第11回 不思議なロケットあれこれ【その1】|ロケット博士イワサキの宇宙Q&A|
第11回 不思議なロケットあれこれ 【その1】
世界中でいろんな分野のエキスパートたちが宇宙やロケットの研究、開発を続けています。なかにはとんでもない発想から生まれた、めずらしいロケットも。いくつかしょうかいします!
Q1 電気で飛ぶロケットもあるんですか?
A1 イオン、電子、磁力(じりょく)……いろんなタイプがあります!
地上から宇宙へロケットを飛ばすには、地球の重力をふり切る強力なパワーが必要なので、火を使ってねん料をもやしています。ただし宇宙空間でたんさ機を飛ばすときなどは、そんなにパワーはいりません。そこで考えられたのが電気の力で動くエンジンで、最初の「はやぶさ」に使われ、成功したことで有名になりました。そのパワーは、手のひらに1円玉をのせたときに感じる重さくらいの小さなものですが、今では世界中のいろんなロケットにさい用されているんですよ。
Q2 宇宙ヨットっていうのがあるんですか?
A2 大きな「ほ」を広げて、太陽の光で進みます!
実は太陽の光にはモノをおす力があるんです。わたしたちが太陽の光を浴びていても、おされているとは感じませんよね。それくらい小さな力なんですが、無重力だと進む力に使えます。体育館がいっぱいになるほど大きい、たてよこ数十メートルのうす~い「ほ」を広げると、光におされて太陽と反対側に勝手に進む、ねん料のいらないロケット。それが宇宙ヨットです。太陽の不思議な力をもっと使えるよう、これからも研究されていくと思います。
© JAXA
宇宙ヨットが本当に飛べるかをたしかめるため、2010年5月21日、金星たんさ機「あかつき」といっしょに打ち上げられた、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」。無事にさまざまなミッションを成功させた。
Q3 宇宙エレベーターってできますか?
A3 日本の大きな建せつ会社も研究を続けています!
こちらはペンネーム「たいが」さんからのしつ問です、どうもありがとう。地球と宇宙をエレベーターでつなぐ、SF映画やマンガにもよく登場するゆめの乗り物ですね。発想はすごくおもしろいですが、ふたつの大きな問題があります。ひとつは遠心力で、高いところまで行けば行くほど強くなってしまいます。もうひとつは、宇宙までの長〜いエレベーターをささえられ、こわれない材料はあるのか。とはいえ最新技術(ぎじゅつ)もいつかは古くなってしまうもの。研究を続けていけば、かいけつさくも見つかるはず。宇宙エレベーターを作るのは、あなたかもしれません!
ロケット博士とは?
ロケットの研究開発をしている工学博士、岩崎祥大(いわさきあきひろ)さんのこと。
せん門はロケット用火薬(推進薬:すいしんやく)、化学工学。月から打ち上げるロケットなど、月惑星探査(つきわくせいたんさ)の幅を広げることを目指したさまざまなロケットの研究開発を行っている。株式会社Yspace CTO(最高技術責任者:さいこうぎじゅつせきにんしゃ)。関西大学 非常勤講師。
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