【小学生向け】読書感想文は「まとめ」が大切! 基本構成や書き方のコツ
長期休みの宿題といえば “読書感想文”。今回は「苦手でやりたくない!」「何から始めればいいの?」というみなさんに、例文つきで書き方のコツを伝授します。書き出しから最終段落まで、テンプレートを使えば、だれでも簡単に文章力がアップできますよ。
また、読書感想文は「まとめ」が大切。読み手の心をグッとつかむ、文章の終え方もおさえて、学校での評価アップをいっしょに目指していきましょう。
【例文あり】 読書感想文の基本構成|書き始めからまとめまで
読書感想文は、4つの基本構成を守りましょう。いきなり作文用紙に書きはじめてはいけません。まずは全体の流れを決めることで、かんたんにはやく文章が書けます。
この順番を意識し、みなさんの読書感想文を「読みたい!」と思ってもらえるものにしていきましょう。
はじめに
読書感想文の最初の段落です。まずは、その本を選んだきっかけ・読む前の印象を文章にしてみましょう。ここがうまく書けると、読み手に「つづきを読みたい」と思わせることができます。
わたしが読んだ本は「●●●●●●」です。この本を選んだ理由は、表紙のイラストがすてきだったからです。あまり本を読む習慣がないので、最初はどれがよいか、なやんでいました。しかし、図書館に本をさがしに行ったら、表紙がとてもカラフルな本を見つけました。どんなお話なのかが気になり、ワクワクしてきました。(148字)
書き出しが長すぎると、そのあとに本の内容や感想が書けなくなってしまいます。
作文用紙2枚で書く場合は、1枚目の半分またはそれよりも少し短いくらいがよいです。
あらすじ
「その本はどんなお話なのか?」を書く段落です。本の内容を短くまとめます。書くときのポイントは3つです。
② 物語の舞台はどこ?
③ どういう内容?
小学生の男の子△△△が、宇宙をぼうけんするファンタージーです。たくさんの宇宙人と会い、じょじょに友情を深めていく物語です。さいしょは、宇宙人が△△△にいじわるをしていました。なぜなら、地球から知らない人がやってきて怖かったからです。しかし、男の子が地球のあそびや料理を教えてあげたことで、しだいに仲がよくなるという内容です。(162字)
感想や体験談
読書感想文で最も文字数の多いパートです。本に対する「自分の感想・体験談」を書いていきましょう。どのようなことを書いたらよいかわからないときは、次の4つのポイントを参考にしてみてくださいね。
② お気に入りの登場人物・キャラクターと、その理由
③ 登場人物・本の内容と似た経験と、その感想
④ 読む前・読んだあとの印象のちがい
③ 登場人物・本の内容と似た経験と、その感想
わたしは、宇宙人とおなじく、新しい友だちとなかなかお話ができなかった経験があります。わたしは、小学校2年生の時に転校してきました。最初は、なかなかクラスメートに話しかけることができず、とても緊張した思い出があります。そのため、宇宙人が地球人である△△△とうまくコミュニケーションを取れない気持ちがとてもわかります……
この段落は、感想文全体の半分以上書くようにしましょう。いちばん文章量が必要ですから、お子さんの手が止まってしまうこともあります。そのときは、親御さんが上記4つのポイントに沿って質問をしてあげるとよいでしょう。
まとめ
読書感想文の最後をしめくくる、まとめ。本から得られた学びや、未来にむけてみなさんがどうしていきたいかを書いていきましょう。
この本を読んで、あきらめずに挑戦しつづけることの大切さを学びました。△△△は、宇宙人に最初は受け入れらなくても、必死に地球のあそびを教えていました。そのねばりづよさを見習いたいです。わたしは、学校のテストが難しいとすぐにあきらめてしまいます。しかし、次のテストからは、わからない問題があっても時間ギリギリまでとき続けたいとおもいます。
読書感想文はまとめが重要! きれいに締める4つの方法
まとめでは、今までの文章を短くまとめ、自分の考えをもう一度主張します。そのため、内容はここまでの文章と似ていても大丈夫です。ですが、長く書きすぎては文章のしまりが悪くなってしまいます。目安の字数は、読書感想文全体の10%∼20%と考えるとよいでしょう。最後をきれいに締めて、読み手の印象に残る読書感想文をつくっていきましょう。
主人公と自分を比較する
物語全体をふりかえり、心に残った主人公の行動はありましたか? きっとそれは、自分にはできないこと、経験したことのないことだから、そう思ったのかもしれませんね。
たとえば、「今後同じことが起こったとき、どうしたいか」「主人公と同じ行動を取れるようになるには、何をするべきか」など、本から得た学びを、これからの自分にあてはめてみましょう。自分の成長につながっている文章は、読み手によい印象を与えます。
登場人物と自分を置き換えて考えてみる
登場人物の行動・心情・考え方を自分自身に置きかえてみましょう。「主人公は~という行動をしているけど、自分なら~する」「△△△の~という考えは、自分も~と思う」など、物語には共感できる部分とできない部分があるはずです。
本を読みながら、これらをメモに残すと、まとめが書きやすくなります。「自分なら~」「自分も~」の部分では、なるべくポジティブなことを述べると、文章全体がきれいに締まります。
登場人物のよいところ・まねしたいところを見つける
物語のなかで、好きな登場人物はいましたか? その人のよいところや、まねしたいところも、まとめには最適です。まずは、その中から1つにしぼります。そして、次の3つのポイントといっしょに述べてみてください。
② 自分はそれができているのか? できていないのか?
③ これから、どうしていきたいのか?
学んだこと・これから実践したいことを書く
本全体を通して考えたことを述べるのもよいでしょう。「物語が伝えたいことは何か?」「何をテーマにした物語だったのか?」これには、答えがありません。みなさん自身が、本を読んで感じたことを自由に書いてみましょう。
まとめの最後には、学校や家、習いごとなどで取り組める、具体的な目標を書くのがコツです。文章が具体的になり、読み手を引きつける効果があります。
読書感想文がもっと書きやすくなる! 3つのコツ
本を読み、作文を書く。ここまでが読書感想文です。とても時間がかかる宿題ですよね。
でも、作文を書きはじめる前にある工夫をすることで、だれでも簡単にすばやく終わらせることができるのです。これからご紹介する「本の選び方・読み方」をしっかりとおさえて、効率よく進めていきましょう。
読書感想文が書きやすい本を選ぶ
本には、読書感想文が書きやすいものと、書きにくいものがあります。
特にお子さんの場合、年齢や共通点のある主人公が登場する作品を選ぶとよいでしょう。なぜなら、感情移入がしやすく、自分の経験をふまえて作文ができるからです。
本を読むときは3つのポイントをおさえる
よい読書感想文を、かんたんにすばやく書けるようになるには次の3つのポイントをおさえましょう。
① ふせんをはったり、線を引いたりする
気になったところには、読みながら目印をつけます。好きな場面・感動したセリフなど、なんでも大丈夫です。
② 考えたことはメモを残す
読み終わってから感想を考えると、なかなか時間がかかるものです。目印をつけた部分に抱いた感情や考えは、忘れないうちに文章にしておきましょう。メモには、次のポイントをかんたんにまとめておいてください。
・気になった部分・場面・セリフなど
・なぜ気になるのか? どう感じたか?
③ わからない言葉は、意味を調べながら読む
知らない言葉が出てきたら、すぐに国語辞典を引きましょう。新しい言葉を知るチャンスでもあります。
また、字数が足りないときに「この本を読んではじめて知った言葉」について書くと、作文用紙がはやくうまります。
メモやふせんをもとに下書きをする
いきなり作文用紙に書くと、内容にずれや読みにくさが出てしまいます。
まずは、ふせんやメモに残した感想を整理しましょう。目印をつけた部分すべてを、書くことはできません。なので、まずはどれを作文にするか選ぶことが大切です。
作文に使うふせんの枚数の目安は次の通りです。
・3~6年生:3枚
読書感想文をワンランクアップさせるためのポイント
読書感想文がじょうずな人と苦手な人の差は「読み手の心に伝わるかどうか」です。せっかく時間をかけて書くのですから、先生やお友だちによい評価や関心をもらいたいですよね。
ここでは、すぐにマネできるテクニックを3つご紹介します。読書感想文はもちろん、受験の作文などにも使えるポイントです。
興味を引くタイトルをつけよう
タイトルは、読書感想文の内容を理解してもらうものです。そのため、本文が書けていないのに先に題名を考えるのは、難しいでしょう。
オススメは「本文を書き終えた最後につける」こと。読者の興味を引く題名のつけ方をレベル別に4つご紹介します。
① 【レベル1:かんたん】本の題名を入れる
- 「●●●●●●」を読んで
- 「●●●●●●」の友情ときずな
- わたしと「●●●●●●」
② 【レベル2】登場人物の名前をつかう
有名人を描いた物語や、伝記を読んだときにオススメです。
- わたしも△△△になりたい
- なぜ△△△は、~したのか
- もしわたしが△△△だったら
③ 【レベル3】本のテーマで考える
本のテーマと自分自身を重ね合わせて考えてみよう。
- たいせつな友だち
- 〇〇〇〇になるために、今できること
- ぜったいに〇〇〇〇になる!
④ 【レベル4】読者に質問を投げかける
本を読んで考えたこと・感想にあう質問をそのままタイトルにします。
- 「あきらめないこと」を学んだとき:なぜ、あきらめてはいけないのだろうか?
- 主人公のセリフに心を打たれたとき:△△△は、なぜ~と言ったのか?
原稿用紙のルールを覚えて、「見やすい」文章にしよう
よい感想が書けても、間違った書き方をしていれば、評価は下がってしまいます。
ここでは、絶対に守ってほしい基本ルールを2つ紹介します。
1. タイトル・名前・新しい段落は、決まったマス数あける
① タイトル:原稿用紙の一行目を2~3マスあける
② 名前 :苗字と名前の間は1マスあける
③ 段落 :段落のはじまりは、1マスあける
② 句読点・かぎかっこは、行のはじめに書かない
「、」や「。」、「」が新しい行になるときは、前の行の最後のマス、またはその外に書きましょう。
四字熟語やことわざも盛り込もう
本の内容や感想にあう「四字熟語」や「ことわざ」を文中に入れると、レベルの高い読書感想文になります。これらの表現は、ふつうの文章よりも印象的で記憶に残りやすいものになるかもしれません。
友だちとのきずなは、『一期一会』のように大切だと思いました。
まるで『ちりも積もれば山となる』ということわざのように、△△△の地道な~という行動が大きな成功をもたらしたのだと思います。
このように、目立つキーワードを入れると、説得力や文章のレベルが上がります。
文章力が身につく学研教室の「読解・作文コース」
読書感想文に必要な「文章力」は、文字だけで自分の思いを伝える力です。これは、「学んだことを活用する力」であり、今後の国際社会に通用する活用力・思考力として、学習指導要領にも示されています。
そのため、言葉の表現力を高め、さまざまな文章に触れることが大切なのです。しかし、お子さん一人では、なかなかこのような機会をつくることは難しいかもしれませんね。
学研教室の「読解・作文コース」では、週に1~2回・各40~50分の学習で、作文はもちろん、読解力も高めるテクニックが習得できます。独自の読書教材で毎月5,000~10,000字の文章を読む経験を積み、スモールステップでお子さんの成長をサポートしてくれます。
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まとめ
読書感想文は、長期休みの宿題として多くのお子さんが取り組んでいます。はじめて挑戦するみなさんも、そうでない方も、作文の書き方にはみんなが悩んでいます。
でも、難しく考えてなくても大丈夫。困ったときには、作文のコツを教えてくれる教材を手に取ってみてください。繰り返し使えますから、小学校卒業までご利用いただけます。
学研出版サイトでは、読書感想文はもちろん、文章力をアップさせるドリルを多数取りそろえています。ぜひ一度のぞいてみてくださいね。
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