ふしぎのトビラ 〜ふるさとサイエンス

TBC東北放送制作、東北地方及び新潟の7局で放送される「ふしぎのトビラ 〜ふるさとサイエンス」に佐藤研究員が出演中です。この番組は、東北地方を中心に地元の不思議を科学するサイエンス番組です。ミッキー先生(佐藤研究員)は、スタジオの子どもたちに実際の実験で、科学をわかりやすく解説します。
月1回放送されています。詳しい放送時間と放送局は、下記ホームページをご参照ください。
番組ホームページは http://www.tbc-sendai.co.jp/03tv/fushigi/index.html

第26回 08/4/12放送
ふしぎのトビラは、この4月でとうとう3年目に突入!!今回はその最初の放送です。

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番組レポートでは、土器や陶器の秘密がテーマだったので、陶器などと同様に熱を加えることによって作るガラスについての実験を紹介しました。

「オランダの涙」という実験で、科学の世界では知る人ぞ知る実験です。

直径約1cmのガラス棒をバーナーで熱し、ガラスが溶けてしずくとなって落ちるのを待ちます。

溶けたガラスはポトンと水の中に落ちて急激に冷やされ、しずくのような形のままで固まります。

このしずく形のガラスはとても丈夫な性質をもっています。かな床にのせ、ハンマーでたたきます。相当強くたたいても割れません。よく見ると、逆にかな床の表面、ガラスの当たる部分が、わずかにへこむほどです。

そんなに強い「オランダの涙」ですが、尾のように細く延びている部分をペンチでつかんで折ると、一瞬で粉々に砕け散ってしまいます。

溶けたガラスは水に落ち、外側が急に冷やされて固まりますが、内側は外側よりゆっくり冷えていきます。冷えていくときにガラス同士は強く引き合い、力のバランスをとりながら固まっていきます。その結果、ガラスの外側は非常に強い力で内側に引かれるとともに、外側はそれに耐えている状態になります。この状態はとても強く、特に圧縮する力には強いのです。

ところが尾の部分を折ると、一気に力のバランスが崩れるため、一瞬にして砕け散ってしまうのです。
この実験は、実は強化ガラスの実験だったのです。ガラスを熱処理して強化する方法は、自動車やビルのガラス作りに利用されています。普通のガラスの3〜5倍の強度になるようです。

次回の放送は、5/10の予定です。波に関係した実験を紹介します。