第五回
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あらすじ
…それは、三人組がまだ「星見の塔」に入る前の話。
はたらいて、家のくらしを支えていたアーエスは、
家族のために、あやしい商人についていく決心をする。
それをぐうぜん、ベルとショーンが見かけていた…。
「どうして、あの子の後を追っている!?」
「……アーエスを……知ってるの?」
ベルはおどろいてショーンの顔を見つめる。
「ま、まあな」
その辺のじじょうは花だんのこともあり、ごまかしたいショーン。
「名前は初めて聞いたが、ちょっとしたきっかけで知りあった」
「……聞いて」
ベルは少し考えてから、ショーンに打ちあけた。
「アーエスの様子がおかしかったの。いっしょにいる男も、信用できないやつ」
「はあ? たったそれだけの理由で後をつけているのか?」
と、ショーンはあきれた様子である。
「ただのかんちがいかも知れない。でも、放っとけないのよ!」
「意外と友達想いなのだな」
「そんなんじゃないわよ! ……でも」
ベルはくちびるをかんだ。
「……あの子だけなのよ。お金持ちのおじょうさまベルでも、アザラシの子でもなく、ただのベルとしてあたしを見てくれたのは」
「ただのベル、か……」
ショーン自身も、ベルのことを、生意気なわがままな一面しか見ていなかったことに気がつく。
「仕方がないな。手伝ってやろう、ただのベル」
「あんたって意外といいやつ?」
「意外はよけいだ」
「そっちこそ、ただのベルってよぶんじゃないわよ」
二人は肩をならべ、追せきをさいかいした。