ふしぎのトビラ 〜ふるさとサイエンス

TBC東北放送制作、東北地方及び新潟の7局で放送される「ふしぎのトビラ 〜ふるさとサイエンス」に佐藤研究員が出演中です。この番組は、東北地方を中心に地元の不思議を科学するサイエンス番組です。ミッキー先生(佐藤研究員)は、スタジオの子どもたちに実際の実験で、科学をわかりやすく解説します。
月1回放送されています。詳しい放送時間と放送局は、下記ホームページをご参照ください。
番組ホームページは http://www.tbc-sendai.co.jp/03tv/fushigi/index.html

第29回 08/7/12放送
今回のテーマは「塩」です。

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今月は番組レポートで塩の浸透圧の実験などが紹介されたのに関連して、塩や備長炭を使った電池の実験を行いました。乾電池8本を直列につなぎ、その先に備長炭をつなぎます。それを真水の入った水槽に入れます。電池は直列ですから12Vの電圧を掛けていることになります。しかし何も起こりません。

次に主役の塩の登場です。濃い食塩水を真水の中に注ぎこみます。すると見る見る、煙のような細かい泡が備長炭のまわりからわき立ってきました。

匂いを嗅ぐと、プールの消毒剤のような匂いがします。プラス極から出ていた泡は塩素だったのです。塩水の中の塩素イオンが備長炭に触れて電子を放出して気体になったのです。マイナス極では電子をもらって水素イオンが気体になり、水素が発生しています。この実験は体にはよくない塩素が発生するので、短時間に行う必要があります。

リード線を電池からはずし、モーターにつなぎます。するとモーターがぶんぶん回ります。

つまり、備長炭と塩水が組み合わさった水槽全体が、電池の役割をしたわけです。

なぜ水槽が電池になったのでしょう?塩素や水素が発生し、その後乾電池を外すと泡は出なくなりますが、これらの気体は備長炭のすき間や穴に吸着した状態で残っています。

モーターをつなぐと、吸着していた気体が今度は逆に塩水の中に溶け出そうとします。そのとき泡ができたときと逆の電子のやり取りが起こり、電気が流れてモーターが回ったのです。

塩は体に不可欠であり、またいろいろな働きがあります。それは、塩が電気と密接な関係にあることがかかわっていることが多くあります。

次回の放送は、8/9の予定です。実験のテーマは夕日です。お楽しみに!