知って安心! 子どもと自転車:第1回【自転車選び】
子どもの自転車デビューの時期や車種選びに悩む――子育て世帯が一度は通る道ではないでしょうか?
何歳ごろから乗るのがいいのか、どんな自転車を選べばいいのか、迷う方も少なくないと思います。
【知って安心! 子どもと自転車】第1回では、自転車ジャーナリストの遠藤まさ子先生に、初めての自転車選びについて教えていただきます。
初めての自転車選び、注意するのはこの3つ!
遠藤先生によると、初めての自転車選びでおさえておくべきポイントは、次の3つです。
①初めての自転車の選び方
②初めての自転車走行に備える付属品
③自転車の練習に適した場所
それぞれ、くわしく見ていきましょう!
初めての自転車の選び方
子どもの自転車デビューに関しては、時期や自転車のサイズなど、知りたいことがたくさんあります。まず、自転車デビューに適した年齢は一般的に何歳ごろなのでしょうか?
「最近は2~4歳ごろまではキックバイク(ペダル無し自転車)で、4~5歳ごろから自転車に、という流れがスタンダードになりつつあります。キックバイクから自転車への乗り換えのタイミングは、子どものスキルで判断します。キックバイクで両足を地面につけない走行姿勢をある程度キープできるようになったら、自転車にステップアップしてもいい時期です。」(遠藤先生)
自転車の選び方の基準として大切なのは、「子どもの体格」「ハンドルの位置」「安全基準マークの確認」の3点になります。
体格に合わせて選ぶ
「自転車のインチ表示と適正身長・年齢は、おおよそ下記の通りです。しかし、同じインチでもメーカーや車種によって差があるので、できれば店舗で試乗して、お子さんの体格に合ったものを選んであげましょう。バランスを崩したときに支えられるように、サドルにまたがったときに両足がしっかり地面につくことがポイントです。」(同)
【自転車のインチ表示と適正身長のめやす】
14インチ |
16インチ | 18インチ |
身長約95~110cm | 身長約100~120cm | 身長約105
~125cm |
3~5歳くらい | 3~6歳くらい | 4~8歳くらい |
ハンドルの位置にも配慮する
「『長く乗れそう』と大きめのサイズを選ぶと、足がつかないだけでなく、ハンドル位置も遠くなります。ハンドルが遠いと腕がぴんと伸びてしまって、ハンドルを切りにくくなったり、ブレーキをしっかり握ることが難しくなります。逆に、近すぎるとハンドルが上がった膝に当たってしまうので、これもよくありません。ハンドルを握った状態で肘が曲がり、余裕をもって左右にハンドルを動かせるくらいが適切です。」(同)
安全基準マークを確認する
「自転車業界の安全基準である『BAA(安全・環境基準適合車)マーク』がついていることを、購入の一つの基準にしてもいいですね。このマークが貼られている商品は、約90か所の検査項目をクリアし、国内での安全試験を満たしている商品で、PL保険(生産物賠償責任保険)にも加入しています。万一製造上の欠陥で事故が発生した場合には、保険対象となるので安心です。特に初めて自転車を購入するなら、メンテナンス面からもBAAマークなど日本の規格をクリアしたものを選ぶといいでしょう。」(同)
初めての自転車走行に備える付属品
初めて自転車を購入するときには、ヘルメットなどの付属品もいっしょにそろえましょう。必要な付属品の選び方のポイントを伺いました。
ヘルメット
「子どもの頭囲に合わせて選ぶのが基本ですが、メーカーによって深さや幅などの形状が違うので、ぜひ試着をして頭の形に合ったものを選びましょう。また、使っていると表側の樹脂は紫外線で劣化し、強度が保証されなくなります。ヘルメットはルールのために着ければいいというものではなく、命を守るもの。安全のためにも、少なくとも3年に1度の買い替えが望ましいです。」(同)
ライト・鍵
「子ども用自転車は、ライトと鍵がついていないことが多いので、ついていない場合は別途取りつけましょう。ハンドルに取りつけて使えるLEDライトは、100円ショップにも売っています。鍵は盗難防止のため、少しの時間でも離れるときは必ずかけることを習慣づけましょう。また、二重ロックにするとさらに盗難率が下がります。」(同)
プロテクター
「自転車の補助輪外しの練習のときなどに、転ぶのが怖いお子さんにはプロテクターがおすすめ。自転車はスピードが出ないと安定しない乗り物なので、漕ぎ出しの瞬間が怖いと、いつまでも乗れるようになりません。プロテクターを着けることで恐怖心が薄らいで、思いきって漕ぎ出せるようになります。」(同)
自転車の練習に適した場所
自転車の練習をするときは、どこで乗るのが最適なのでしょうか?
「ベストは、交通公園やサイクリングコースがある公園です。交通公園とは、公道を模した自転車コースなどがあり、貸し出しの自転車で子どもたちが楽しく安全に交通ルールを学べる公園のことです。あまり知られていなくても、意外と数多く交通公園はありますので、調べてみてください。近くになければ、車通りや、人の往来の少ない広め場所を探してみましょう。」(同)
第2回は自転車店との付き合い方や自転車保険についてお話を伺います。
執筆/田中絢子