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「子育て」も「介護」も「仕事」も同時に 子育て世代が直面するダブルケアの現実

「子育て」も「介護」も「仕事」も同時に 子育て世代が直面するダブルケアの現実

「ダブルケア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ダブルケアとは、子育てと親などの介護を同時期に行わなければならない状態のことをいいます。また、このようなダブルケアを行う人たちを「ダブルケアラー」といいます。みなさんの中には、子育ての真っ最中という方もいらっしゃると思いますが、決して少なくない子育て世代の人々が、このダブルケアに直面しています。今回はダブルケアの現実について、お伝えします。

ダブルケアラーは25万人超

内閣府の「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」(※1)によると、ダブルケアを行っている人は、全国で25.3万人にのぼることがわかりました。ダブルケアラーの平均年齢は、女性が38.9歳、男性は41.2歳で、約8割が30代~40代と推定されています。

25.3万人の内訳は、女性が16.8万人、男性が8.5万人。ダブルケアラーの7割近くが女性ということになりますが、そのうち半数が仕事をしている女性でした。つまり、育児と介護を両立しつつ、仕事もしている女性が約8万人もいるということになります。

明日は我が身のダブルケア

女性の晩婚化が進み、出産年齢も高齢化しました。今日では、ひと昔前ならば育児がひと段落していたような年齢で、幼児を育てているという状況が見られます。そのため、子どもが就学する頃に、親の介護が必要になるというケースが出てきています。

少子化で兄弟の数が減っている現代で、親戚づきあいも希薄な場合、親の介護の担い手は自分だけ…というケースも多々あります。そうすると、かつてはできていたことも多かった、介護の負担分散ができなくなってしまいます。このような社会状況から、今後もダブルケアラーは増加すると予測されています。

必要なのは「備え」

育児と介護が重なることは、精神的にも肉体的にも想像以上に負担が大きいものです。調査では、ダブルケア経験者の4割近くが備えをしていなかったというデータもあります(※2)。大事な家族やのためとはいえ、介護や育児をする人が倒れてしまっては本末転倒です。ダブルケアに突入する前に、備えをしておく必要があります。

できる備えとしては、まず支援や制度を確認することです。ダブルケアには、高齢者福祉と児童福祉が関係しています。場合によっては、障がい者福祉や就労支援なども関わってくるでしょう。それぞれの福祉制度の行政の管轄は、バラバラな場合があります。しかし、最近ではダブルケアの深刻さを考慮して、ダブルケア相談窓口などを設けている自治体もあります。ダブルケアへの不安があれば、事前に自治体に確認しておくとよいでしょう。

また、仕事についても備えが大切です。ダブルケアでは経済的負担も出てきます。就業を制限したり、辞めたりする必要があれば、家計に大きく影響します。就業時間や業務内容の調整ができるか、どのような休暇制度があるか、補助金の有無なども確認しておきたいところです。

さらに、介護される側になる家族と話し合っておくことも、とても大切です。実際に介護が必要になってからではなく、事前に「どのように介護してほしいのか」「サービスの利用にかかるお金はどうするか」など、大きな方針を話し合っておけば、いざ介護が必要になった時スムーズに対応でき、負担が軽くなる可能性があります。

 

いかがでしたか?
ダブルケアラーの増加で、国を挙げての対策がとられ始めています。いつ直面することになるかわからないダブルケア。来るべきときに備えて、この機会にご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

参考資料
※1「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」内閣府男女共同参画局
※2「育児と介護のダブルケアについて」NPO法人子育てネットひまわり代表理事 有澤陽子、「家庭と仕事の両立支援ポータルサイト」東京都

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