サーフィン

自然の海を舞台に、風の強さや向き、
しおの満ち引きで変化していく“波”に、
ボード1つで立ち向かう「サーフィン」の
みりょくにせまります!

サーフィンmain

動画に登場してくれた達人、近江さんが波に乗っているすがた。 波をくぐりぬけるわざ「チューブライド」を決めているのだ!


歴史!

南の島の古代人の生活から
遊び、そして競技へ!

 南太平洋の島々にくらす古代ポリネシア人が、漁のためにボートで波に乗る方法をあみ出し、そこから木の板で波に乗るようになったのがサーフィンの始まりだと言われています。

 スポーツとして広まったのは、1912年のストックホルムオリンピック、水泳100メートル自由形で世界記録を出してゆうしょうした、ハワイ出身のアメリカ代表選手デューク・カハモナクが「いつの日かサーフィンがオリンピック競技になってほしい」とゆめを語ったことに始まります。スイマーとして世界各地の大会にまねかれたデュークは、おとずれた先々でサーフィンのふきゅうにつとめると、ハワイ、カルフォルニア、オーストラリアなどで急速に発展していったのです。

 1964年に国際サーフィン連盟(ISA)、1976年にはげんざいの世界プロサーフィン連盟(WSL)の元となる団体が生まれ、プロサーファーの世界ツアーがスタート。ブームを後おししたのがサーフィン映画の数々で、1964年に公開されたドキュメンタリー映画『エンドレス・サマー』や、1978年公開の青春映画『ビッグ・ウェンズデー』などが大ヒット、世界中で波乗り人=サーファーにあこがれるたくさんの若者を生みました。

 日本ではなんといってもはいゆうの加山雄三さん。1963年公開の映画『ハワイの若大将』さつえいのためにサーフィンを覚え、翌年、そのうでまえを茅ヶ崎でひろう。スポーツ新聞などで「波乗り日本第1号」としょうかいされました。愛好家のふえたで日本にも1965年、日本サーフィン連盟(NSA)が発足。1966年には第1回全日本選手権大会が開かれました。1981年には日本プロサーフィン連盟(JPSA)も生まれされ、日本でもプロサーファーがたんじょうしたのです。


アルファベットでおぼえようサーフィンのだんたい

ISA International Surfing Associationの頭文字。世界のサーフィン競技とアマチュアサーファーを束ねる、国際サーフィン連盟。
WSL World Surf Leagueの頭文字。世界のプロツアーを運営する、世界プロサーフィン連盟。
NSA Nippon Surfing Associationの頭文字。日本でのサーフィンふきゅうにつとめ、アマチュア選手の海外大会はけんなども行う、日本サーフィン連盟。
JPSA Japan Pro Surfing Associationの頭文字。日本でのプロツアーを運営する、日本プロサーフィン連盟。

ルール!

波を見極めてライディング!

 サーフィンはふく数のジャッジによるさい点で勝負が決まります。波に乗ることをライディングとよび、1回のライディングで、うまく波に乗れたか、わざのむずかしさや積極せいなど、さい点きじゅんにしたがってとく点が決まっていきます。試合はヒートとよばれ、1ヒートは30分ほどで、4~5人が同時に海へ入ります。時間内にき定回数(10本ほど)までライディングできますが、海では同じ波は2度ときません。数多く波に乗ったりたくさんのわざを出すよりも、自分が持つ最高の技を仕かけられる“良い波”を選ぶことも大切です。良い波に同時に乗ろうとする選手のかけ引きも、見どころの1つです。


おうえんしよう!

世界にビッグウェーブを
起こせ、波乗りジャパン!

 東京2020オリンピックのサーフィン日本代表チームは「NAMINORI JAPAN(波乗りジャパン)」とよびます。カリフォルニア生まれでおさないころから波と育ち、2021年のWSLランキングでも上位(6月20日げんざい6位)につける五十嵐カノア選手や、中学生の時にJPSAでプロ資格を取り、各種大会で好せいせきをおさめ続ける18さい、松田詩野選手など、男女3名ずつ6人が選ばれています。


サーフィンの競技にってい

7月25日~8月1日の内4日間(予選2日、準々~準決勝1日、決勝1日)

※競技に適した波のコンディションで開催

会場:釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ



達人に聞く!

波に乗ってほほに流れる
風の気持ち良さはかくべつ!

 最後に登場する達人は、近江俊哉さん。元WSLジャパン代表、現サーフィン・ジャパン・インターナショナル代表理事。テレビや配信での世界最高峰のワールドツアー大会中継の解説者としてもおなじみ。神奈川県湘南は鵠沼というサーフィンのメッカに生まれ、1980年代から国内外のプロツアーで活躍。世界中のサーフスポットをたずねて回り、サーフィン専門誌の監修やサーフィン競技の運営などにもたずさわってきた近江さんに、サーフィンのすばらしさを語ってもらいます。