文系ママにも超わかる! プログラミング教育入門【第2回】
プログラミング教育推進アドバイザーの駒谷昇一先生が、デジタルに苦手意識のある文系ママ2人に、直々に、しかも超わかりやすくプログラミング教育を教えてくれる特別講座の第2回です。
「すべての教科の中でプログラミング的思考を学んでほしいのです。だから、ロボットを動かすことが目的になってはいけないんです。」という先生の言葉に、衝撃を受けたママたちでしたが……。
奈良女子大学 教授 駒谷昇一先生(三重県プログラミング教育推進アドバイザー)
プログラミング教育に関するあらゆる質問に、やさしく答えてくださいます!
T子 フリーライター&校正者。得意な教科は国語。中1の娘がいる。仕事をしながらPTA活動にも熱心に取り組んできた。
K子 マナビスタ編集部。学習参考書の編集者時代は国語担当だった。ゲームが大好きな高1と中1の息子がいる。
第2回 そもそもプログラミングって何ですか?
K子 プログラミング教育に大きな誤解があったのはわかりました。でも、そもそも「プログラミング」って何をすることですか?
先生 一言で言うと、「プログラミング」とは、「プログラムを作成すること」です。
T子 えっ、待ってください。「プログラム」って何ですか? 「プログラミング」とは違うんですか?
先生 プログラムとは、コンピュータを動かすための「手順」が記述された文や記号のことです。
T子 「手順」って、あの手順ですよね……?
先生 くわしく説明しましょう。まずは「手順」の定義です。手順は「順列」「分岐」「繰り返し」の3つの型の組み合わせで構成されています。
先生 そして、手順の表現方法には「フローチャート」「アクティビティ図」「PERT図」などがあります。
T子 なんだか難しそうですね……。
K子 こういう「手順」のプログラムを作ることが、プログラミングということですか?
先生 そうです。
K子 そして、それを自動的に処理してくれるのが、コンピュータってことですね?
先生 そのとおりです。
T子 コンピュータってすごいですね。私たちの便利な暮らしは、その恩恵にあずかっているということですね。
先生 はい。でもコンピュータは、指示された手順を正確にくり返すことは得意なんですが、指示されたことしかできないんです。だから、人間が手順を考える必要があり、そのために必要なのが「プログラミング的思考」を学ぶプログラミング教育なのです。
T子 なるほど! わかってきました! ところでこの手順って、もしかして子どもだけでなく大人も関係ありますか?
先生 実は大人はすでにやっているんです。先ほどの「PERT図」を例に挙げると、家事で言うとミートソースパスタ作りに当たります。
T子 えーっ!
K子 本当ですね! 最終的に盛りつけるところまで、けっこう難しい手順を無意識に行っていることがわかりました。
先生 他には、部屋の片付けの仕方も手順です。早く、効率よく終わらせるために、手順を考えて動きますよね。
T子 確かに!
先生 家事だけでなく、仕事の進め方から旅行の計画に至るまで、生活全般において当てはまるといっても過言ではありません。私たち人間はみんな、プログラミング的思考を、意識・無意識のうちに使っているのです。
T子 そうだったんですね。家事も仕事も生活にも役立つなんて、これは私ももっと身につけたいなあ!