第3回 ロケットのひみつ【その1】|ロケット博士イワサキの宇宙Q&A|
第3回 ロケットのひみつ【その1】
今回はこの冬、ロケット博士が協力して行われた、北海道の帯広市立啓北小学校、4年生の宇宙理科授業で飛び出したギモンをピックアップ。博士もおどろく知しきや宇宙へのきょう味に、全力で答えるぞ!
Q1 ロケットはどんなねん料で飛んでいるの?
A1 えき体か固体のロケットねん料です!
飛行機や車を動かしているねん料はガソリンですが、空気(さんそ)のない宇宙では燃えません。そこで、ガソリンだけでなく空気も一緒に載せ、混ぜて一緒にもやしてねん料にするんです。ただし宇宙でもやすにはたくさんの量が必要なので、さんそだけを取り出してえき体にしています。これを「えき体ロケット」と呼びます。
もう1つは、大量の火薬とゴムを練り混ぜて固めたねん料「固体ロケット」です。みんなが知っている花火とにています。試しにロケット花火に火をつけて水の中に入れてみてください。空気がないのにもえるのがわかります(実験は大人といっしょに!)。
Q2 ロケットのブースターってなんですか?
A2 宇宙へ一気に飛び出すサポート役です!
まずは下の写真を見てください。真ん中の大きなロケットの横に、2本の小さなロケットがついていますよね。真ん中は「えき体ロケット」、横は「固体ロケット」で、これがブースターです。
えき体ロケットは少ないねん料で大きく加速できて、大きな人工えい星なんかも運べますが、えき体を入れるタンクなどが必要で、ロケット自体が大きく重くなってしまいます。そこでねん料に火をつけやすく飛ぶ力も強い、固体ロケットをサポート役として使っているんです。
© JAXA
2014年12月3日に飛び立ったH-IIAロケット26号機のゆうし。あの小わく星たんさ機「はやぶさ2」をのせ、あっとういう間に宇宙へ!
Q3 火星にたんさ機を持っていけますか?
A3 持っていけますが……小さめです
火星の地上にまで着陸しようとすると、地球を回る人工えい星の10分の1くらいの重さが目安になります。今の日本のロケットで、火星に送れるたんさ機の重さを計算すると、投入する火星までの高度のこともあるので、300〜400キロくらいかな。これは街を走っている軽自動車の半分くらいのサイズです。
わく星たんさをするためには大きなロケットと、ギリギリまで軽くしたたんさ機が必要なんですね。
ロケット博士とは?
ロケットの研究開発をしている工学博士、岩崎祥大(いわさきあきひろ)さんのこと。
せん門はロケット用火薬(推進薬:すいしんやく)、化学工学。月から打ち上げるロケットなど、月惑星探査(つきわくせいたんさ)の幅を広げることを目指したさまざまなロケットの研究開発を行っている。株式会社Yspace CTO(最高技術責任者:さいこうぎじゅつせきにんしゃ)。関西大学 非常勤講師。
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