セドリックVSおしゃべりフクロウ!!
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「おーい、誰かー!」
怪盗おしゃべりフクロウは助けを呼んだが、返ってくる声はない。
ここは薄暗い、じめじめした地下。
罠にかかって落ちてからもう半日近くがたっている。
「無駄だよー、この罠は脱出不可能なんだー」
隣でひざを抱えて座っている貴族の少年が肩をすくめる。
「この僕が、王都で最高の建築家をやとって、作らせたものだからねえ」
「落ち着いてる場合かああああ!」
おしゃべりフクロウはセドリックの肩をつかんでガタガタと揺らした。
「そもそも、あんたのせいでこうなったんでしょうが!?」
「ドロボーに入ったのは、君だよね?」
「……う」
話は十日ほど前にさかのぼる。