまな競技会が開かれ始めました。
さらに競技化は進み、12メートル以上の高さを命づなで確保されたじょうたいで登る「リード」、5メートルほどの高さをロープなしでトライする「ボルダリング」、いかに早く登れるかを競う「スピード」などの種目がたんじょう。1986年にはフランスで初の人工のかべ=クライミングウォールを使ったイベントが開かれ、競技の舞台も変化していきました。
げんざいの国際スポーツクライミング連盟(IFSC)の前身団体によって、1989年からワールドカップが、1991年からは世界選手権がスタート。以降は専用しせつもふえたし、だれもが気軽にクライミングを楽しめるようになったのです。
アルファベットでおぼえようクライミングのだんたい
IFSC | International Federation of Sport Climbingの頭文字。2007年生まれ、スポーツクライミングの競技分野を束ねる、国際スポーツクライミング連盟。 |
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JMSCA | Japan Mountaineering and Sport Climbing Associationの頭文字。日本の登山界を統括する組織で、各種スポーツクライミング競技会なども開催する、日本山がく・スポーツクライミング協会。 |
すでとクライミングシューズのみでウォールにいどむ!
高さ4.5メートルのウォールに設定されたふく数のコースを制限時間4分間で、いくつ登れるかを競う「ボルダリング」。高さ15メートル以上のウォールを制限時間6分間で、どこまで登れるかを競う「リード」。高さ15メートル、95度に前傾したウォールを2人同時に登ってタイムを競う「スピード」の3種目があり、東京2020オリンピックでは1人の選手がすべてを行い、各種目の総合ポイントで最終順位が決定する「ふく合」で争われます。どの選手にも得意や不得意があるため、2種目終了時点でも最終順位の予想がつかない、手にあせにぎる展開が楽しめるでしょう。
極めて予そくがむずかしい、
3種目のふく合戦!
東京2020オリンピックのスポーツクライミング日本代表選手は男女2名ずつ、全4名が選ばれています。男子ではスピード種目の日本記録保持者で、2019年の世界選手権で2種目ゆうしょう、ワールドカップボルダリングでは年間総合ゆうしょうの楢??﨑智亜選手。女子では2008年に日本人女子選手としてワールドカップボルダリング初ゆうしょう後、国内外のあらゆる大会で輝かしいせいせきを残す野口啓代選手に注目です。
クライミングの競技にってい
8月3日(男子ふく合予選:スピード、ボルダリング、リード)
8月4日(女子ふく合予選:スピード、ボルダリング、リード)
8月5日(男子ふく合決勝:スピード、ボルダリング、リード)
8月6日(女子ふく合決勝:スピード、ボルダリング、リード)
会場:有明アーバンスポーツパーク
身体だけなく、頭も
フル回転させているんです!
最後に登場する達人は、大場美和さん。2010年にユース選手権リードで3位、翌年にはゆうしょう。またジュニアオリンピックカップ大会リードでもゆうしょうするなど、ユース年代に日本とアジアで輝かしいせいせきを残しました。機械体操でつちかった柔軟せいとバランス、手足のリーチの長さを武器に、2016年まで最前線で競技にいどみ続け、げんざいは自然岩のクライミングを中心に置いて活動する大場さんに、スポーツクライミングのすばらしさを語ってもらいます。