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災害危機管理アドバイザーが教える季節の防災塾 《冬編》 火事ってなぜ起きる?

災害危機管理アドバイザーが教える季節の防災塾 《冬編》 火事ってなぜ起きる?
防災士の資格も持つ和田塾長から、気象予報士を目指している塾生のサイちゃんが、防災のアレコレについて教えてもらいます!

【第2回】原因は不注意から!

年末から年始にかけて、火事のニュースが多くなります。火事は一年中発生していますが、冬から春にかけては空気が乾燥しているため、大火事になる可能性があります。
そもそも「火事」はなぜ発生するのでしょうか。火事には必ず発火するための「火元」が存在します。火災全体の発生件数は減少傾向にありますが、火災が発生する三大原因は「たばこ」「コンロ」「暖房器具等」が占め、年によって入れ替わるものの、毎年上位を占めています(放火および放火の疑いを除く)。

空気が乾燥していると増えてしまう火事

「たばこ」に関しては喫煙者数の減少や「電子タバコ(火を使わないもの)」への移行などで減少するはずなのですが、喫煙者による「消し忘れ」などの不注意によって寝具などへの燃え移りが発生します。

また「コンロ」も調理中にその場を離れてしまったことで、油などが発火するケースが見られます。「暖房器具」の場合は周囲の「洗濯物」など衣類への燃え移りが報告され、いずれも「人による不注意」がなければ防げる事故ですね。

家での火事の発生状況として、テレワークや外出自粛が増えたことで、こんろを使う機会が増えたこともあるみたい。こんろの周りに可燃物を置かないようにするのも大事だよ。

火災を発生させないために

家庭内で「火」を扱う場所は限られているとは思いますが「火」または「熱」を持つ器具を使う場合は絶対に目を離さず、常に「火事」の危険があるということを意識しておきましょう。その場を離れる場合は確実に消火、電源を切るなどしておくこと。また火を扱う場所の近くには万が一に備え、すぐに手の届く場所に「消火器」を用意しておきましょう。
一般的に消火器を使う機会はほとんどないと思いますが「消火訓練」に参加したことはありますか?

落ち着いて ①ピンを抜く②火元にノズルを向ける③レバーを握る

ができれば特に問題はないはずですが、一度も試したことがないと非常時にはできないこともあります。火そのものではなく発火している火元に確実に向けることや、天井まで上がるような火は消火できないので避難を優先することなどがポイントになります。

地域の防火防災訓練などでは消火器の使い方を教えてくれます。機会があれば参加してみましょう。

煙からどうやって逃げる?

火災での被害は「逃げ遅れ」によって発生してしまいますが、煙に巻き込まれた「一酸化炭素中毒」による窒息、中毒がその多くを占めています。避難途中に煙から逃れられない場合には、タオルやハンカチなどで口をおおうことで一定程度の粉塵(ふんじん)やガスを防ぐことが可能です。ただし有毒ガスは通してしまいますので、一刻も早く屋外へ退避(たいひ)することが必要です。

火元の周りは整理整頓を心がけよう!

和田隆昌(わだたかまさ)

著者:和田隆昌(わだたかまさ)

災害危機管理アドバイザー。感染症で生死をさまよった経験から「防災士」資格を取り、自治体や企業の災害対策コンテンツに携わる。海・山のアウトドア雑誌の編集、専門誌編集長を歴任した豊富な知識と、数多くのメディア出演経験を活かし、誰もがわかりやすく親しみやすい危機管理のノウハウを伝えている。サバイバル術も得意。著書に「後年のための『読む防災』」(ワニブックス)他、講演会、各種セミナー、TVなどでも活躍中。
【キャラクターデザイン・イラスト:神楽つな】

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