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知って安心! 子どもと自転車:第2回【自転車店と自転車保険】

知って安心!  子どもと自転車:第2回【自転車店と自転車保険】

自転車の購入だけではなく、日ごろのメンテナンスや相談を気軽にできる自転車店の存在は心強いものです。
そして、子どもが自転車に乗り始めると心配になるのが事故です。もしもののときの備えとなる自転車保険についても考えておきたいですね。
前回に続き、自転車ジャーナリストの遠藤まさ子先生に教えていただきます。

町の自転車店を活用しよう

 

多くの自転車店や量販店の自転車売り場には、有資格者(自転車技士・自転車安全整備士)がいます。購入のときはもちろん、日常のメンテナンスにも欠かせない存在です。

「子どもも大人もお世話になりますから、近所になじみの自転車屋さんを作るのがおすすめです。毎日自転車に乗るなら、週に1回は空気が抜けていないか確認しましょう。タイヤに空気を入れることは、日常メンテナンスの基本です。自転車店の店頭には自動の空気入れが置いてあることも多いので、定期的に空気を入れに立ち寄るのもいいですね。

あまり知られていませんが、タイヤには適正空気圧というものがあります。タイヤ側面に書かれている数値に従って空気を入れるのがベストなので、よくわからないときはお店で聞いてみましょう。もしご家庭で空気を入れる場合は、できれば空気圧計つきの空気入れを用意しましょう。タイヤの空気圧を適正に調節すると、乗り心地もよくなり、故障も減ります。

また、チェーンなどの注油もしたほうがいいのですが、自転車には油がかかってはいけない箇所やパーツもあるので、ご家庭にくわしい方がいない場合は、お店の方にお願いしたほうがいいでしょう。」(遠藤先生)

お下がりもOK! でも調整は必須

 

きょうだいがいる場合、上の子の自転車をお下がりで使おうと考えているご家庭も多いかもしれません。お下がり自体に問題はないのでしょうか?

「きちんとメンテナンスをすれば大丈夫でしょう。お下がりの予定があるときは、年1回は点検に出し、劣化した部品は交換するなどして大事に乗りましょう。
ただし、実際に使う際には、譲られる子どもに合わせた調整を必ず行ってください。サドルの高さは気にしても、ブレーキバーの握り幅やかたさはそのままという方も多く見られます。手の大きさによって握りやすい幅が違うので、自転車店で必ず見てもらいましょう。」(同)

自転車保険は家族みんなで

自転車のある風景

子どもが自転車に乗れるようになると、いろいろな場所に自転車で行けるようになります。一方で、子どもが自転車事故を起こしたり、高額の賠償責任を負ったりするリスクも増えます。

「お子さんが自転車に乗るようになったら保険加入は必須です。小・中学校入学のタイミングで共済保険に入ると、特約に自転車保険が含まれていたり、プラスして個人賠償責任保険に入れたりする場合もあります。また、意外に忘れがちなのが保護者自身の加入です。家族みんなが加入しているか、今一度確認しましょう。

自転車保険でみなさんが気にされるのは、補償金額が十分かどうかではないでしょうか? もちろん金額も大切ですが、それプラス、示談交渉や法律相談サービスがあるかどうかもぜひチェックをしてください。実は、事故が起こったときに最も困るのが示談交渉なのです。

自転車事故は自動車よりも警察を呼ぶ意識が薄い傾向にあります。例えば子どもが物損事故を起こし、警察を呼ばずにその場から去ってしまった場合。せっかく保険に入っていても、警察官の作成した調書がないと保険金がおりない可能性もあります。なかには後からクレームまがいの要求をしてくる人もいます。そういうときにも、加入保険のサポートとして示談交渉や法律相談サービスがあると安心です。」(同)

子どもが一人のときに事故を起こしたら、自分で警察を呼ぶという行動はなかなか取れるものではありません。ふだんからどのように伝えておくといいのでしょうか?

「携帯電話を持っているお子さんなら、怖がらずに110番するように教えてほしいですね。後でトラブルを起こさないためには、その場ですぐに、警察官に調書をとってもらうのが一番なのです。しかし、小学校低学年ごろのお子さんにそれはまだ難しいことだと思います。
もし、お子さんが事故を起こしてそのまま帰宅したときは、すぐに保護者が現場へ赴き、事後報告として警察に連絡をしましょう。事後でも届け出ることが大事です」(同)

執筆/田中絢子

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遠藤まさ子 (えんどうまさこ)

監修者:遠藤まさ子 (えんどうまさこ)

自転車の安全利用促進委員会メンバー、自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い、各誌に寄稿している。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアでコメンテーターとして登場する機会も多い

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